ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル｜リアクション

ファイヤー！　シーサイド激辛フェスティバル

●仲良く激辛料理を

　城山水樹が選んだのは王道！　シーサイド風激辛カレーライスの辛さ５倍とラッシー。
　ラッシーはインド料理には欠かせないヨーグルトベースの乳酸飲料だ。
　ヒュー・ヒューバートは、北海道からの刺客！　灼熱スープカレーの辛さ１倍。
「もしかして、辛いのは駄目だった？」
　ヒューが辛いものが苦手ということを初めて知った水樹は、ちょっとバツが悪そうな顔に。
「気にしなくていいよ。ここに来たかったんだろう？」
　もともと辛い物は苦手だが、水樹が行きたそうだったので付き合うことにした。
　少しくらいなら大丈夫だよ、と安心させるようにヒューは水樹に笑いかける。
「今度のデートでは気を付けるわ。でも、１倍なら大したことないと思うよ」

　水樹の激辛カレーは、見るからに激辛感剥き出しの色味といい、風味と言い熱気といい、のっけから挑発されているような感じが漂っている。
　最初の一口は「ふうん、こんなものか……」と思うが、後になってジワリジワリと滲み出る辛さに季節外れの汗が滲み出る。
　舌がヒリヒリし、額から汗が流れ出る。
　メイクが落ちないか気にしつつ着ている秋物のニットを脱ぎたくなる衝動に駆られるが、さすがにそれは我慢。
　脱ごうとした仕草と、汗をかきながら食べている様子がちょっとセクシーで可愛らしかったので、ヒューは見入ってしまった。　
「もう、何見てるのよ……」
「可愛いな、と思って」
　照れているような、恥ずかしがっている表情が好きだ、とヒューはカレーを一口。
　辛さ１倍だが、ちょっぴり舌が痺れる。その程度で済んだのでラッシーを飲みつつあっさり完食。
　水樹は辛さ５倍のシーフードカレーなので、額に汗をかきながら食べていた。
　ラッシーを飲みつつ何とか完食したけど、これが限界だった。
「美味しかったけど汗かいちゃった。秋なのに暑いわ」
「そう言っているけど美味しそうに食べていたね。たまには、こういうものを食べるのもいいかもしれないな」

　仲良く激辛カレーを食べているヒューと水樹の様子を見ながら、伊藤佳奈と楡宮遠海は羨ましいと思った。
　佳奈は私も恋人欲しいなとちょっぴり思ったが、そんな思いは激辛料理を食べて忘れることに。
「私達は私達で楽しみましょう」
　そう言いながら、猫舌なのでフーフー冷ましながら少しずつ食べていく遠海。
　その合間に、辛さを和らげるために牛乳や乳酸飲料を飲むのを忘れない。
　少しだが、牛乳のおかげで舌のヒリヒリが治まってきた。
　舌が落ち着くまでは小休止、あとは食べたいものを食べるのみを遠海は繰り返していく。
　激辛カレーが食べ終わったので、遠海は次は何にしようと屋台を見て回ることに。
　遠海が決めたのは北海道からの刺客！　灼熱スープカレー、異次元の辛味！　極辛担々麺、地獄！　爆裂マーボー豆腐の１００倍。
　熱い、辛い、と言いつつも、牛乳や乳酸飲料で口直ししつつ、フーフーと冷ましながらスローペースで完食。
「激辛エビチリも食べてみない？　辛いけど美味しいわよ」
　お裾分け、と佳奈は紙皿に遠海の分のエビチリを取り分けてくれた。
「いいの？　ありがとう」
　さっそく、エビチリを一口。
「辛いけど美味しいわね、このエビチリ。よく見ると、中華料理やカレー以外にも激辛料理があるのね」
　ある程度食べ終わったら、他に何があるか見ないと遠海は佳奈を誘った。
「面白そうだねぇ、いいよ。他のものも食べてみたいし」
　そうと決まれば、ここにあるものを全部食べるのみ。
　意見が一致した２人は、自分達が食べているものを残さず食べることにした。
　残さず平らげた後は、何を食べようかと話しながら楽しく屋台巡りを。

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