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寝子島ハロウィン☆デイズ!《寝子暦1370年版》
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手を繋いで歩いて行く衛と由貴奈の姿を大きく広がって重なり合う熱帯植物の葉陰から偶然見かけ、彰尋は肉球つきの手で狼耳の頭をごしごしと掻いた。ふたりの邪魔をしないようそっと息を潜め、おばけ探しに専念する。
椰子の葉に結わえ付けられた紙の蝙蝠飾り、温室の硝子に貼り付けられた踊るおばけのシール、鉢植えを彩る茸のピックと周りで踊る小人たち。遊び心満載で飾り付けられたハロウィン仕様の温室を興味深く鑑賞しながら、陶器の人形を探す。
(小人のようにこっそりと隠れているのかな)
巨大な団扇サボテンの根元、『すきまをのぞいてみて』と書かれた小さな小さな看板を見つけ、棘に気を付けながらしゃがみこんで覗き込んでみて、
「えっ」
「わっ」
道の向こう側から同じように覗き込んでいた栗色の髪の女の子と目があった。
「あおいさん?」
「彰尋くん?」
蝙蝠の翼に仮面をつけていても間違えようのない片思いの相手、
七夜 あおい
と思いがけず鉢合わせ、彰尋は思わず瞬きを繰り返す。そうしてからふたりほとんど同時に、
「トリックオアトリート」
「トリック・オア・トリート!」
ご挨拶。
団扇サボテンをぐるりと回り込んできちんと顔を合わせ、あおいは南瓜お化けのかたちした容器から飴玉を取り出して彰尋に差し出した。楽しそうなあおいの様子が嬉しくて、彰尋は用意していたカップケーキを渡すことを一瞬忘れる。
そうしてからふと思いついた。もしお菓子がないって言ったら、彼女はどんな悪戯をするのだろう?
「お菓子、持ってないんだ」
出来心のままに口にすると、あおいは不意を突かれたような顔をした。うーんとしばらく首を捻って考え込み、悪戯っぽい顔でひょいと手を伸ばす。小さな子どもにするように鼻を軽くつままれ、彰尋はどんな顔をすればいいのか分からなくなった。
「……本当は持っていたんだ」
ごめん、と素直に謝り、手作りのカップケーキを差し出す。
「わ、美味しそう!」
くすくすと笑ったあおいは、悪戯のお詫びにと南瓜おばけの陶器人形を彰尋の手に握らせる。
「でも」
「結構たくさん見つけちゃったから」
まだまだいっぱい見つけようね、とあおいは花のように笑い、ひらひらと手を振って緑の向こうへと駆けて行く。その背中に揺れる蝙蝠の羽に手を振り返し、彰尋は摘ままれた鼻先を指先で引っ掻いた。
掌の中に納まった南瓜おばけの人形もついでに突きつつ、思うのはただひとつ。
(……楽しそうで、良かった)
南瓜のかたちした容器の中には、飴玉にクッキー、それから彰尋からもらったカップケーキ。
気づけばいっぱいになっていたお菓子用の入れ物に、あおいはくすりと嬉しい笑みを零す。
「あおい」
声を掛けられて顔をあげると、そこに立っていたのは吸血鬼の格好をした
八神 修
。
「修君」
お菓子が嬉しくてひとり笑いしていたのを見られたかと頬を赤くするあおいが、蝙蝠の翼をつけたあおいがとてもとても可愛らしくて、修は元より微笑んでいた顔をますます笑み崩した。
「とても可愛くて似合っている」
「あはは、またまたー」
「本当だ」
真摯な声音で真剣に褒められ、あおいは頬を赤くした。照れて俯くあおいに、修はちょっぴり芝居じみて手を差し伸べる。
「俺は吸血鬼、丁度良いペアだ」
それじゃあ、とあおいも芝居じみた声音で応じた。
「お供いたします、吸血鬼さま」
言ってから堪らず噴き出すあおいと笑い合い、ふたりは温室を一度脱け出す。手にするのは、パーティ会場で振る舞われているノンアルコールの葡萄ジュース。
「素敵な夜に」
乾杯のあとは元通りにおばけ探し。温室だけでなく園内にも隠されたおばけを探し、ふたりはあちらこちらを歩き回る。
