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寝子島ハロウィン☆デイズ!《寝子暦1370年版》
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腰まである長い金髪と白いうなじは黒いショールで覆い隠して、身体に纏うは黒いドレス。黒いブーツの踵に芝生代わりのカモミールを踏み、
ユリーカ・ナントカ
は肘に提げた籠から特製のりんご飴を取り出してみせる。
ちょっと作り過ぎて困っていたところに、仮装してお菓子を配るイベントがあると小耳に挟み、
──素敵、ぜひ参加しましょう
と、星幽塔から寝子島までやってきた。
(調べたところによると、りんごのお菓子といえば魔女なんだそうですが……)
だから手持ちの衣装で魔女ぽく装ってみたのはいいけれど、
「そこのあなた、りんご飴はいかが?」
お菓子がたくさん入った籠を抱えた赤い頭巾の子どもに差し出しては怯えたように後退れ、
「りんご飴どうですか?」
お姫さまのようなドレスを着た子どもにはとんでもないとばかりに引きつった顔で全速力で走って逃げられ、
「あの……りんご……」
とっても美味しいはずのりんご飴を手に、魔女の恰好をしたユリーカはちょっぴり途方に暮れる。
(手持ちの衣装でそれらしくしてみたつもりだったのですが……)
もしかしたら魔女っぽく見えないのだろうか。
もしかしたら何か場にそぐわないことをしてしまっているのだろうか。
自分の名前以外は全て忘れてしまっている星幽塔の住人は空色の瞳に金色の睫毛を伏せる。りんごのような香のする草の上にしゃがみこみ、ちょっぴり泣きべそをかきながらよくよく周りを見てみれば、ローズマリーの生垣には蝙蝠やお化けのオーナメント、セージの周りには黒猫の飾り。訪れたハーブの庭にいちばん多く飾られているのは、オレンジ色して笑うお化けカボチャたち。
(カボチャのイベントなのかしら……)
小さいながらよく整えられた庭を彩るどれもこれも、りんご飴には『入れて』いない。
(私、間違えたみたいです)
謎の素材をたくさん練り込んだキャンディを得意料理とするお姉さんは涙目になる。
「どうしたの?」
淑やかでありながらどこか艶めかしい声をへたりこんだ頭上から降らせられ、ユリーカは金糸の髪を秋風に揺らして頭をもたげる。無垢な姫君が如きまなざしの先に立っていたのは、──うなじに揃えた栗色の髪には紅い角、大胆に露出した肩甲骨には蝙蝠の羽、尖がり尻尾の生えたハイレグから伸びるすらりとした脚には網タイツにエナメルのハイヒールな、悪魔なバニー。
「あら、あら、……あら」
自分よりも年下の少女に見えて自分よりも大人っぽく艶っぽい小悪魔な少女の姿に、ユリーカは思わず口元に手をあててあらあらと繰り返す。
「何かお困り?」
どこかのお嬢さまのようにも見える金髪の女性に向け、小悪魔バニーな格好をした
羽生 碧南
は色っぽく小首を傾げてみせた。
いつもであればこんな格好、恥ずかしくて決してしない。しない、ではあるけれど、実は去年、先輩方から『罰ゲーム』と称して着せられた。挙句ハロウィンデイズな町に飛び出させられた。最初のうちはうずくまってしまいたくなるくらいに恥ずかしかったが、慣れというのは恐ろしいもの。気づけば妙なスイッチが入って格好に似合うなりの言動をしてしまっていた。
──さすがに今年はそんなことないよね
思っていたのも束の間、三年の先輩方は一年生たちにしっかりと伝統を受け継がせていた。その一年生たちの手により、知らぬ間に包囲網を構築され、気が付けば碧南は去年と同じに小悪魔バニーの姿でハロウィンに賑わう街を歩く羽目になっていたのだ。
──どうしてこうなった!?
