スペース・ウォーズ！｜リアクション

スペース・ウォーズ！

●和平交渉を

　宇宙空間と桃色惑星平原で激戦が繰り広げられてる最中。
　激戦そっちのけで、響タルトはトカゲックス戦艦内で自分の世界を楽しんでいた。
「副官、敵司令官から通信が入りました」
「通信が入ってる？　わかった、伝えるね」
　というが、トカゲックス士官が伝えたことまんまではなくＢＬ脚色して。
　通信を伝えられた戦艦乗組員が「何コレ？」という顔に。
　これが地球の通信手段かと感心している者もいるが、これ違うから。

「副官、真面目に業務を行ってください」
　タルトに注意したのはナイスバディな女性型トカゲックス。乗組員いわく、彼女は優秀な女性士官とのこと。
「んー、優秀なら司令官付きより事務方を頼みたいな。僕もＢＬ友達欲しいし、こっそりお話しようよ♪」
「ＢＬ、とは何でしょうか。詳しくお聞かせ願いたいものです」
　未知のワードが気になった女性型トカゲックスは、タルトからＢＬが何かをたっぷり教えてもらうことに。
　腐女子ならぬ腐トカゲックス第一号の誕生の瞬間……か？
「地球の文化を教えてくださり、ありがとうございます。今度はこちらの文化をお教えしましょう」
「うん、教えて」
　トカゲックスの文化はわかったが、話が長そうなので「十分わかった、ありがとう！」とタルトは走ってその場を去った。

　宇宙人のＢＬ友達逃がしちゃったとタルトが戦艦内を走っていると、１匹のトカゲックスにぶつかった。
「大丈夫ですか？」
　起こしてくれたのは優秀そうな美形士官。
「トカゲだけど美形士官がいる？　キタコレ！」
　司令官付きにしてべったり仲良くしてもらおう♪　と画策するが、白真白が司令官なのを忘れていた。
　僕が副官だから、副官付きでいいかな？
　そんなことを考えていると「真面目に仕事をしないなら降格しますよ」と言われた。
「……え？　仕事しないなら降格する？　失礼しちゃうなあ、僕、役に立ってないと思われてるんだね」
　それなら敵陣営（のＢＬ）を視察すべく、和平交渉に行ってくる。
　と言ったのはいいが、敵陣営がどこにあるかわからないし、戦闘機等の操縦もできない。
「僕を敵陣営に連れて行ってくれない？　和平交渉がしたいんだ。お願い」
　両手を合わせて頼まれては断れそうもない。士官は、ようやく仕事をする気になったと思い協力することに。
「敵陣営は桃色惑星にあると聞いています。そこに連れて行きます。交渉はお任せします」

　トカゲックス戦艦と宇宙空間戦闘区域から離れた場所に、目的地の桃色惑星がある。
　桃色惑星上空に接近した時、１機の偵察用飛行機に出くわした。
「キミ、カエル側の人？　僕は響タルト。トカゲックスの副官だよ」
　通信越しに聞こえた声が女性であることに驚きつつ、獅子唐ケンジは惑星の調査をしていますと返した。
　カエリアンに飛行機を操縦してもらっていることを付け加えて。
「キミも操縦してもらっているんだ。カエル陣営がどこにあるか知らない？　和平交渉に来たんだけど」
　和平交渉、という言葉に操縦しているカエリアンがピクッとなった。
「攻め込んできたのではないのですか？」
「さっきも言ったけど和平交渉だよ。ＢＬ友達増やしたいし」
　和平交渉は確かなようだとに思ったカエリアンは「陣営にご案内します」とタルトに伝えた。

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