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魔界調停室:WIRED
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【おいなり旅情】
じろりと睨まれる。
出会いがしらの印象はよろしくなかったようだが、それでも
呉井 陽太
はめげずに微笑んだ。
「何だ、貴様は……」
「いやー、何か困ってそうだったので! 声かけてみちゃいましたー」
眼光鋭いその神魔は、狐であった。背に悪魔のような蝙蝠羽を生やした、精悍そうな狐だ。
そんな狐が何やら探しているようなそぶりであったので、陽太は親切心から接触を試みたという次第だ。
ただその結果、今こちらへ向けられているジト目は狐とは思えないなかなかの威圧感で、陽太は思わずたじろいだ。
「えーっと、その。余計なお世話だったらすみません。オレ、もう行きますねぃ」
「……まあ、待て」
にわかに狐の瞳がぎらと輝き、まばゆい光が陽太を包み込む。
(ええーっ、何これ!? 身体が動かない……!?)
いわゆるひとつの、金縛りというやつだろうか。狐の視線を浴びた陽太の四肢はぴくりとも動かず、身動ぎさえ叶わない陽太を狐はじっくりと、時間をかけて眺め回した。
「ぷはー。やっと動けた……」
どれほどの時間が経過したのか。ようやく解放され、安堵した陽太へ投げかけた狐の視線からは、先ほどまでに帯びていた険がいくらか和らいで見えた。
「すまぬな。久方ぶりの人界ゆえ、そなたが害ある者かどうか、じっくりと確かめさせてもらった」
「じゃ、疑いは晴れたということで……?」
「うむ。あらためて名乗ろう。私は神魔『ファイラム』。ここではない、とある異界の扉にて門番を務めている」
声色は落ち着いていて、少し硬い。真っすぐな瞳からは生真面目さがにじみ出る。いささかに尖っていた目線は、警戒するあまりにといったところだろうか。
どうやら堅物ながらに温厚であるらしい神魔の軟化した態度に、陽太はほっと肩の力を抜いた。
「ところで、門番って?」
「うむ。この島は実に、多様な世界との繋がりを持っているようだな。例えばあの宙に浮かぶ塔など、その最たるものだろう」
指差したのは、見える者にしか見えない星幽塔だ。
確かに寝子島において、ことにもれいびたれば、未知なる異世界への旅路といった体験もしばしば起こったりする。陽太にも経験があった。
「そういった数多の世界の一つが、私の守護する世界というわけだ。普段は無用な行き来で混乱が起こらぬよう扉を封じ、見守っているのだよ」
「なるほど~、大変ですねぇ。あれ、それじゃファイラムさんは、どうして寝子島に?」
「ああ、うむ。そうだな。数百年ぶりに休暇を取れたものでな……」
と、狐は途端、なぜだかバツの悪そうな顔を浮かべ、ふいとそっぽを向いた。
そういえば、と陽太は思い返す。先ほど彼は、何かを探しているようなそぶりだった。
「……なりずし」
「はい?」
「いなりずし、というものが、この世界にはあるだろう。ずっと気にかかっていてな……いや! 待て、勘違いをするでない。神魔たるものが卑しいさもしいなどと思うな、これは他世界間における文化交流のための実地調査という高尚な目的あってのことで」
「はは……」
神魔とはいえ狐らしく、そんなものが気になっていたらしい。一気に親近感が湧いて、陽太の頬はゆるむ。
『魔界調停室:WIRED』は、神魔たちと絆を結ぶ……ワイヤードすることが目的であるらしい。
「それじゃ、オレ、案内しますよぅ。確か旧市街に、美味しそうないなりずし売ってるところがあったんで」
「おお、本当か! いや、あくまで実地調査のためにな。高尚な目的のためにな、よろしく頼む」
翼を嬉しそうにぱたぱたと羽ばたかせる様は、もはや微笑ましかった。
陽太は狐のファイラムを伴い、旧市街へ赴いた。
犬猫ならともかく翼の生えた狐は目立ちそうなものだが、そこは彼の持つ神魔の力とやらで人の目を欺いているらしく、不審がられたり不必要に興味を持たれることも無かった。
「ここです。ここ」
「おお。いなりずしがあんなに……!」
いなりずしを二箱も買い、人気のないところで神魔へ献上する。
ぱくりと頬張ると、
「ううむ。美味! このような食い物がこの世にあろうとは、ああなんたる美味か!」
もはや威厳も何もなく、ファイラムは破顔した。
しばし、そうして忙しなくいなりずしを食べていたが、ふと彼は思い出したように言った。
「そなたには礼をせねばな。どれ、何か願い事はないか?」
「願い?」
「絆は結ばれた。神魔のために骨を折ったのだ、いくらか駄賃があっても罰は当たるまいよ」
思ってもみないことに、陽太は考え込んでしまった。
気の利いた返事を思いつかず、ふと心に浮かんだまま、つい口走る。
「調律師を目指してるので。今より少しでも、聴覚が良くなれば……って」
「ちょうりつし? つまり、音を聞き分けるのか。ふむ、なるほど」
「ああ、いや! もちろん、無理ならいいですよぅ……」
「そなたの能力を高めることは、できぬでもない。しかしそなたの目指すものは、恐らく極めて精緻な高みであるのだろうな。雑に力を高めたとて、そなたの持ちうる繊細な感性を狂わせたり、潰してしまうことにもなりかねん。それこそ私は、調律師ではないのでな」
代わりと言っては何だが、とファイラムは少し悪戯っぽく笑い、最後のいなりずしを頬張ってしまうと、言った。
「私の故郷に伝わる、歌を贈ろう。そなたの感性を磨く糧として根付き、いつか花開くことを願って。私がそなたの夢へ手助けできるとなれば、これくらいのものだ」
彼は狐だ。しかし彼の思い出が紡ぐ異界の歌は、確かに陽太の胸へと刻まれたことだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月27日
参加申し込みの期限
2019年12月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年12月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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