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ねこ電の二日間
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夕暮れの海に白い月が浮かんでいる。
朱金の混ざった青紫に染まり行こうとする冷たく澄んだ空を仰ぎ、
志鷹 佑都
は酒香の混ざった熱い息を吐き出した。
淡く白く、息が海風に溶けて行く。
島を訪れていた大学時代の友人と久方ぶりに酒を酌み交わして、心がふわふわと弾んでいる。
寝子島総合病院に勤める同僚の計らいで取れた二連休の一日目ともあれば、つい酒が進んでしまうというもの。それに、ハロウィンの日に偶然見つけた居酒屋はどこか懐かしい雰囲気も出される肴も好みで、となればますます酒が過ぎてしまうのも仕方のないこと。
酒精が回って熱い身体を海風に冷ます。波音に耳を傾けながら思い出すのは、猪口を片手に来年父親になるのだと笑った友人の嬉しそうな横顔。大学の教室でよくくだらない話をしては笑い合っていた彼が、
(父親、か……)
救急医として多忙な日々を過ごすうち、気が付けば三十路も目前に迫っている。同年代にこどもが出来てもおかしくはないと思いはすれど、
(もう、そんなに経つのか)
己の前を通り過ぎて行く時間の流れが少し切なくて、佑都は黄昏の街道を辿る足を緩めた。絶え間なく寄せる波と風が止まることを知らない時間と同じに思え、そっと視線を逸らす。ふわりと息を吐いて、ふと、列車の音を聞いた。
寝子島大橋を振り返れば、ともすれば本土までも続いていそうな長い長い貨物列車が見えた。夕陽の色よりも紅いコンテナを何百と連ならせた列車が、ひどくゆっくりとした速度で街道脇の線路を走って行く。
コンテナと同色の機関車の屋根、制帽にインバネスコートを纏った黒猫を見て、佑都は新緑の瞳をぱちりと瞬かせる。何両目かのコンテナの屋根には、布団を抱えてどこか困ったような顔した黒髪の青年が佇んでいる。
「……あなたは、」
特徴の少ない、茫洋とした顔に見覚えがあった。確か、この夏、古びていながらも居心地の良い海の家で顔を合わせたことがある。
「あの時の……?」
「ええとこで会うた」
記憶を辿る佑都を見つけ、青年は緩く笑った。抱えていた布団をコンテナの屋根に設えられた天窓から中へ押し込み、佑都に向けて手を振る。
「ちょっと乗ってかへんー?」
数両後にあるデッキつきの貨車を示し、ナンパするように呼び掛けて来る同年代らしい青年をほんの少しの間見つめてから、ほろ酔いの勢いで佑都は頷いた。
「列車で旅行なのですー」
いつの間にかデッキに立っていた長い白銀の髪の幼い少女が、純白のワンピースの裾を翻しながらふわふわと笑う。
街道と線路を隔てるツツジの茂みを軽く跨ぎ、佑都は自転車ほどの速度で進む貨物列車のデッキに飛び乗る。
「楽しみなのですー」
ふわふわと笑う少女、
ゼロ・シーアールシー
の手も借り、車上の人となる。
「上へ来ィ、見晴らしええでー」
青年に呼ばれるまま、コンテナの端に据え付けられた梯子を登る。風に吹き飛ばされそうな小さなゼロの登攀も手伝ってやってから、佑都は瞠った瞳で周囲を見回した。
「おっ、日暮さんじゃん、やっほー」
別の貨車から屋根に登って来たらしい、夏草の髪の色した少女が小柄な身体ぜんぶで元気いっぱい、屋根の上にも関わらず元気いっぱいに飛び跳ねている。
「今晩は、円」
「ご家族のお二人は元気?」
黄昏よりは払暁の色した緋の瞳を笑みに細め、
桜庭 円
はコンテナの屋根を軽い足取りで渡る。
家族、の言葉に、日暮の口元が綻んだ。
「うん、皆元気にしとるよ」
「またバイト?」
「くりすます? に向けて稼がなあかん」
「どこなのここ?」
「どこ、て」
矢継ぎ早な円の問いに応じていた日暮は、ふと首を捻る。前方の機関車を、その屋根でインバネスコートを翻し泰然と座る黒猫の車掌を見遣り、
「ねこ電、て聞いとる」
この島の『フツウ』が時折『普通』とは違うことに気づきつつある異郷の青年はちらりと心許なげな顔をした。
「へー、ねこでん」
「うん。まあ、あれや。結構給金もええし」
「たのしそ」
緋の瞳を輝かせる円に安堵したような笑みを向け、日暮はひょいと街道へ視線を向ける。
「てことで、どうやろ? 夏朝も乗っていけへん?」
のんびりと屋根の上から声を掛けられ、機関車の黒猫車掌を追いかけるかたちで貨物列車と並んで走っていた
恵御納 夏朝
は弾む息のままに頷いた。
「僕も、乗って、」
いこうかな、と言葉にするより早く、目敏く見つけた貨車のデッキに飛び移る。小柄な身体を風と走行の勢いにさらわれそうになりながら、ぎゅっと手すりにしがみついているうちに、梯子を伝って下りて来た日暮が手を貸してくれた。
客車代わりの屋根に登りながら、夏朝は列車の道程について問う。できるなら、機関車の上にいた黒猫さんとのんびりお話をしてみたいところではあるけれど。
「もうすぐ白骨ヶ原やね」
「何が出んの?」
円の問いに、日暮は難しい顔をする。
名称からして不穏な気配のする湿原には、貨物を奪おうとする白骨の化け物、『ケモノ』が出るらしい。
「骨? ふぇー」
怖い世の中だねぇ、と円は腕を組んで考え込んだ。
「武器とかおいてないの? 工具箱とか」
「……戦闘準備、しないとね」
顔を見合わせて頷きあう少女ふたりを見遣り、前方の機関車を見遣り、日暮は小さな息を吐いた。
「今回は心強い用心棒も拾えたことやし、一安心や」
日暮の視線を追った機関車の屋根、黒猫と並んでいつの間にか座る小柄な少年の影を見て、円はぱちぱちと瞬いた。
「コンテナの中の様子は見ておきたいかな……」
「武器になりそうなもの探さないと」
夏朝の呟きに大きく頷く円に、日暮は数両後ろのコンテナを指し示す。
「何かしら見つかるかもしれへん、けど鍵掛かっとるとこは入ったらあかんでー」
「はーい」
声を揃えたふたりのうち、円は手前のコンテナへ、夏朝はひとつ後方のコンテナへと向かう。
「よいしょー」
天窓の閂を外し、観音開きの窓の片方をぐいと引き上げ、円は細い体をコンテナの中へと滑り込ませた。開いた窓から落ちて来る夕暮れの光を頼りに、内部を見回す。
がんがんと足音が響く金属壁が剥き出しのコンテナの前方には、いくつもの木箱に収められた工具が並んでいた。
「あったあった」
木箱の中に見つけた金槌を二丁取り出し、同じ箱に収められていた丈夫そうなロープも取り出す。鎖鎌じみて繋ぎ合わせる作業の半ば、ふと視線を流したコンテナの後方に『灯油』記載のドラム缶を見つけ、
「ほーん!」
円は悪童じみた顔で笑った。
「使えそうじゃん!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月17日
参加申し込みの期限
2019年11月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年11月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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