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寝子島高校
【寝子祭2nd】前夜祭から後夜祭までフルリヤッヒィ!
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赤々と燃え上がるキャンプファイヤーを囲み、手を繋いだ男女が音楽に合わせてステップを踏んでいる。
楽しそうにも、どこかぎこちなくも見えるフォークダンスの輪を一眺めして、
添星 叡知
は横に立つ
四野辺 蘭月
に無造作に手を差し伸べた。
(エスコート……)
ちらりと考え、蘭月の正面に回り込む。武闘の試合じみた硬派な一礼をしてから、もう一度、矢張り無骨な手の差し伸べ方をする。
「えへへー、照れてまうね」
「……ああ」
不慣れなエスコートにも関わらず、花のように笑って手を重ねてくれる蘭月に、叡知は安堵を覚えた。
(蘭月に金券をとられて良かった)
少し照れくさくはあるけれど、それを上回る心地よさが胸にある。
「ほな、行こか」
「そうだな」
手を繋ぎ、フォークダンスの輪に混ざり込む。
(ダンスは苦手だが)
ぎこちないステップを踏んでいる自覚がある。けれど手を繋いでいる蘭月は、満面の笑顔でとても楽しそうにしてくれていて、だから叡知もとても楽しかった。
手を繋いで、クルッと回って、
「あれ、もう終わり?」
「……そのようだ」
音楽と周りの動きに合わせて離れる瞬間、ふたりは視線を交わす。炎の光に照らされて、笑ったのは蘭月が先か。
「ほな、今日も一緒に帰ろか?」
「ああ、一緒に帰ろう」
鮮やかな笑顔につられて微笑んで、叡知は蘭月の手を離す。ほんの束の間、一瞬にも思える時間の短さではあってものの、手を繋げたのは、
(良かったな)
ボビナムの道場で組手をしたことはある。フォークダンスよりも強く手足をぶつけあいはするが、あれとこれとはやはり違う。
(いいものだ)
少女の手の柔らかさと細さを初めて知った気がして、叡知は小さな息を吐いた。炎の色に薄く染め上げられた己の頬を、無骨な手でぐいと擦る。
(アイツは実行委員だから)
フォークダンスの輪の中で、
椎井 莉鳥
はくるりくるりと相手を変えて踊り続ける。
(きっと運営のほうに手を取られているよね)
揺らめく炎に思い出すのは、今年も終わりが近づいた寝子祭の色々。
まさかミスコンに出場することになるとは思っていなかった。
ミスコンなのに腕相撲勝負をすることになるとも思っていなかった。
なんとかミスコンを乗り切ったあとは、ひたすら陸上部の出店に詰めていた。
(……どうして来るのよ)
その陸上部の出店にふらりと訪れた
北里 雅樹
の顔が浮かぶ頭を軽く振る。不思議そうな顔をするフォークダンスの相手に何でもないわと淡々と告げ、莉鳥はダンスに集中しようとする。
くるくる、くるり。音楽に合わせて単調なステップを踏む。定められた動きをなぞる。
どこまでも同じ動きをすればするほど、胸に浮かび上がるのは雅樹の──元彼の顔。
実行委員をしていると言っていた。どうせまた誰かに押し付けられたとか気づけば任されていたとか、そういう理由なのだろう。
長く話をしたわけではない。これといった会話をした覚えもない。
いつも通り、どこか噛み合っていないような何でもない話をほんの二言三言、視線すら合わさずに話しただけだ。
それなのに、雅樹と話した何でもない言葉ばかりが胸の内をぐるぐると巡っている。
(……どうして)
出店の片付けを済ませた後、部活仲間に誘われるままに後夜祭に参加しているのも、そうしていれば、運営活動に忙しいはずの雅樹と顔を合わせることもないだろうと踏んでのこと。そのはず、だったのに、
(……どうして)
伏せた視界の中、無遠慮に入り込んできたてのひらに見覚えがあった。
顔を上げずとも分かる。実行委員として忙しいはずの元彼の手だ。
「……仕事じゃないの」
「解放された」
短い言葉だけを交わし、手を取り合う。
元恋人だった。今はただの友達のはずだった。
終わった関係のはずだった。互いにそう思っているはずだった。
己の心の在処が分からなかった。捩じれて千切れてひび割れて、互いに対する心が自分でも掴めなくなってしまっている。
その心のまま、雅樹は莉鳥と足取りを合わせる。一瞬たりとも瞳を合わさぬまま、ただ音楽に合わせ機械じみて淡々と踊る。
音楽に合わせ、莉鳥の手が離れる。次の女子と手を繋ぎながら、
(……あれ……)
胸を満たす冷たい寂寥感に、雅樹は小さく首を捻った。
お辞儀をして女子と別れる度、
七夜 あおい
が近づいてくる。
(何度かダンスをする機会があって、)
その度に緊張してはきたけれど、その甲斐もあって少しは緊張せずに踊れるようになってきている気がする。だから、
(あおいさんが相手でもきっと……)
自分で自分を鼓舞すべく言い聞かせてみるものの、あおいとの距離が近くなればなるほど、胸の高鳴りは強くなって来るばかり。
(……いや、うん)
少しは緊張するかな、と内心で小さく笑う。だって好きな女の子だ。想いを寄せる女の子と手を繋ぐのだ。緊張せずにはいられない。
(たぶん、)
