ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル｜リアクション

ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル

●激辛フェスティバル開催

　シーサイドタウンのキャットロードにて屋台村のようなイベントが開催されることを知った八神修は、面白そうだと興味を示した。
　だが、その日は外せない大事な用事があるので行けない。
　用事がなければ、あの子を誘って行けたのに……と残念がる。

　フォトグラファーのヒュー・ヒューバートとモデル兼大学生の城山水樹は互いに多忙の身だが、なんとか時間を作り、こうしてデートにこぎつけてた。
　特にこれから年末進行という時期だが、時たま、ぽっかり時間が空くこともある。
　今日は、たまたま２人の休みが重なったので寝子島でデートをすることに。
　キャットロードに水樹行きつけの古着屋があるので、そこで適当に買い物しようかと向かっているとシーサイド激辛フェスティバルのポスターを見かけた。
　シーサイドタウンのキャットロードにて、テーマが『激辛』の屋台村のようなイベントが開かれるらしい。
　二人でちょっと、どうしようかと顔を見合わせる。
　たまには、こんなのもいいかも？　行ってみない？　と水樹が視線で問うてきた。
　彼女が行きたいというなら、こういうのもいいかもしれないとヒューは「じゃ、行こうか」と激辛フェスティバルに向かうことにした。

「激辛フェスティバル！　告知を見て楽しみにしてたんだよね♪」
　期待に胸躍らせて会場を訪れた伊藤佳奈は、どれを食べるか目移りしてしまう。
「ふっふっふっ～。甘い物は大好きだけど、辛い物も大好きなんだよね～、あたし。今日は激辛料理を堪能するよ」
　何から食べようかな～と見て回っていると、剣道部後輩の響蒼留人を見かけた。
「あれ？　蒼留人君も辛い物好きなの？　今日は楽しもうね」
　と声をかけるが、蒼留人は浮かない顔をしている。
「あ、ああ……」
　蒼留人がここに来たのは、夏の激辛我慢大会で寮同室者に負けたのが悔しいのでリベンジするためだ。
（夏の激辛我慢大会のリベンジを！　だが１０００倍は無理だろ……）
　食べたことがないので、１０００倍がどのくらいの辛さかまったく見当もつかない。
　これを食う奴がいるのか？　という疑問も。
「地道に１０倍から鍛えるか」
　メニューはどれも本来ならどれも美味しそうで迷うが、ここは王道のカレーライスでいこう、とまずは王道！　シーサイド風激辛カレーライスを食べることにした。
「１０倍の次が１００倍とか、倍率がおかしい気もします。その次が１０００倍なんて……」
　激辛とか別に興味はないが、食べている人の反応が見たい。
　蒼留人が激辛フェスティバルで夏の我慢大会のリベンジとか言っていたので、観察がてら同行するマーガレット・ライカーは響君、大丈夫でしょうかと少し不安に。
（いろいろ参考になるものもあるでしょうし、創作活動に）
　隠しているが、マーガレットは腐女子である。

　激辛我慢大会のリベンジに燃えているのは蒼留人だけではない。
「ふっふっふ、ついに再チャレンジの時がきた！」
　夏の激辛我慢大会でゲロまみれになって敗退するという惨憺たる結果だった大江戸マンモスは、あの時の屈辱を晴らします！　と全種類食べ尽くす気マンマンだ。
「＜１０００倍＞フルコース全制覇目指すですよ！　全ての激辛を食い尽くしてくれるわです！」
　大丈夫だろうか……。

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