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ねこ電の二日間
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勇敢な少女たちの戦いの様子を冷静な視界のうちに捉えつつ、
ティクス・ソル
は足音も立てずに鉄の屋根の上を駆ける。
(鼠が猫につかわれるとはずいぶんおかしな話だ)
機関車の上、黒猫の車掌に言い使った言葉を思い出せば、いたいけな少年じみた面差しがひっそりとした老獪な笑みに歪んだ。
──守ってはくれまいか
こともあろうに鼠の獣人である己に対し、猫はそう言ったのだ。
くつりと浮かぶ笑みに華奢な肩を小さく震わせ、ティクスは一度足を止める。
朱く沈んでゆく湿原を猛スピードで駆け抜けようとする貨物列車と、それに取り縋ろうとする無数の白骨の狼と武者を眺めやる。
(目立つ場所での戦闘はあまりしないんだが……)
旅の恥はかきすて、という言葉が浮かんだ。
(……恥でもないが)
手にする武器は、大きさの違う二本の短刀。
(たまにはいいか)
くるり、その二本の短刀を同時に手元で一回転させる。自分のものではないとは言え、そこにあるお宝を他者に奪われるのは盗賊としては面白くない。
「さあ、邪魔なお客さんにはお帰り頂こうか」
短い助走ひとつ、先ずは目についた武者に斬りかかる。狼の跳躍で屋根に飛び乗って来た武者が顎を鳴らして振り下ろす錆びついた刀を凹凸のあるナイフの刃で受け止めざま、反対の手に持ったナイフを一閃。
黄昏の色写し取るナイフが閃くと同時、刀握る骨の腕が断たれて宙に舞う。ほんの数瞬呆然とする武者の胴丸鎧に、小柄な身をその場で一回転させた勢いをつけての回し蹴りを食らわせる。
屋根の上から落ちる腕なしの武者には目もくれず、蹴り飛ばした反動を利用して宙に身を翻させる。宙返りひとつ、屋根に登りついた武者の背後に降り立ちざま、全体重を利用した二本の短刀による一撃を食らわせる。列車に並走する狼乗りの武者から射掛けられる矢は、頭蓋から叩き切った武者の身体を蹴り上げ盾にして塞ぐ。ぶつけて狼ごと転ばせる。
狭い屋根の上をするすると駆け回り、舞でも舞うに似て敵を屠り続けたティクスが降り立ったのは、
「無事か」
「なんとか……!」
破砕されたコンテナの内部で、折り畳み傘と不思議な力帯びた道具を使って武者たちと渡り合っていた少女のもと。
「ここは任せろ」
「でも」
「後方の鯨を頼む。先に一人、向かっただろう」
数体の武者に加え、コンテナ外から射掛けられる矢に苦戦していたらしい夏朝を屋根の上に逃し、もう一人の少女の支援に回らせる。
(……さて)
破られた壁の外から射掛けられてくる一矢を短刀で難なく切り落とし、ティクスは己を囲む武者たちを一瞥する。
鼠の身は小さい。力が強い敵との相性は悪い。けれど、正面からぶつかりさえしなければ、
(なんてことはない)
たとえば、回避の場所を選べば同士討ちに出来る。
たとえば、横に回り込んで胴や後ろ足を狙うことも出来る。
(若い連中にばかり任せてはおけないからな)
己が可能とする戦法を脳裏になぞりながら、齢五百を数えようとする星幽塔の住人はいっそあどけなく微笑んだ。
「クジラでっか」
最後部両より数両前に立ち止まり、円は思わず呟く。
前方から確認したときからも思ってはいたけれど、間近に見る骨鯨は思っていたよりも大きい。
(やっぱ灯油ドラムだよねー)
後方にある灯油ドラム積載のコンテナまでの位置を確かめる。灯油ドラムをばくりと食べさせうまく着火させることができれば、
(どかーん! だもんね)
問題は着火の方法。灯油ドラムは車両ごと食べさせてしまうとしても、点火の方法が問題だ。
(これに布巻いて火でもつけて撃ってみようか)
武者から奪って手に提げた弓矢をちらりと見下ろす。
布はある。事前に布団満載のコンテナを見つけたときにシーツの端切れを拝借してポケットに突っ込んできている。灯油を染み込ませてしまえば、即席の火矢としては悪くない。
(火は赤錆をハンマーでなぐったら、火花だぞ)
足元の赤錆びたコンテナを見下ろして小さく笑ったとき、
「桜庭さん!」
後ろに夏朝の声を聞いた。刹那にひとつ閃いて、円は声を張る。
「その辺のコンテナに灯油ドラムがあるんだ、軽くして持って来てー!」
わかった、と理由も問わずに頷いた夏朝は、一度コンテナ内に引っ込んで後、ろっこんで片手で持ち上げられるほどに軽くしたドラム缶をひとつ手に駆けつけてくれた。
「わ、軽っる!」
これなら、と片手で軽々ドラム缶を持ち上げて楽し気に笑う円に小さく笑んで、夏朝は今にも最後部の貨車ごとコンテナを齧ろうとしている鯨を見据える。的は大きい。外しようがない。
ねこシールを射出する。ろっこんの力を帯びたシールが巨大な顔面に貼りついたその途端、鯨の動きは目に見えて遅くなった。時折己の重みに耐えかねて地面に腹を擦り付ける仕草さえ見せ始める。
「重くした?」
「目一杯重くしたよ!」
動きを鈍らされた鯨が高く高く、耳をつんざきそうな声で吼えた。
「あとは列車自体を軽くしてスピードを上げるよ!」
ぎゅっと拳を握りしめる夏朝にいいねと笑いつつ、円は手早く火矢の準備をする。急拵えに用意できた火矢は数本。
「それじゃ、お互いがんばろー!」
夏朝に言うなり、円はドラム缶片手に鯨がのたくりながら追い縋って来る最後部に向かう。
「食らえー!」
喘ぐように鯨が顎を開いた瞬間を狙い、細い腕で楽々持ち上げられるドラム缶を力いっぱいぶん投げる。口に入った瞬間を見定め、
(運のろっこんだし)
円はコンテナの際の際に立つ。己の身に宿ったろっこん、自発的に危険度の高い行動を取れば取るほど運が上昇する『ブレイブハート』の発動と能力を信じて、火をつけた矢を二本まとめて弓に番える。
(なんとかなるかなー)
揺らぐ火の熱さに、ばちばちと爆ぜる火の粉に、思わず凶暴な笑みが零れて落ちた。
(なんとかなれ!)
自分自身に発破を掛けると同時、矢を放つ。火色の尾を引いて飛んだ矢が鯨の顎に呑まれた、次の瞬間。
轟音があがる。
鯨の骨の隙間という隙間から炎と黒煙が噴き出す。
熱と共に吹き寄せた衝撃波に、脱線する勢いで貨車が激しく揺れる。
「っ、わ?!」
上下左右に振り回されるコンテナの揺れに耐えきれず、華奢な少女の身は白骨ヶ原へと吹き飛ばされた──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月17日
参加申し込みの期限
2019年11月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年11月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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