「植物の陰というのが隠れ易くて定番かな」
「そうだね」
ローズマリーの茂みを掻き分け、根本をふたりで覗き込む。
「……ないな」
「ないね」
揃って顔を上げようとして、間近で視線がぶつかった。ドキリとして思わず動きが止まる。間近に見つめ合うかたちになって、修は常ならず内心に酷く焦った。
(近い、近いよこれ)
人形あったよ、と照れ隠しに示して見せられればいいものの、見つけられていない状況ではそれもままならない。
(どうしたら)
照れて焦るあまり身動きが取れず停止状態に陥る修に、あおいはぱちりと瞬きひとつ。小さく息を整えると同時、えいやっとばかりに立ち上がる。
「修君」
ふんわり笑って男前な様子で手を差し出され、修はなんだか一層どきどきしてしまった。あおいは時々、可愛らしい佇まいに反してとても漢らしい。
あおいの手に手を重ねて、けれどあおいに体重を掛けずに立ち上がり、
「あ」
修は頭上を指し示す。
「あった」
「あったね」
背伸びして手を伸ばせば届くライラックの樹の枝、引っかかる格好で隠れている三毛猫の陶器人形に、ふたりは一緒に手を伸ばした。ころんと転がり落ちた三毛猫を咄嗟にふたりでキャッチして、声を上げて笑い合う。
「まだ居るかな」
「いるといいね」
同じ仕草で樹を仰ぎながら、修はそっとあおいを見つめる。
「たくさん見つけたいな」
「そうだね」
仲良く連れだっておばけ探しに興じる若者たちの背中を一眺めし、ティオレはひとり、うんうんと頷く。
(いいね、愛しとくといいさ、若人)
見た目は二十歳程度であっても、星幽塔の住人の本当の年齢は見た目とは違う場合も多い。当年とって八百八十九歳な本業盗賊のお姉さんは大股にのんびりと温室の小径を辿る。
(暇つぶしにはなりそうだねえ)
仮装パーティの会場で適当に料理をつまみ、腹もある程度満ちた。となれば、遊んでみるのも悪くはない。元より宝探しには慣れている。
叢の影に樹の根元、意味深に置かれた人形の奥。神経を研ぎ澄ませて目当ての陶器人形が隠されていそうな場所を散歩がてらに探してみれば、ほどなく色鮮やかな花を咲かせる植物の根元に小さな黒猫の人形を見つけた。
ひょいと拾い上げ、ぽんと放る。ぱしり、と軽く受け止めた手の先、前後に歩く背の高い少女と海藻のような頭をした少年の姿。
くすり、ティオレはまた笑う。
(愛しとけ、そしたら何かいいことあるだろうさ)
ティオレの呟きを耳にしたかのように、碧南は小さく瞬いた。夏の海で見かけたことがあるような女性とすれ違い、記憶を辿ろうとして、前を歩く洋二の背中に視線がぶつかった。途端に探そうとした記憶が吹っ飛ぶ。
(二人っきり……)
何十回目かの言葉が胸の中をぐるぐると巡る。
(どうしよう……!)
思わず無意味に周囲を見回したくなる。洋二から距離を取ってみたり、逆に肩が触れるほど近づいてみたり。うっかり見惚れてしまったり、大きく視線を逸らしてしまったり。ともすれば挙動不審に陥ってしまいそうな自分をどうにかこうにか懸命に堪え、碧南は必死におばけを探す振りをする。そこには先ほどまでのコケティッシュな小悪魔バニーはもういない。
「羽生くん」
「ははははいっ!?」
裏返る声を抑えて返事をすれば、不思議そうな顔をしながらも洋二が指し示す鉢植えの傍、ふたつ並んだ猫の陶器人形。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
55人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月28日
参加申し込みの期限
2019年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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