寝子島八百万大宴会｜リアクション

寝子島八百万大宴会

●宴会場へ

「異変の時に元凶に一言文句言えるのって実は稀だしな！」
「シュランが行くならー！　トワも行くレス！」
　会場が寝子ヶ浜海岸なので、服が濡れても大丈夫なように酒浸朱蘭とトワ・E・ライトフェロゥは水着を服の下に着ている。
「という訳で出ぱぁー……ヌヌヌ！　いつもより道が曲がって見えりゅマスー！　fantastic！」
　足だけでなく身体もふらついてきたトワを見て「大丈夫かよ……」と心配になる朱蘭だった。

　千鳥足だったこともあり、２人は宴会場に辿り着くのに時間がかかった。
　宴会場には侍のような格好をした、大きな刀を持った猫の神、天之丸尾猫神。
　巨大な龍の神。その他大勢の神々が飲めや騒げやの宴会を繰り広げていた。
　こうなったら、流れに身を任せて自分達も宴会するしかない！
「あたしらも宴会するぞー！　……あそこにいる一際目立つのは龍神様かー？」
「おおー！　おおーきなー！　どらごんレス！　口だけれもー、トワより大きいのレス！」
　移動中に酔いが回ったのか、トワはろれつが回っていない。
「オモテナシのしがいがあるマス！　しゅるマス！」
「あたしも、おもてなしするぜー！」
　まーぜーてー！　とトワと朱蘭は宴会場に乗り込んだ。

「んー……ひっく、ふにゃふにゃするけど宴会手伝わないとー……にゃー……」
　一足お先に来ていた恵御納夏朝は、テオが隔離していないかもと思い来たのだが……いなかった。
「皆、酔ってるー……にゃー……」
　酔いが回っているためか、語尾に「にゃー」がついている。
　両親が酒に強いから自分も強いはずだけど違ったかな？　と思ったが、これは神魂の影響である。
「猫さん撫でたい……宴会場、手伝うー……にゃー……」
　テオは宴会場にいないが、その代わりに天之丸尾猫神の周りに酔った猫達が集まりゴロゴロしている。
　人間だけでなく、動物も酔っぱらってしまうようだ。

　宮祀智瑜は、偶然、宴会場の近くで桐島義弘先生に出会った。
　クールビズメンズシャツにネクタイ姿の桐島先生は、寝子高にいる時とは違いラフな雰囲気だ。
　表情はいつもと変わらずクールだが、顔は日焼けしたかのように真っ赤だ。
「義弘先生、大好きですっ！」
　酔った勢いもあり、いつもより大胆にアプローチ。
「いい気分ですね、義弘先生。暑いというより、ぽかぽかしてます」
「私もだ。それに身体が火照ってきた……」
　体の火照りに関しては、智瑜に抱き着かれていることもあるだろう。

　桐島先生にお酒を買ってきてほしいと頼みたい夏朝だったが、あれでは頼めないと代わりの大人を探す。
「お酒を買ってきてほしいの？」
　困った様子の夏朝に声をかけ、買ってきてあげると申し出たのは真境名アリサ。
「いいの……？　じゃあ、お願いするにゃー……これ……お酒代にゃー……」
　出費が痛いと思うので、お酒代を提供できればとお金を手渡す。
「私に任せなさい！　お酒は何でもいいわね？」
「お任せするにゃー……」
　女性ひとりでは大変だろうと、七夜あおいと宴会場横のオープンキッチンで肴を作ろうとしていた八神修が荷物持ちを引き受ける。
「私も付き合うよ。荷物持ちは多いほうがいいでしょう？」
　とあおいも手伝うことに。
「それじゃ、お願いね」
　海の家を何軒か梯子し、アリサ達はビール等のお酒を大量に買い込む。
　買うのは大人なアリサなので、未成年の修とあおいに荷物持ちをさせても何の問題もないだろう。

「買ってきたわよ。さあ、皆、飲んで」
　宴会場にいる神々や集まった人々に、アリサはお酒を差し入れる。
　お酒が追加されたので、飲めや歌えやの宴会場は更に盛り上がった。

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