スペース・ウォーズ！｜リアクション

スペース・ウォーズ！

●乱入三大勢力

　カエリアン宇宙艦隊所属の空母航空団の総隊長に任命された椎井莉鳥は、出撃前に気づいたことが。
（ところで……戦闘機ってどう飛ばすんだっけ？）
　出撃目前で一瞬頭が白くなるが、なぜか手が勝手に動いて必要な操作をしたので「え！？」と驚いた。
　どうなってるのよと言う間もなく搭乗している戦闘機は空母から飛び立った。
「これから敵戦との空中戦に突入する。全機、私に続け！」
　多数の戦闘機を率い、莉鳥の戦闘機は華麗に宇宙空間を舞いトカゲックス戦闘機を次々と撃破していく。
　地球人に負けられない、とカエリアンも続々と攻め込む。

「椎井率いる空母艦載機部隊は、制空権確保に成功するといいが」
　トカゲックス航空兵力を無力化したことを確認した北里雅樹は、カエリアン族司令を引き連れ艦隊戦へ。
「元帥、次のご指示を」
　そうだな……と顎に手を添え、頭の中で作戦を練る。
「最初はアウトレンジからの長距離砲戦。それである程度ダメージを与えてから前進。その後は中距離砲撃戦に移行し、変化する状況に対応しつつ着実に敵艦隊にダメージを与える作戦でいこうか」
　さすが地球人、と感心する司令は、それでいきましょうと賛同した。
「全艦、砲撃開始！　撃って撃って撃ちまくれ！」
　雅樹の号令と同時に、カエリアン戦艦は激しい砲撃を一斉に繰り広げる。

　弾幕と砲撃に包まれた宇宙空間をじっと見ながら、白真白は冷静に戦況を分析している。
「カエル側優勢のようだね。流れを一気に変えちゃおうか」
　臨機応変に動けるよう、真白は何パターンもいざという時の対策を練っていた。
「まずは……」
　ミサイルとレーザー砲を射角を上に、混戦してる領域の少し後ろあたりに狙いをつけ、抜けてきた敵の戦艦や戦闘機を攻撃しようかと後ろに控えている士官に提案。
「混戦領域を抜けてきたものを攻撃するのですね」
「そうそう」
　抜けてきた戦艦は射角を付けてなさそう。こちら側に大砲やレーザー砲等を向けるまでの間に撃てるはず。
　隙を逃さず、敵の戦闘機や人型ロボが抜けてきたら撃つ。
「混戦エリアを抜けてくるようなのは相当の手練れだよ。そういうのは問答無用で弾幕を張って撃ち落として」
「了解。乗組員全員にそう指示します」

　カエリアンとトカゲックスの激しい戦いを繰り広げている最中、雅樹と真白は見慣れない戦艦が紛れ込んでいることに気づいた。
　敵なのか、味方なのかわからないので、２人はどう対処して良いのか悩んでいる。
　その結果、どのように動くか様子を見ようということに。
　大江戸マンモス率いる銀河毛むくじゃら帝国の宇宙戦艦ぎゃらくしー☆まんもすは、ワープを繰り返しているうちに両軍戦闘区域に紛れ込んだようだ。
「くっ……カエルとトカゲに囲まれてしまうとは」
　こんなところで敗北するわけにはいかない、とマンモスは更なる追撃を命令する。
「全艦、全戦闘機、突撃！　勝つのは我ら銀河毛むくじゃら帝国です！　勝てば官軍！　力こそ正義！」

「ゴリ押し攻撃だな。邪魔だからご退場願おう」
　雅樹はトカゲックスとの戦闘を一旦中断し、ぎゃらくし―☆まんもすを迎撃するよう莉鳥に指示。
「女にフラれたのに、しつこく付きまとう男は地獄に行くしかないわ！」
　しつこく追ってくる敵機に対し、そう叫びながら莉鳥は敵機を攻める。
　真白も雅樹と同じ考えなのか、カエリアンとの戦闘を一旦中断し共闘するよう命じた。