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寝子島高校
霧雨に濡れ
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【ありふれた雨の日に】
「秋の天気は気まぐれだね」
曇天を見上げ、
八神 修
は言う。けれどその表情までも憂いに染まってはいない。浮かぶのは微笑みだ。
「うん。ホントだね」
なぜなら傍らに、
七夜 あおい
の笑顔があったから。
雲は灰色、世界が水没しそうな雨が降り続いているというのに。彼女が隣に在るだけで、修の胸は芯から温まる。
「通り雨かな、たぶんすぐ止むだろう。あおいは、急ぎの用事とかあるかい?」
「ううん、今日は真っすぐ帰るだけ」
「じゃ、しばらく雨宿りだな」
修が連絡すれば、迎えはすぐに来るだろう。あおいを家まで送り届けてもいい。
とはいえ彼女の気質を考えると、恐縮されてしまいそうだ。ここは素直に、二人でしばしの雨宿りという紛れもない幸運を享受することにする。
寝子島高校の軒先には、二人と同じく傘を忘れたのだろう、降り具合を確かめながら下校の隙を伺う生徒たちや、無理やりにでも雨中へ駆け出し、しとど濡れながらの帰宅を敢行する猛者たちもちらほらと見受けられる。
修は、雨が上がれば自転車で星ヶ丘寮まで帰るつもりだ。桜花寮へ戻るあおいとは反対方向だから、この貴重なひと時は大切にしたかった。
「そういえば、この前の
演劇祭
は楽しかったね!」
「ああ。あおいはノリノリだったな」
「修君だって、いい顔してたよ」
「ははは」
先日、もはや寝子島の秋の風物詩となりつつある演劇フェスティバルの一幕を思い出す。修とあおいは即興劇にて演技を披露することとなった。
演じた役柄はピーターパンとウェンディ。ピーターパンがサンマから生まれたサンマ太郎とともに鬼退治へ向かうというカオス極まりない演目ではあったが、二人はこれを大いに楽しんだ。貴重な学生時代の秋を彩る思い出の一つとなることだろう。
演劇の話題を皮切りに、雑談にも花が咲く。
「そうそう。今日の二時限目、窓際にスズメがやってきたんだ。しばらく佇んでいたんだけど、その仕草がまるで、授業に耳を傾けているようでさ。愛らしかったよ」
「うわぁ、いいなぁ! 見てみたかったっ」
「ああ、俺も写真でも撮っておきたかったけど、さすがに授業中だったから」
「あはは、修君マジメだもんね。……っくしゅん!」
「っと、寒い? 大丈夫か?」
「うん、大丈夫。でもちょっとずつ寒くなってきたよね。もう冬も近いもんね」
「そうだな……俺も近々、冬の通学用の上着を買いに行くつもりだよ。あおいは?」
「私は、去年買ったお気に入りがあるから。でもそういうのを買う時って、何だかわくわくしちゃうよね!」
「ああ。分かる分かる」
言葉が止め処なく湧き出し、尽きることがない。
彼女が隣でにこにこと喜んでいるだけで、雨音は会話を盛り上げる劇伴になってしまうし、曇り空さえレフ版のごとく輝いた。足元からくる寒さだって気にならない……とまで言うと大げさではあったが、その寒さとて話の種となった。
ああ。なんて彼女は、まぶしいのだろう。
「あ、そうだ。修君、お菓子食べる?」
あおいの手の中、柄の入った包み紙から顔を出したのは、焼き菓子。……のようなもの。に見える何か。
分かる情報は、いささかに焦げているということと、あおいの手作りであろうということだけだ。修にはそれで十分だった。
「ああ、美味そうだね。いただくよ」
「うん、どうぞどうぞ♪」
変わらない笑みに勧められ、焼き菓子、のような何か、に見える塊を口へ放り込む。塵ほどの躊躇いもない。
「…………!!」
「ど、どう? 今日のはわりと自信作なんだけど……」
瞬間、口内を吹き荒れる得も言われぬ苦味の嵐と、砂利のような食感のハーモニー。脳天までつんと突き抜ける辛味。舌が蕩けそうなほどの極・甘味。
自分は一体何を食べているのだろう。お菓子? おかし? おかしいな?
ああ、何だか目の前が真っ白に……まぶしいほどに明るくなって……。
「……うん。美味い!」
「ほんと!? 良かった~」
気絶しそうな味の衝撃などおくびにも出さず、修はいつものごとくそう述べた。彼は紳士である。女の子が手ずからこしらえた料理を無情にもこき下ろすなどあってはならないし、何よりあおいの作ったものだ。味はさておき笑顔でいただいてしかるべしというものだ。
それに目の前が明るくなったのは、雨が上がり晴れ間が覗いたから。
「あ、そろそろ帰れそうだね。校門までいっしょにいこう?」
「ああ、そうしよう。ご馳走さま。またぜひ、あおいの手作りを食べさせてもらいたいな」
「もっちろん♪」
見上げた空には雲の残滓が散り散りに浮かび、まぶしい夕日が修の細めた瞳を射る。
明日もきっと、晴れ。彼女は太陽のように笑むだろう。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『霧雨に濡れ』のリアクションをお届けいたします。
何度かお送りしております、『雨』シナリオの三回目となりました。
今回は少し趣向を変えまして、「~だ・である」調でお届けいたしました~。
いかがでしたでしょうか!
いつも思いますが、雨にはどこか、人の秘めた部分を引き出すような、そんな力があるような気がします。
雨の日に憂鬱になると、なんだか考えすぎてしまうのかもしれませんね。
ちなみに墨谷は、雨はそんなに嫌いじゃなかったりします。某有名ミュージカル映画の、あのシーンを思い出すからでしょうか。
そんなわけで、今回もご参加いただきまして、ありがとうございました!
また次のシナリオでもお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月13日
参加申し込みの期限
2019年11月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年11月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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