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【寝子祭2nd】前夜祭から後夜祭までフルリヤッヒィ!
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「すごい……」
舞台の袖から舞台を眺め、
史越 奈津樹
はしみじみ呟いた。
何がすごいかと言えばパソコン部の柚枝先輩、もとい、今はパソコン部で作ったノベルゲーム『BAROQUE:CODE』の登場人物な幼馴染ヒロイン『蜜柑』。
(ここは後輩として応援を!)
ルート次第では蜜柑とああなったりこうなったりする主人公『七原』のコスプレ姿で、奈津樹は深呼吸をひとつ。
「先輩ー! まじ蜜柑-!」
応援の声を掛けると、『蜜柑』は半泣きにうるうる潤んだ瞳をちらりとこちらに向けて来た。どう見てもカワイイ女の子なパソコン部の先輩のまなざしに、奈津樹はなんとなく狼狽える。
(なにって、あれだよね!)
狼狽えた自分に狼狽え、奈津樹は思考を切り替える。
コスプレ衣装でのフリー部門出場を決めたのは、もちろんせっかく部活のみんなで考えた衣装を披露したいという気持ちもあるけれど、いちばんは『BAROQUE:CODE』の宣伝のため。
設定まで説明するつもりはないけれど、
(よかったらパソコン部のゲームで遊んでいってね、くらいは)
宣伝しておきたいところ。
「っし、お疲れ! なつきちもがんばって行け!」
舞台袖に戻るなりいつも通りの口調で奈津樹の肩をばしんと叩く柚枝の変身っぷりに舌を巻きながら、奈津樹は自分の喉を示してみせる。
「柚枝先輩、声、蜜柑のまま」
「っと、……いっけなーい」
『蜜柑』の仕草で自分の頭をコツンと叩いてぺろりと舌を出して見せてから、柚枝は悪戯っぽく笑った。ガンバレ、と口の動きだけで言う先輩に大きく頷き、奈津樹は司会の呼び出しに応じて舞台の央へ歩み出る。
「続いてもパソコン部、『BAROQUE:CODE』のコスプレな史越さん!」
「綴さんの女子制服の対になる男子制服もいい感じ!」
司会の女子ふたりの解説に思わず嬉しくなって緩んでしまいそうになる口元をきゅっと引き締め、奈津樹は『オオグイ』に挑戦する。
(任せてくれ)
内心に勝気に呟いてみせる。
(俺は辛いのが好きだし実況だって多少はゲーム実況で培ったトークで)
きっとなんとか、といつのまにか自分で自分を励ます格好になる。
(多分、おそらく)
最後には自信無さげな結論へ着地するに至って、奈津樹はそっと首を捻った。おかしいな、ばっちり格好つけるつもりだったのに。
内心の揺らぎはとにかく、勝負の席につく。激辛サンマさんパンを前に、
「こんにちは、文月……じゃなかった史越奈津樹です」
動画サイト用にゲームの実況動画を撮るときのようにトークを繰り広げてみせる。
「今日は激辛パンに挑戦します!」
客席によく見えるように真っ赤なパンを掲げ、流暢に言葉を紡ぐ。
「このサンマさんパンは普通に購買で売っているんだけど、激辛バージョンはある意味当たりっていう感じでたまーにはいっているんですよね」
会場の皆さんは当たったことありますか? と話し掛け、くすりと笑って見せる。
「今回はその辺りを沢山食べられると。つまりはそれだけ食べられる俺達は多分相当運がいいんじゃないでしょうかね、今ならガチャひけばSSR二枚取りも夢じゃない! 多分!」
煽るだけ煽って、激辛パンを矯めつ眇めつする。
「俺、初めて食べるんですよね……」
ぱくりとひとくち齧って、思わずむせそうになった。慌てて口元を抑えて堪える。
「お、これは辛い……辛い!」
それでもトークを止めないのは実況者としての意地というかなんというか。もぐもぐごくんと飲み込み、まだサンマさんの頭しかなくなっていないパンを絶望のまなざしで眺める。眺めつつ自分を鼓舞する。
「いやまだこれは食べられる辛さ、いける。俺ならきっといける! オオグイさんもほら、ファイト!」
隣で黙々と一本食べ、辛いよう辛いようとめそめそ泣き始める対決相手を励まして、残りをもぐもぐぱくり、口に入れる。
全て口に入れて飲み込んだところで、司会者に水を促された。コップ一杯の水を一気に飲んで、途端に奈津樹は口を押える。冷たい水が口の中を通り過ぎた後に襲って来たのは、先ほどとは比べ物にならない辛さ。というか熱さ。辛味成分は水を摂取することで余計に口いっぱいに広がってしまうのだ。つまりはとんでもなく辛い。痛い。
「文月さんおみずおいしい~?」
客席からかけられた
伏見 真
の応援とも揶揄ともとれないなんとも楽し気な声に、
「オ、オイシイヨ……!」
ヒリヒリする唇を強張った笑みのかたちにしてどうにか応じつつ、奈津樹は心の中で呻いた。
(イナリの奴……!)
