ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル｜リアクション

ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル

●激辛フェスティバルの終わり

　牛乳を飲みつつ激辛料理を堪能した伊藤佳奈は、まだ足りないな、と次は何を食べようかと考える前に財布の中身をチェック。
　どれだけ残っているかな、と見ると、中身は小銭がほんの少しという状態だった。
「お小遣いがピンチ！　あはは」
　苦笑いするしかなかった。
「私も残りのお金が少ない状態になっているわ」
　もっと食べたかったのに、と残念がる楡宮遠海も同じ状態だった。
「お財布は寒いけど身体はまだ暑いねぇ。激辛料理のせいかな？」
　よく見ると、佳奈の顔は熱があるかのように赤い。
「唐辛子に含まれているカプサイシンのせいじゃない？　辛いものには発汗作用や血流を良くしてくれる効果があるから」
　そう言う遠海の顔も赤い。
　お腹いっぱい食べられたから満足したが、予算を考えて食べるべき、という教訓を得た２人だった。
「おふたりさん、激辛料理いっぱい食べたようだね☆　楽しかったー？」
　おっもしろいフェスティバルだったよなー☆　と満足気な志波武道が声をかける。
「すごく楽しかった♪　お小遣いピンチになったけど」
　もっと食べたかったのが佳奈の心残りだった。
「いろんな激辛料理が食べられて幸せだったわ」
　本音はもっと食べたいが、お腹を壊しそうだからと遠海はこれ以上食べるのを控えることにした。
「楽しんだようだね。俺もすっごく楽しかったー☆」
　あの子との勝負は、ちょっとしんどかったけど……と心の中でボソリ。

　ヒュー・ヒューバートと城山水樹は、激辛フェスティバル会場の様子を見ながら楽しそうに歩いている。
「水樹、汗かいて気持ち悪くない？」
「ちょっと……。着替えたいから、服を買いたいんだけどいい？」
「いいよ。古着屋に行って服を買おう」
　新しい服を買ってあげるよ、とヒューは水樹に約束する。
「今度は甘いものを一緒に食べに行きましょう」
　今日のお詫びに奢らせて、と水樹はヒューを見つめる。

「マガレ、俺、リベンジに備えることができたと思うか？」
　激辛料理を食べ過ぎたのか、口の中がヒリヒリする響蒼留人がマーガレット・ライカーに問う。
　食べ過ぎて苦しいと、蒼留人はフードコーナーを後にすることができない。
「リベンジに備えることはできたと思いますが、無理しすぎです。お腹、痛くありませんか？」
「腹より、口の中が痛い……」
　強い刺激を受け過ぎたので痛いのは当然である。
「同室の彼に負けたくないという気持ちはわかりますが、身体を壊しては元も子もありません」
　もっと自分の身体を大切にしてください、とマーガレットは口直しのラッシーを差し出す。

　１０００倍激辛料理全制覇してみせるですよ！　と意気込んでいた大江戸マンモスは、本当にその偉業を成し遂げた。
　激辛フェスティバル主催者側は、こんなことになるなんて！　とビックリ仰天。
　フェスティバルに来ていたお客さんもビックリ仰天なこの出来事は、翌日の新聞に写真付きで掲載された。

　目的を果たしたマンモスには『１０００倍激辛料理覇者』の称号と金一封が贈呈されたのだが……。

　舌や口の中がヒリヒリしたことによる口腔疾患。
　激辛料理をがむしゃらに食べ続けたことが原因の腹痛、直腸、肛門にいたる消化器官全体のダメージ。
　気管支がカプサイシンの強い刺激を受けたことにより気管支収縮が起こり息切れ。
　汗をかきすぎたことで身体が冷え、それで風邪をひき熱が出た。
　以上の状態が治るまで、マンモスはしばらく寝込む羽目に。
「１０００倍の勝負に勝てたです、悔いなしです……！　志波さんと勝負もできましたし……」

　教訓：激辛料理はほどほどに。

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あとがき

担当マスター：カターレ
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カターレです。
リアクションを書いている最中、身体が熱くなってきた感覚がしました。
激辛料理、ご堪能いただけましたでしょうか。
皆様、美味しそうに食べていたので、辛い物が苦手な私は執筆しながら「羨ましい……」と思いました。
１０００倍に挑む方がいたのには驚きました。

唐辛子を使った辛い物は食欲を増進させ、おいしく食事をする助けになりますが、主成分であるカプサイシンを摂取しすぎると粘膜が傷つき、喉や胃が荒れてしまうことがあるのでお気をつけて。
適度な量を摂取して、美味しく食べてください。

激辛による熱さを暑さをお楽しみいただければ幸いです。
ありがとうございました。

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