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ねこ電の二日間
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見慣れた寝子島の海が不意に変わる。隧道に入るが如く、景色が一転する。
大地の果てまで覆い尽くす濃緑の植物、植物の影のあちらこちらに隠れて蹲るひどく碧い沼、それから、何もかもの影の境界線をぼやけて滲ませる黄昏の空。
「あかん、来た!」
ついさっきまでコンテナの縁にぼんやり座っていた日暮が悲鳴じみた声をあげた。おろおろと周囲に視線を巡らせる日暮の足元、黒猫の車掌が最前の機関車へと素早く駆けて行く。
(わわっ)
車掌の猫足に踏んづけられ、布団姿のままな寝太郎は誰にも聞こえない悲鳴をあげた。とはいえ、踏んづけられようが天窓から滑り落ちて床に身体をぶつけようが、布団の身はあんまり痛くない。思った通りに動けないのが難ではあるけれど、そこのところは救いと言えば救いだろうか。
気持ちの上で息をひとつ吐き出し、布団となっていても認識できる景色を眺める。なんだか列車の周囲が妙に騒がしくなった気がする。
(うわっ)
緑と碧の中から湧きだして来る白骨の襲来者に目を丸くして、
(ひえっ)
列車の後方、ひときわ巨大な骨ががばりと大顎を開いてコンテナを食べようとしている様子を目の当たりにする。
(何、あれ鯨?)
いつかどこかの博物館で見た鯨の骨格標本とまるきり同じナニカの姿に、寝太郎は羽毛布団の縁をはたはた震わせる。
(なんで貨物列車が襲われ……)
喚こうとした瞬間、がたん、と大きく列車が揺れた。速度を増す列車の揺れに堪え切れず、布団姿の寝太郎はずるりと天窓から床に落下する。ばさりと床に落ちた寝太郎が見たのは、がしゃんと閉まって寝太郎を閉じ込める天窓の隙間。
「な、……え?」
日暮の狼狽に釣られてきょろきょろする桜で見たのは、──碧い沼の底からぞろりぞろりと這い出して来る鎧武者。カカカ、としゃれこうべの顎を鳴らして嗤う、
「『ケモノ』、来た?!」
前方のコンテナの天窓から円が顔を出した。ひとつ後ろのコンテナから夏朝が飛び出す。
「ケモノ、……え? 何?」
沼地からぞろぞろと大量に湧きだした武装した人骨たちは、同じく沼から湧きだした骨の狼の背に乗り、走行する貨物列車に群がろうとしてくる。
「っ……」
息を呑む桜に、日暮がコンテナのどこかから取り出した背丈ほどの棒を投げて寄越した。これで自分の身を守れということか、それとも『ケモノ』たちを追い払えということか。
(でも、私)
勇気を奮い立たせ、一度は貨物列車の屋根に仁王立ちになったものの、
(戦闘に不向き……!)
こんなときに頼りになりそうなろっこんを持ってもいない桜は、戦闘に向かう人の邪魔にならぬよう、手近のコンテナの中へと身を滑り込ませる。
「うわっ……」
飛び込んだコンテナの中は、稲藁が山盛りに積み込まれていた。ちくちくと肌を刺す藁の上、桜は身を固くする。危険が過ぎるまで大人しく待っているしかないとは言え、知らず歯が鳴る。身体が震える。
自分の身を自分で抱きしめかけたとき、藁の中に子猫の声を聞いた。振り返れば、コンテナの闇の中で集まって丸くなる子猫たち。
「おいで」
子猫たちを胸に抱き寄せ、桜は出来得る限りに優しい声を出す。
「怖くないからね」
子猫たちをなだめながら、自分にも言い聞かせる。
「マッド!」
コンテナの屋根に立った途端思わず一言叫んだ桜の脳裏に浮かぶは、いつか見た映画の場面。
「いやいや、違う荒野じゃない」
自分で自分に冷静に突っ込みつつ、円は後ろの車両を目指して走る。
湿った風が殴りかかって来る。後方で鯨の骨が風の声で吠えている。
カカカ、カカカ、と嗤っているのは狼の背に乗り列車に追い縋る人骨たちか。
(線路外れられないのは厄介だよねー)
『ケモノ』たちの数が揃わないよう、囲まれないよう意識を配りつつ、円は手にした手製の鎖鎌もどきのロープつきハンマーを振り回す。コンテナに飛びついて来ようとする狼を狙い、回転の勢いをつけたハンマーで殴りつける。
