スペース・ウォーズ！｜リアクション

スペース・ウォーズ！

●その他勢力と単独調査隊

「カエルとかトカゲなんざ下等生物ですよ。偉大なのは哺乳類！　マンモス最強！」
　戦争なんてさっさと終結させるべきと大江戸マンモスは腕を組み、カエリアンとトカゲックスの戦いを見る。
　なぜ自分が宇宙にいるのかさっぱりわからないが、大まかな状況を理解したマンモスが所属する陣営はカエリアンでもトカゲックスでもない。
　自身が築き上げた毛むくじゃらな生物がたくさんいる軍事大国、名付けて『銀河毛むくじゃら帝国』だ。
　直径１２０キロ相当のマンモスっぽい型の動く要塞の超巨大宇宙戦艦『ぎゃらくしー☆まんもす』の司令官として、乗組員や戦闘員を指揮すべく乗り込んでいる。
「やるからには勝利あるのみ！　私に任せろです！」
　カエリアンとトカゲックスの戦いぶりをじっくりと見て、マンモスはどう攻めようか考える。
「司令官、ご指示を」
　身長２メートル以上ある毛むくじゃらな先住民族っぽい乗組員がマンモスに指示を仰ぐ。
　横合いから殴り込みをしかけるです！　とワープから強襲する戦術で猛攻といくことにした。
「さあ戦争の時間だ！　地獄を作れ！　各員はその義務を全うせよ！」
　ワープ開始！　と指示し、戦場近くまで一気に移動。
　ぎゃらくしー☆まんもすは攻撃に備え、圧倒的な重装甲と超火力を誇るまんもすミサイル、まんもす対空レーザー、まんもすビームを動かす。
「オープンコンバット！　全武装一斉射！　下等生物共を駆逐し蹂躙し撃滅せよ！」
　カエリアン、トカゲックス両軍は、ぎゃらくしー☆まんもすの容赦ない攻撃の餌食に。
「最強の陸生哺乳類こそマンモス！　トカゲもカエルも小さい小さい！　ただ等しく踏み潰されるのみ！」
　カエルは両生類、トカゲは爬虫類なのだが気にしないように。

「何てことだ、ここは地球だったなんて！」
　桃色惑星の平原のはずれにいる獅子唐ケンジは、崩れかけの自由の女神みたいな像を見て宇宙かと思っていた場所が地球であることに驚いた。
　だが、腑に落ちないことが。
　なぜ地球であるはずの惑星が、地球に似た未知の惑星なのか。
　宇宙服を着ていないのに、なぜ普通に呼吸ができ、自由に行動できるのか。
　離れた場所で戦闘を繰り広げているカエルやトカゲに似すぎている容姿の宇宙人が地球人を知っているのか。
　現に、彼の側には１匹の小柄な二足歩行のカエル型宇宙人がいる。

　ひとつだけ、それらを説明できる説が。すなわち、今、ケンジがいる桃色の惑星は地球の未来の姿。
　何か取り返しが付かない事が地球に起きてしまい、地球人は種の保存のため遠い星に送り出された。
　そして、進化して帰ってきたかつての地球のカエルとトカゲだろうということ。
　そう考えると桃色の雲は地球環境を癒すための超科学システム、もしくは地球に起きた災厄そのものではないかと想像できる。
　外れてほしい自分の想像が合っているのか確めるべく、ケンジはカエリアンに小型飛行機を貸してほしいと頼んだ。
「何をするのですか？」
「特徴的な遺跡等を探しに行きます。僕の嫌な予感がもし当たってしまったら、地球人同士で力を合わせなければなりません」
　そのために、あなたが乗ってたと思しき偵察用飛行機を借りたいと説得した。
「わかりました。我々の戦力になると約束してくれるのであればお貸ししましょう。２人乗りですので私も同行させてください」
　博愛主義なケンジは争いを好まないが、調査のためとその約束を守ることに。