前より上手に、少しだけリードも出来るようになっているとは思う。思うけれど、あおいはそれに気が付いてくれるだろうか。
(気付いてくれれば、)
──君と、できたら楽しい時間を過ごしたくて練習したんだ
そう伝えたいけれど、言えるわけもなかった。きっと目が合えば、用意してきた言葉なんて風に舞う木の葉のように飛んで行ってしまう。せめても言えるのは、たぶん、
──好きな人と楽しく踊りたくて
ただそれだけ。もしかしたらそれさえも伝えられないかもしれない。
それでも良かった。上手くいかなければ、この次の機会に上手くやれるように努力ができる。次のための努力を、したい。
くるくる、くるり。踊る間に、思考が巡る間に、気づけばあおいが隣にいる。向き合って、お辞儀して。どちらからともなく手を差し伸ばし合う。手を取り合って笑い合う。
笑みを交わし合うのも一瞬で、手を取り合って踊るのも順番を待ち侘びた時間から思えばほんの一瞬の出来事で。
(でも、笑ってくれた)
あおいのてのひらの温かさが、柔らかな炎の色に彩られた微笑みが、彰尋にとってはとても、とてもとても、嬉しかった。
指先が離れる瞬間、大きな音をたてて夜空に炎の花が咲く。
ひゅるひゅると光の螺旋を描き、どん、と空に鮮やかな茜の色した大輪の炎の花が咲き誇る。
フォークダンスの音楽もかき消すような花火の音に、離れかけた手がもう一度だけ、どちらからともなく小さくきゅっと握りしめられた。
同じ花火を一緒に見上げる。
これから先も、もしかしたら一緒に花火を見る機会は何度かあるかもしれない。けれど、それでも、高校二年の寝子祭で手を繋いで同じ花火を見たことを、彰尋は心に刻む。
(きっと、忘れないから)
空に咲く花火を仰ぎ、
スピカ・フォーツ
は海色の瞳を細めた。
(リンタロウ……)
後夜祭のフィナーレが迫っても風紀委員としての仕事に追われる
鷹司 凜太郎
をフォークダンスの輪の外で待ちながら、ただただ恋人のことを想う。
(きっと、とても頑張ってる……)
寝子祭の最中も、一緒に居られる時間は少なかったけれど、それでも忙しい業務の合間を縫ってミスコンに応援に来てくれたのはとても嬉しかった。ミスコンを終えた後、声を掛けてくれたことも嬉しかった。
だって凜太郎のための歌だった。
凜太郎に捧げる舞だった、格好だった。
ふわり、スピカは白い頬を薄紅に染める。己の中にある凜太郎への想いは、こんなにも深い。
「スピカくん」
後ろから掛けられた待ち侘びた声に、だからスピカは輝くような笑顔で振り返る。
風紀委員として頑張った彼を少しでも癒したくて、彼のもとへ駆け寄る。それと同じくらい、少しでも一緒に居たかった。彼の温もりを感じたかった。
手を取り合い、ふたりはフォークダンスの輪に混ざる。炎の色に鮮やかに照らし出される互いの顔を見つめ合いながらステップを踏む。
くるりと回るスピカの銀糸金糸の髪が煌く。髪を追う凜太郎の視線に、スピカは不思議そうに瞬いた。
「凄く綺麗だ」
若草の瞳を細める凜太郎に、スピカは炎の色よりも紅く頬を染める。
照れて俯くスピカの、宝石の色して吸い込まれそうなほどに美しい瞳を覗き込み、凜太郎は音楽に合わせて離れそうになるスピカの手を引き寄せた。華奢な恋人の身を抱き寄せ、そのままフォークダンスの輪から離れた。
「リンタロウ?」
「この方が、ずっと傍に居れる」
パートナー交換をせずに輪から外れ、キャンプファイヤーから少し離れた場所で足を止める凜太郎の手をスピカはぎゅっと握りしめる。
キャンプファイヤーよりも空に咲く花火よりも、自分にばかり優しいまなざしを向けてくれる凜太郎の表情に胸が温まるような愛しさを感じた。炎に照らされ微笑む彼の胸に身体を預ける。花火も、星も綺麗だけれど、
「リンタロウ、いちばん……」
寄り添うふたりの頭上、寝子祭のフィナーレを彩る大輪の花火が、祭りの最後を惜しむが如く繰り返し繰り返し、咲き誇る。
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
フルリヤッヒィ!
ということで、寝子祭、お待たせいたしました!
色々と詰め込んでみましたが、いかがでしたでしょうか。
あなたをあなたらしく描けておりましたでしょうか。
少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
ご参加くださいまして、お読みくださいましてありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
1000人
参加キャラクター数
51人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年12月07日
参加申し込みの期限
2019年12月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年12月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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