ぐしゃりと砕ける狼の背を踏み、骨の武者が空中に躍り上がった。肋骨の隙間にひゅるひゅると風を躍らせ、弓を番える。空中から放たれる不安定な一矢は戦場にあって冷徹なまでの観察力で回避し、お返しとばかりにロープつきのハンマーで的としては大きめの大腿骨を狙う。
(ケモノってぐらいだから、)
狙い過たずに腿を砕いて引き戻したハンマーを片手に掴み、円は足を砕かれながらもコンテナの縁にしがみつこうとして、よじ登れずに地面に落ちる骨武者の姿を確かめる。
(そんなに思考力なさそうだけどなぁ)
視線を周囲に投げつつ、ハンマーつきのロープを振り回す。飛びつこうとしてくる狼に向けハンマーを投擲し、続けざまに武者の腿を打ち砕く。何体目かの狼と武者を撃破して、
「……っとー」
結わえ付けたロープが繰り返す衝撃に緩んだか、ハンマーが明後日の方向へと吹っ飛んで行ってしまった。
「ありゃりゃ」
軽い調子で呟く円の立つコンテナに、狼に乗った骨の武者たちが群がり始める。長大に続くコンテナに対して、コンテナを守る人員は圧倒的に不足している。そうであるのに、『ケモノ』たちが円を狙おうとするのは、どうやら彼女を敵と見なしたためであるが故か。
(うーん、ケモノだ!)
思考力に乏しい!、と拳を固める円のもと、
「桜庭さん!」
夏朝が折り畳み傘を片手、小柄な身体を弾丸のように丸めて駆けつけるなり、その肩にねこシールを貼り付ける。
「お? おお?」
途端ふわりと体重を失くして風に浮かびかける円の手を掴んでその場に留めながら、夏朝はろっこんの進化能力で以て別のねこシールを周囲の狼や武者たちに向けて射出する。
「当たれ……!」
列車を守りたかった。
コンテナの中できっと震えているだろう子猫たちを守りたかった。
その一心で、夏朝はろっこんを使う。
ぺたり、と武者の頭に、狼の身体に、ねこシールが貼りついた。途端、重みを増した己の身の制御がつかず、狼が沼に沈む。武者が狼の背から転がり落ちる。
ねこシールの弾をかいくぐり、武者がコンテナにへばりつく。よじ登って来た武者の頭を、夏朝は棍棒代わりの折り畳み傘で叩き砕いた。よろりと落ちる武者の背に円が手を伸ばす。背に負った弓を、矢立ごと素早く奪う。
「もーらい!」
武器を補充し、円はあっけらかんと笑ってみせた。軽くなった身をそのまま、重力から解き放たれた動きで楽し気に屋根の上を駆けだし始める。
「飛ばされないように気をつけて……!」
「ありがと! あとでね!」
骨の鯨に向けて駆けてゆく円の背に声を掛け、夏朝は視線を巡らせる。
(荷……!)
前方のコンテナに武者たちが虫じみて取りついている。
(触れさせたくないのに……!)
全速力で白骨ヶ原から離脱しようとしている列車は、それでもその長大さが仇となっている。視界の限りを埋める湿原を抜け出すにはまだ時間がかかる。
(ごめん、がんばって……!)
貨車を引く機関車とそれを動かす車掌に詫び、夏朝は前方のコンテナに急ぐ。そうする間にも武者たちは手にした斧でコンテナの壁面を破壊する。中に積まれた生鮮品入りの木箱を運び出そうとする。
武者たちではなく荷である木箱に向け、夏朝はねこシールを射出する。ぺたりと貼りついたシールは、けれど円に施したように対象を軽量化するものではない。
急に重量を増した荷に、荷を担ぎ上げていた武者たちがその動きを鈍らせる。戸惑う武者たちのもと、夏朝は天窓を使って降り立った。勇猛果敢に折り畳み傘を振り上げ、重荷を担いで身動き出来ない武者に向け力の限り振り下ろす。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月17日
参加申し込みの期限
2019年11月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年11月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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