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霧雨に濡れ
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【雨恋】
友人たちと連れ立って遊ぶにあたり、懸念すべき重要事項が一つある。
すなわち雨が降っているか否か、である。
(うーん。このあと3人で遊ぶ予定なんだけどな)
ぱらぱらと手のひらを叩く雫に、
小山内 海
の表情は見上げた灰色の空めいて曇った。
傘は持っているし、屋内で楽しめる遊びも無くはないが、やはり仲間たちと快活に過ごすには、まぶしい太陽の光が欲しいところだ。
とはいえ、恨みがましく曇り空を眺めていても始まらない。
(とりあえず、待ち合わせ場所に行こうかな……あれ?)
メールの着信に気づいて画面を覗いてみると、海の顔がほっこりとほころぶ。
(あ、刀からだ♪ 千歳もいっしょかな?)
件の二人は、もう合流しているらしい。
(寝子島神社で、二人で剣道の練習をしてて……ありゃ。傘忘れちゃったんだ)
どうせ海も合流するのだから、傘を持って迎えに来てほしい、といったところだ。
決して浅からぬ仲の三人。いささかに奇妙な間柄だが、海は彼らのことなら手に取るように分かった。今頃きっと、濡れそぼつ二人は互いの色気に頬を赤くしつつ、どこか気まずくも不思議な昂揚を抱いていることだろう。
(ふふ。『わかったよ、今から行くね。着くまで、二人でイチャイチャしてるといいよ』っと)
メールを返信し、傘を差すと雨の中へ身を躍らせる。雫を跳ね上げ、海の足取りは弾んだ。
「どう? 連絡ついた?」
「ああ、今から来てくれるってさ」
雨は人を憂鬱にさせるが、時としてその魅力を演出することもある。
そんな事例を今まさに体験しているのが、
橘 千歳
と
御剣 刀
だった。
「ちょっと寒くなってきたわね。刀君、タオルいる? 私、予備を持っているから」
「あ、ああ……ありがとう」
刀の反応が、何やらあやしい。千歳が問うとほのかに頬を赤くして、さっと目を逸らされてしまった。
剣の稽古に打ち込むあまり、のめり込み過ぎてしまったのが災いした。気づけば降り出していた霧雨に慌てて神社の軒下へ駆け込むも時既に遅し、二人はしっとりと濡れていた。
(……あ)
刀を訝しみじっと見つめるうち、千歳の目は一点に吸い寄せられていく。
雨濡れてじんわりと透けた刀のシャツ。胸元に浮き出た鎖骨のラインが、やけに艶めかしく見えた。
(ってこれ、もしかして私も透けてる……?)
透けていた。そのとおり。
律儀な刀は直視を避けたが、一瞬の光景は目にくっきりと焼き付いている。
(今日の千歳、なんだかいつもより……)
胸が弾けるかと思うほどに高鳴った。向こうも同じだろうか? 気づけば千歳の表情にも火照りや恥じらいが見てとれた。先ほど木刀を打ち合わせた剣士としての彼女とのギャップが、刀をも昂らせる。
(『イチャイチャしてていいよ』、か……そりゃあ、したいけどさ)
海のメールは促すよりは茶化しているようだったが、目の前の状況はまさにそれを推奨しているかのようだ。
雨のもたらす艶めきが、互いを惹きつけていた。
千歳は少し唇を噛み、濡れた髪をタオルで拭いながらちらと彼をうかがい見る。
(沈黙が辛いわ……でも今口を開いたら、緊張でヘンな声が出てしまいそう)
細身ながらに精悍な体つき、凛々しい表情がやけにまぶしく目についた。
(少しくらいなら、触れても……いいよな?)
