スペース・ウォーズ！｜リアクション

スペース・ウォーズ！

●トカゲ型宇宙人サイド・戦艦内

「ここはいったい……って宇宙！？」
　トカゲ型宇宙人トカゲックス達に囲まれた白真白は、こういう宇宙人がいるのねと周囲を見渡す。
　そんな真白がいるのはトカゲックス戦艦のブリッジ（船橋）だった。
「司令、我々にご指示を」
　トカゲにしては端麗な容姿なトカゲックスのひとりが、真白に指示を仰いだ。
「ここは宇宙船のブリッジ……で、私は司令と……なるほど、理解した！」
　要するに、真白の指揮でこの戦いを勝利に導けばいいのだ。
「任せてよ、戦略シミュレーションゲームならいろいろやってきたんだから！」
　ゲームで鍛えた腕が鳴るよ、と敵たるカエリアンの状況をトカゲックスに聞く。

　戦力と戦艦の数は双方だいたい同じくらいだが、トカゲックス側が少し多く、やや優勢な状況だという。
　頭上のホログラムモニターには、桃色の雲が渦巻く美しい星を巡っての戦争の様子が映し出されている。
　前方では戦艦や戦闘機、様々なロボットが混戦中で、本陣として真白が搭乗している戦艦との間も含めた戦艦の部隊が後詰。
「状況としては、こっちが優勢と。ふむ、ならこのまま押し切っちゃおっか」
　優勢な状況にあるなら、下手に動いて流れを変えても悪い。
　だが、いざという時の対策くらいはしておかねば。
「見た感じ、混戦中の戦艦は上下方向に射角を付けてないみたいだね。本陣の部隊、少し下降して」
　さすが聡明な地球人、と真白に事情を話したトカゲックスが感心する。

「銀河の歴史がまた１ページ！　ロマンだよね～☆」
　戦争よりＢＬ展開を楽しみたい響タルトは、自分では司令官は務まらないからと副官となることに。
　スペースオペラはワクワクするが、カエルとトカゲ、どっちがいいかなあ……と悩んでいたが、強いていえばトカゲのほうが格好いいかな？　ということでトカゲックス側についたのだった。
「トカゲハルトさま、司令官と共に宇宙を手にお入れください！」
　トカゲハルトと呼ばれた容姿端麗トカゲ型宇宙人は、なぜ自分の名前を知っている！　と驚いた。
（本当にそういう名前なんだ。ここにいるトカゲの中では超絶美形だから、周りからの視線が熱いよ♪）
　タルトの目的は、いろんな士官とのカップリングを想像すること。
　抱いているイメージは、遠未来の銀河系を舞台とした常勝の英雄と紅茶好き司令官な世界。
　想像することは楽しいが、それだけではつまらないと好みのシチュエーションをお膳立てすべく動き始めた。
　実際には二足歩行でタルトより少し背が低めな種族だが、擬人化フィルターを通して見ると選り取り見取りなイケメン揃い。
　女性型トカゲックスもいるのだが、タルトにはすべてイケメンに見えている。
　そんな中、１匹のトカゲックスが誰かを探しているようだった。
「参謀に相談がある？　あの部屋に入っていくのを見ましたよ。人払いしておきますね～」
　ささ、どうぞ、とトカゲックスをある部屋に入れる。人払いをすると言っておきながら、タルトはこっそり覗いて様子を窺っている。
　冗談で言ったのだが、部屋には本当に参謀らしきトカゲックスがいたので驚いた。
（カオスな展開、絡みが楽しめそうだね～☆）
　今後のＢＬ展開がどんなものになるのかとタルトは期待に胸膨らませ更なる行動に出た。

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