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霧雨に濡れ
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【猫と思い出】
雨が降れば立ち止まる。晴れ間が見えれば再び歩き出す。
得てしてそういうものだ。
「わああ、どしゃぶりだ……!」
趣き深い古民家の軒先が、
恵御納 夏朝
の避難先となった。今もって堅牢な瓦屋根に感謝しつつ駆け込む。
「ふう、助かった……」
ひと息ついて、まずはNyaphoneの動作をチェック。愛用のスマートフォンは家族や友人と連絡を取るのは言わずもがな、猫写真だってたくさん入っているし、大切なものだ。
画面をなぞると問題なくバックライトが点灯し、愛らしい猫写真が夏朝へ屈託なく微笑んだ。
「でも、けっこう濡れちゃったな」
いつもヘアピンで留めている前髪は少し乱れて、雨粒が滴っている。どこもかしこもぐっしょりだ。
普段は持ち歩いている折り畳み傘を今日に限って忘れてしまい、夏朝は自分のうかつさに思わず眉を寄せた。
とはいえ、慌てることもなし。
「さっき買ったタオルが鞄に……あったあった」
包みから出した厚手のタオルを広げてみると、愛嬌たっぷりな猫のイラストが夏朝へ微笑みかけてくれる。濡れた身体は冷たいが、心はぽかぽかと温かかった。
水分を含んですっかり重くなった髪を拭っていると、通りの向こうから、猫が一匹やってくるのが見えた。
「あれ……
アルくん
?」
ずぶ濡れながらに軽やかな足取りは、白黒猫のアルク。かつては夏朝や仲間たちを壮大な異世界の冒険物語へと連れ出した、不思議な猫だった。
旅を終えた今、彼は寝子島にすっかり染まり、美味しいご飯をお腹いっぱい食べて、猫仲間たちとのんびりひなたぼっこをして、このところは少し太り気味だったりもする。
「アルくん、こっちこっち。ここなら濡れないよー!」
雨に負けないよう声を張ると、白黒猫は夏朝に気づき、しゅたたと駆け寄った。
広げた腕へ迷いなく飛び込んできた彼を、夏朝は猫さんタオルで優しく拭いてやる。ふにゃふにゃ、ふにゃおん。すっかりご機嫌だ。
「アルくん、毎日楽しい? 元気に暮らしてる? 島の猫さんたちと仲良くなれたみたいで、良かったね」
身じろぎもせず夏朝に全てを投げ出して、白黒猫は鼻歌のように甘えて鳴いた。
やがて、言葉なく。
雨は人を神妙にさせる。地に弾ける王冠をただただ見つめていると、見えないものが見えてくるような気がしてくる。思考が鈍化してゆく代わり、感受性はにわかに豊かとなり、ずっと思い返すことも無かった思い出が不意に蘇ってきたりする。
「みんな……元気にしてるかな」
無論のこと夏朝は、折に触れて彼らのことを思い出す。
茜色の光。出会った人々、生き物たち。斜陽に包まれた世界。
アルクの胸元の宝石に、いかなるものが秘められているか。夏朝の記憶は色褪せない。
「また、不思議なことが起こって……アルくんやみんなが、もう一度会えたらいいね」
ふにゃ、ふに、大あくび。
ざざ、とひび割れた音に振り向くと、軒先を借りている民家の家主らしきおじいさんが、窓際のラジオをつけてくれたようだ。ガラス越しの笑みに会釈を返し、古めかしくも心躍るオールディーズに耳を傾けた。
『不思議なこと』が幾度も起こりうる島だ。夏朝がこれまでに経験した怪異の類も、もはや数え切れない。
「ラジオ……か」
その中でもことに印象深い出会いを、夏朝は深く思い返す。
「
最終回
から、もう半年以上……」
すやすやと寝息を立てる白黒猫の背をゆっくりとなぞりながら。
『彼女』は、心配なさそうだ。立ち直り、元気にやっている。
『彼』は、どうしているだろう。あれから声を聞いていない。
「元気に……してるかな」
ふわにゃあ、と再びの大あくびは、まるで心配いらない、どこかでよろしくやってるよ、きっとね。そんなふうに夏朝には聞こえた。
「うん。そうだね」
雨が降れば立ち止まる。
だが、晴れ間が見えれば再び歩き出す。
きっと、そういうものなのだ。
やがて雲の切れ間から差し込む陽光に、夏朝は白黒猫を濡れたアスファルトへ下ろしてやる。彼は一度振り向いてから、にゃあと鳴いて駆けていった。
どこへ行くのだろう。あんなにも嬉しそうに。楽しそうに。それはきっと、いいところなのだろう。
「僕は……どこへいこうかな」
はっとして目を見張る。
道の向こうには、七色のアーチが夏朝の訪れを待っていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月13日
参加申し込みの期限
2019年11月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年11月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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