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ねこ電の二日間
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「……あ」
円と同じく白骨ヶ原における戦闘準備のためにコンテナ内に入り込んだ夏朝が見つけたのは、山積みの藁の傍らに寄り添い合って眠る数匹の子猫。
「子猫さん?」
可愛い、と栗色の瞳をおっとりと細める夏朝の気配に、子猫たちはぎくりと目を覚ました。にゃう、と言いかけて口を閉ざし、藁の中に潜り込んで隠れようとする彼らは、どうやら密航中らしい。
「……どこから来たのかな?」
子猫たちの警戒を解くべく、夏朝はそっとその場に膝をつく。
「大丈夫、車掌さんには内緒にするから……!」
はーい、と返事して屋根の上を渡って行く少女たちを見送って、日暮は首を捻った。さっきコンテナに押し込んで仕舞い込んだはずの布団がまた屋根の上に出てきている。
「なんやぁ、おっかしなぁ……」
速度はそう無いとは言え、屋根の上には強い風が押し寄せる。
「あない上等な羽毛布団、飛ばしてしもたら大変や」
さっき屋根の上に見つけて拾い上げたとき、そのふわふわの感触と糊の効いた生地の心地よさに思わずその場に広げて昼寝してしまいたくなったことを思い出し、慌てて布団の傍に駆け寄る。よいしょと持ち上げ、その軽さにうっとりしながら、屋根に開いた窓の内に布団をぽーいと放り込む。
「うん、良し」
満足そうに頷いて窓を閉める日暮に、
(ああっ、待って、日暮さん!)
いくつも重なった布団の上に放り投げられた超高級羽毛布団──もとい、ろっこんによって羽毛布団に変身した
猫島 寝太郎
は必死に呼びかける。
(ど、どうしよう……)
寝子島街道を歩いている最中、誰かに『これ落ちましたよ』と声を掛けられて肩をポンポンと叩かれたところまでは覚えている。
気づけば貨物列車の屋根の上で、日暮に荷物と間違えられて布団でいっぱいのコンテナに放り込まれていた。
(い、いやでも、もう一度……!)
以前までは、布団に変身してしまうと自力では動けなかったけれど、今は動ける。ふわふわ飛べる。さっきだってがんばればふわふわと吹っ飛ぶ布団になれたのだ、今度だってきっと……!
(ぐぬぬ、……動け、動け自分の身体……)
ぐぬぬぅ、と布団の全身に力を籠めれば、
(っ、……浮いたぁ!)
布団の身体がよたりふわりと浮かび上がった。布団だらけのコンテナの暗闇を渡り、日暮が横着したのかきちんと閉まらず隙間の空いた窓からよたよたふわふわ、再度脱け出す。
黄昏の金色の光をふわり浴び、窓から半身を出したところで、
「……?」
緩く波打つ黒髪を朱金の風になびかせて平らな屋根に佇む少女の、翡翠の色した眼と眼が合った。
(大丈夫、合ってない!)
布団に目はない。そう自分に言い聞かせ、布団の振りでジッと身を固める寝太郎の心持ちには全く気付かず、
三宅 葉月
は眠りの淵にあったはずの己の身をちらりと見下ろす。
星ヶ丘寮の自室で眠っていたはずが、瞼をもたげてみれば貨物列車の屋根の上で冷たい風に吹かれていた。寝巻だった服装も、知らぬ間に私服となっている。
「ねこでん……?」
足元でにゃあと鳴く制帽姿の黒猫の言葉を頭の中に聞いて、葉月は白い頬に睫毛の陰を落とした。いつも使っている寝子電とはまた違うものであるようだが、──
(動揺しても始まらないわね)
風になびく緻密なレースに飾られたスカートの裾と緑の黒髪を片手ずつに抑え、葉月は黄昏に彩られる寝子島の海を眺めやる。乗車してしまったのであれば、とりあえずは成り行きに身を任せるとしよう。
静かな眼差しを巡らせる葉月の耳に、
「またか……」
低く低く、悪夢に呻くような少女の声が届いた。
吹き付ける強烈な風に黒髪を乱し、少女は混乱気味の瞳を左右に走らせる。そうして瞬時に理解する。
「まただ……」
己の怨嗟の声に己で応え、
「また、また、」
応えれば応えるほど、声に含まれる怨恨と憤怒の度合いを増加させ、
「またフツウかああぁぁぁぁっっっ!」
火山が爆発するかの如く、
水上 桜
は魂の叫びをあげた。声が嗄れるまで叫ぶも、吹き寄せる風が絶叫をさらってゆく。
風にちぎれて飛び散る己の魂の叫びを追いかければ、己の立つ貨物列車のコンテナの後方に延々とまだまだ、長大に続くコンテナの列が見えた。
制服のスカートの裾を抑える。確か、寝子高にいたはずだ。普段通りに授業を受けて、放課後を過ごしていたはずだ。
風に髪を乱されるまま、その場にへたへたと膝をつく桜の傍ら、制帽姿の黒猫が前脚を揃えて座した。
『フツウがナニカなど私には分からないが』
老いた静かな声で頭の中に語り掛けて来る黒猫をまじまじと見つめ、桜は唇を歪める。
流れて行く景色は、今のところはねこでんの車窓から見たことのある見慣れた寝子島の海と街。
『これはねこ電。私は貨物をねこ温泉まで届ける仕事を請け負っている』
「ねこでん、……」
桜は車掌らしき黒猫の言葉を繰り返す。
けれど、自分が今へたりこんでいる長大な貨物列車を、今までに見たことがない。
(こんなの、私の知ってるねこでんではない)
そもそも猫が車掌って何だ。言葉を解する猫とは何だ。
「ねこでん、なんだよね……?」
短く頷き、黒猫の車掌は黒い尾をゆらりと振って屋根の上を悠々と歩き出した。途中でぼんやりとしゃがみこんで海を眺める黒髪の青年の背中に猫パンチをくれて、隣に並ぶ。
暮れなずんで行く町並みに、車輪の音が長閑に響いている。
リズミカルでありながら眠気を誘う音を呆然と耳にしながら、桜は重い溜息を吐いた。
(……不条理……)
幾度『フツウ』な現象の中に放り込まれたところで、それに慣れることは今一つ出来ない。というよりも、
(慣れたくもない……)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月17日
参加申し込みの期限
2019年11月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年11月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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