吸い寄せられるように、刀の指先は彼女の丸みを帯びた肩口へ向かう。彼女はぴくりとかすかに跳ねたが、刀を咎めるそぶりはない。
彼女は上目遣いで時を待ち、彼は逸るように前のめり。
雫の冷たさが、内側からもたらされるむず痒い熱に追いやられてゆく。
そんな気恥ずかしくも仲睦まじい一幕を、陰から覗いている者がいた。
(おお♪ やってるやってる~)
無論のこと、海である。近場にいたもので、思いのほか早い到着となったようだ。
触れようか触れまいか、といったところで逡巡しているらしい刀。力なく垂れ落ちた前髪から、雫がぽたりぽたぽたとこぼれる。
千歳の頬は朱色に染まり、伸びてくる彼の手を拒むべきか身を任せるべきか、迷いに迷っているようだ。
海は微笑む。
等しく二人が愛おしかった。濡れた肢体がかもしだす色気に、海までも昂ってしまいそうだ。
と同時に、眺めていると何だかたまらない気分にもなってくる。
(む~。二人の仲が良いのは私も嬉しいし、いい雰囲気を壊したくないな、って思うけど……)
そんなつもりもなかろうが、のけ者にされているのはどうにも歯がゆい。
気付くと海は、駆け出していた。
(私も混~ぜ~て~っ!)
こちらに気づいた二人の驚いた顔がおかしくて、満面に笑みながら、海は二人まとめて飛びついた。
「もう。見てたなら、言ってくれたら良かったのに……」
熱くなった頬を両手で覆う千歳は少しばかり恨みがましく言ったが、そんな彼女がますますもって愛おしく思え、海は彼女の背をぎゅっと抱いた。
「……海。アドバイス、ありがとな」
メールで背を押してくれた海へ、刀は律儀に礼を述べる。イチャイチャ、というほどの触れ合いであったかどうかはさておき、千歳との心と心の距離はさらに縮まったように思えた。
空を見上げる。まだ止む気配はない。ともあれ海が差し入れてくれたあたたかいお茶で、身体はいくらかあたたまった。
三人は連れ立って神社を後にする。海が持参した傘は三つあったが、一番大きな傘を物言わぬまま刀へ差し出すと、彼はそれを広げて真ん中に立つ。自然、左右に海と千歳がぴたり寄り添うことになった。
海は小動物めいて愛らしくあけっぴろげに笑みを浮かべ、千歳は恥じらいのままに顔を赤くしている。
「さて、いくか。って、今日はどこに行くんだっけ?」
「その前に、まずは着替えでしょ? 私たちびしょ濡れなんだから」
『千歳の着替え、持ってきたよ。刀君ちでシャワー借りたら?』
スケッチブックに書きいれた海のそんな言葉に、千歳の顔はいよいよ茹でだこよろしく赤くなり、刀も所在なく頬をかいた。
海はそんな二人を等しく、愛おしく思う。
刀は朴訥だが時折言葉でそれとなく伝えることもあったし、嘘がつけない性格だ。
千歳は照れくさいのかあまり想いを口にすることはないが、なによりも顔に出るタイプらしい。
奇妙な距離感だと、彼ら自身も感じているかもしれない。はっきりと明確ではない関係性。つかず離れず、進んだり戻ったり。時に悶々としてたまらず、それでいて心地良い間柄。
(いいなぁ。楽しいなぁ……)
「ちょ、ちょっとどうしたの、海ちゃん?」
「おい、海まで濡れちまうぞ」
たまらず海は、再び二人をまとめて抱き締めた。こうすると刀も千歳も、きっと無意識なのだろうが、海がそうしやすいようにそっと身を寄せてくれる。
『そういえば。さっきの二人のイイカンジなところ、写メ撮っといたよ。後で見ようね』
「!? 何それ、何のこと……!? ちょっと、海ちゃん!?」
「あー。うん……千歳の濡れた髪とか、うなじとか、ヤバかったもんな……」
『刀の透けた鎖骨もセクシーだったよ』
「もぉー! 二人とも!」
こんな時間が、ずうっと続けばいい。三者三様ながらに、きっと思いは同じことだろう。
三つの影は溶け合いながら、やがて雨が降ろすカーテンの向こうに滲んでいった。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月13日
参加申し込みの期限
2019年11月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年11月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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