ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル｜リアクション

ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル

●激辛料理を楽しもう

　長身でほっそりとした見た目は鎌倉の名家のお嬢様然とした清楚な美少女だが、楡宮遠海の中身は規格外の大食い。
　やせの大食いというレベルを通り越し、いくら食べても全く太らない体質だ。
　それはいいが、食べても全然胸まで大きくならないのが最大のコンプレックスだったりする。
　そんな遠海が、激辛フェスティバルを見逃すはずもない。
「こんな美味しいイベント、見逃せないわ」
　致命的な方向音痴ではあるが、イベントへ向かう人を見つけて「後を追えばいい」ということを経験で学んだ。
　イベントに行く人の後に続けば、無事、会場に到着するだろう。
　その考えは正解だったようで、迷うことなくイベント会場に着いた。
　会場に着くなり、屋台を巡って何を食べようか物色。

「おっもしろいフェスティバルだよなー☆　よーし、自分の辛さの限界も確認しながらたーべるぞっと！」
　激辛イェーイ！　いいよな辛いの！　とワクワクしながらフェスティバルに突撃☆　と意気揚々と屋台を巡る志波武道。
　辛いもの大好きだから、いろいろ食べたい！　と、料理をあれこれ見て何を食べようか考える。
　いろいろと迷ったが、武道が最初に食べることにしたのは北海道からの刺客！　灼熱スープカレーの辛さ１０倍。
「北海道と聞いたら、これを食べずにはいられないっ！　こんなの絶対美味しいに決まってるっ！」
　スープカレーを買い「いただきます！」とフードコートでさっそく食べ始めた。
「まぁ、ここあたりが個人的に、素材の味も辛さも堪能できるレベルかなーウマからっ！」
　辛いもの好きの武道にとって、この辛さは少し物足りないようだ。
　カレーを食べ終えると、次は異次元の辛味！　極辛担々麺を。
「これは１００倍いってみよう！」
　どの程度の辛さかなー？　とずずーっと食べると、口の中が痺れてきた。
「うぉー、また辛さの系統が違うな！　痺れる！！　なんというか、痺れと痛みが快感になってくるよな」
　ハンカチで汗を拭きながら残りの麺をすすっていく。

「地獄！　爆裂マーボー豆腐？　面白そう！」
　ジャブ程度の１０倍でチョイスし、伊藤佳奈はマーボー豆腐を持ってフードコートへ。
　フェスティバルが盛況と言うこともあり、空いている席は少ない。
「ここ、空いているわよ。一緒に食べない？」
　どこで食べようか迷っている佳奈に、遠海は声をかけた。
「いいの？」
「１人で食べるより、２人で食べたほうが楽しいでしょう」
　助かった、と遠海と向かい合うように座り、佳奈はマーボー豆腐を一口。
「辛い！　けど美味しい！」
　食べるごとに汗が噴き出る。
「辛味は味覚じゃなく痛覚だって聞いた事あるけど、正直美味しければどっちでもいいよね」
　辛くても、美味しければそれでいいのだ。
　マーボー豆腐を完食したので次はそうだな～、と決めたのは異次元の辛味！　極辛担々麺の１００倍。
「やっぱりこれくらいの辛さじゃないと満足出来ないよね」
　１０００倍を食べる人いるのかな？　と思いフードコーナーを見ると食べているチャレンジャーが。
　大丈夫かな？　と心配しつつ、佳奈は早速、担々麺をすする。
「辛！　舌が痺れる！　でも止まらない！」
　ハンカチで汗を拭いながら、ずるずると麺を口の中へ。
「さすがに家ではこんなの作ってくれないからね」
　遠海は猫舌なので、熱いものを熱いまま食べるのは難しい。なので、牛乳や乳酸飲料などを料理とともに注文。
　まずはカレーから、と王道！　シーサイド風激辛カレーライス１００倍を食べ始める。
　舌が麻痺しそうになったり痛くなってきた頃合いで適宜牛乳などを口にし、かつ冷やしつつ、少しずつ食べていく。

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