めそめそ泣く『オオグイ』と肩を抱き合い励まし合いながら舞台袖に引いて来た奈津樹を称賛のまなざしで迎え、
音海 なぎさ
はそっと深呼吸を繰り返す。
胸元に大きめのリボンを結わえた海色のセーラー服の具合を確かめ、オレンジブラウンの髪にちょこんと乗せたベレー帽子の位置を直す。薄く白粉を塗った頬に触れ、分かるか分からないかくらいに淡い紅を引いた唇にも触れる。
(普段は着ないけど……)
裏ミスフリー部門だからこその衣装を身に、なぎさは舞台へと歩を進めた。
なぎさちゃーん、と客席から掛けられる男子生徒からの声にも、いつもなら難しい顔になってしまう呼び方にも、今日ばかりはにこやかに応じてみせる。
ふわりとスカートの裾を揺らし、対戦相手に選ぶのは『ビセイ』。
(ボクの声はあまり高いほうではないと思うけれど)
それでも、男女の区別がつかない程度には歌える気がする。
低く迫力のある声で演歌を歌ってみせた『ビセイ』に惜しみなく拍手を送り、なぎさは舞台の前に進み出る。ぺこりとひとつお辞儀して、マリンブルーの瞳で客席を見渡す。
「歌います!」
軽やかな声で宣言して歌い始めるのは、とあるアイドルグループのヒットナンバー『私の彼は右利きの戦車乗り』。
(みんなに愛されるように、かわいく踊るよ!)
スカートをふわりふわりと翻し、キュートなダンスを完璧にこなしつつ、なぎさはポップな歌詞を可憐に歌い上げる。
ダンスの最後、銃のかたちにした手で客席を狙い撃ってみせれば、女装男子の愛らしさに撃ち抜かれた男子生徒たちが思わず歓声と拍手を巻き起こした。
(最後に一花ってね)
舞台の袖から客席を眺めやり、
弥逢 遊琳
は蜜色の瞳に漆黒の睫毛の陰を落とす。
(忘れられたいのか、覚えていてほしいのか)
自分自身の気持ちでさえ、タイムリミットの迫っている今に至っても未だ捉え切れていない。
(どっちつかずで未練がましくも思うのだけれど)
それでも、高校生活も終わりに近づいた寝子祭のメインイベント、裏ミス寝子高フリー部門への参加を決めたのは、──
(……美しく、か)
どこかしらに辿り着きそうな思考を途切れさせる。代わりに思うのは、ミスコンの選抜基準。
(なら実家の箏を送ってもらうべきだったかもね)
京都にある実家で、箏の演奏に必要となるものは全て仕込まれている。
姿勢、奏法、身に着けるべき正装。魅せ方に至るまでの全て。
身につけさせられたそれを使えば、きっと『美しい』のだろうとは思った。けれど、結局実家への連絡はしなかった。
(家人と言葉を交わすのが怖かった訳では無くて)
実家の箏には、強張った気持ちが同居してしまっている。そこに紐づいた作法では、そこから生み出される硬い音色しか奏でられない楽器では、型に嵌まった美しさにしかならない気がした。
(それはきっと、偽善みたいなもの……)
似た理由で、着物も纏わなかった。
背筋が伸びすぎる程に帯が締まると、ひとりで凛と立たざるを得なくなる。もう誰にも寄り添えなくなる。あれは、あの衣は、
(僕にとっては孤独そのものの衣装)
それはそれで美しさのひとつなのだろう。見るひとを拒むような色の、隔絶された美も、それはそれで美しい。
(でも、今は)
寝子島でさまざまの物事やひとを知ってしまった今は、
(もう少し違ったものを見せたい)
それが、ミスコンに臨んだときの遊琳の意思だった。
だからこそ選んだ衣装は、柔らな漢服。幽かな風にも優しく揺らぐ透明感を湛えたその服は、
(……『紫蘭』に似合う)
己の内にある、浮世離れなほどに穏やかな己の印象に当てはまる。平素であれば己でありながら異端に過ぎると眠らせている『彼』を、今ばかりは敢えて羽織るように使うことを遊琳は選択した。
『紫蘭』を纏うは、己があるべき姿と定めた己──『琳』。
名を呼ばれるまま、舞台に進み出る。流麗な仕草で一礼し、揺るぎない足取りで檀央へと歩む。敵意にも似た戦意を見せる『怪人』たちにも柔らかな礼を見せ、しなやかに示すは怪人『ビセイ』。
(僕は僕を魅せるだけ)
舞台袖に目配せをする。実行委員の手により設置されるのは、中国で古より奏でられていた楽器、古琴。
椅子に座し、張られた弦に触れる。響く一音は、低く艶やかに客席へと広がった。
奏でるは少し前、銀粘土細工の焼成などの間に偶然見かけて見るともなしに見ているうち、なぞる程度には弾けるようになっていた中国ドラマの曲。
この世の無常と無情を感じたひとが願い、祈りを語るような調べに心惹かれ、今日のために繰り返し練習を重ねて来た。
見るひと聞くひとの淋しさに寄り添うような音を紡いでゆく。
ほど近くにあるはずのあたたかなその指は、その音は、けれど不思議と届かないような音をしている。幸せを祈りながらそっと手を振るような色をしている。
音の奏でられる間、人々が時を忘れる幽玄の美しさを魅られるよう、せめてそれを目指せるよう、彼は古琴の音色に心を沈ませる──
最後の一音が宙に解けて消える。
水を打ったかの如く静まり返る客席に向け、遊琳は静かに静かに一礼をする。さらり、漢服が衣擦れの音をたてた次の瞬間、館内には万雷の拍手が満ちた。
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
51人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年12月07日
参加申し込みの期限
2019年12月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年12月14日 11時00分
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