長身に童顔な小悪魔バニーは、仮装した人々が闊歩するハロウィンデイズの寝子島でも目立つ。人々の視線を浴びて歩くうち、碧南は去年と同じように小悪魔バニーとして再覚醒した。つまりは妙なスイッチが入ってコケティッシュな小悪魔バニーモードに突入した。
そんなわけでいつもよりぐっと艶めかしいまなざしをりんご飴を持つ魔女なユリーカに向けつつ、碧南はくすりと笑う。
「毒林檎ね」
「えっ」
「魔女と言えば毒林檎よね」
白雪姫を知らないままに魔女の格好をして林檎飴を配ろうとしていたらしい外国の女性に、碧南は物語を手短に語って聞かせる。
「あら……」
あれってそういうお話でしたの、とユリーカは半ば呆然として呟いた。
「あら……それでは誰も受け取らないはずですね……」
ショックを受けているらしい魔女に、小悪魔モードとはいえ元より人懐っこい碧南はイベント会場である『ねこの庭』の温室カフェの一角に今日限りに用意された特別衣装室まで案内する。
「そうですね、衣装を変えて再挑戦です!」
「その意気よ」
お礼にと手渡されたりんご飴をありがたく受け取り、碧南は小さなハーブ園で行われている仮装パーティ会場へと一足早く向かった。
「おや、羽生君」
声を掛けられて振り返ってみれば、燕尾服にシルクハット姿の
鷹取 洋二
。
「っ、鷹取先輩……」
「今年も悪魔バニーかい?」
大胆に露出した胸元に気をとられた風もなく、碧南が好意を寄せる先輩はいつも通りに飄々と笑う。
「え、ええそうなんです、バスケ部の先輩とか後輩が……」
碧南はドキリと跳ねる心臓を拳でぎゅっと押さえる。先程までの色艶はどこへやら、しどろもどろになって応じる。我ながら情けないとは思えど、この胸のドキドキはどうしようもない。
去年は先輩のことを意識もしておらず普通に喋れたというのに、先輩のことを好きだと気づいた今は、小悪魔バニーな格好がとっても恥ずかしい。動じて居ない先輩がちょっぴり恨めしい。
「そこのあなた、りんご飴はいかが?」
しどもどと話をする碧南の背後から、今度は民族衣装風ドレスに衣装替えしたユリーカが顔を覗かせた。魔女から白雪姫へと変身したユリーカに、碧南は頬を緩ませる。
「今度こそ受け取ってもらえますかしら?」
「うん、きっと」
頷きあう女子ふたりを不思議そうに見、洋二はそれではと紳士らしく一礼する。
「頂くよ」
ユリーカから貰ったりんご飴をふたりで齧ってみれば、りんご飴らしからぬピリリとした刺激的な味が舌に触れた。不思議な爽快感と共に鼻に抜けて行く香に、碧南と洋二は揃って首を捻る。
「私の手作りで、自信作なんです」
「ええと、材料は?」
不思議な味がしながらも食べる手の止まらぬりんご飴を口にしながら、碧南はそっと問う。ユリーカはうふ、と楽しそうに笑う。
「りんごとお砂糖と、……秘密です♪」
「りんご飴はいかが?」
可愛らしいお姫さまのような民族衣装風ドレスの女性に声を掛けられ、
ティオレ・ユリウェイス
は結い上げた栗色の髪を揺らして振り返った。
「ああ、……」
露出多めのパンクファッションのような速度重視の盗賊のような服装で、ティオレは海色の瞳を軽く細める。
星幽塔に暮らしていると、たまにこうして不意のタイミングで寝子島へと『飛ばされる』。とはいえこうして異世界を訪れるのももう何度目になるのやら。数えるのも面倒くさいくらいに『飛ばされる』うち、それ自体にも、星幽塔と違う寝子島の風土にも随分慣れた。
──この前の水着コンテスト以来か
結構経つね、と季節が移ったらしい街を歩いていて、町を歩く人々の奇妙な様子に気がついた。星幽塔の人々とは違う格好をしているのはいつものことと言えど、今回はいつも以上に道行く人々が妙な格好をしている。
面喰らいながらも歩き回り、道行く人々の話に耳を立てて情報を集めてみれば、今日はどうやら『ハロウィン・デイズ』と称した祭りの大詰めの日らしい。
──これまた、妙な祭りをしているねえ
内心に思いながら、納得する。いつもはナニカの力が働き、こちらの人々と似たような衣服となるのに、今日は星幽塔での盗賊稼業時の服装のままであるのは、どうやら『ハロウィン』なるお祭り騒ぎの中では単なる『コスプレ』のひとつとして認知されるがためらしい。
──わ、カッコイイ! 何かの映画のコスプレですか?
こちらのなりを怪しむでもなく、目を輝かせて聞いて来た少女の言葉を思い出し、ティオレはまた少し笑んだ。少女から教わった祭りの言葉を口にしてみる。
「トリック・オア・トリート、だね」
「あら、そういう合言葉もあるのですね」
うふ、とどこかのお姫さまじみて優雅に笑うユリーカからりんご飴をもらい、ティオレは適当に人の流れに沿って歩いているうちに辿り着いた小さな庭園を見回す。島をあげての祭りとあって、ここも人が集まるパーティの最中であるらしい。
(……あの子も星幽塔の住人かねえ)
ひとの姿をしていながら、どこかしら寝子島の住人とは違う雰囲気を感じられるのは、ティオレもまた星幽塔の住人であるるがためなのかもしれない。
(まあ、お互い『ひと』の見た目と同じなのは幸いか)
異郷にあってその地の住人から違和感を持たれないのは色々とやり易い。強いて言えば、『ガイコクジン』に見られがちではあるものの、大した問題ではなかろう。
問われればアメリカという国から来たと応じることにしている星幽塔の住人は手にしたりんご飴を矯めつ眇めつする。先程の魔女のようなお姫様のような子から貰ったこれはまさか毒ではあるまいが、何となし、盗賊の第六感的に食べるのを躊躇うものがある。まさか害があるわけもないだろうが、とりあえずは食べずに取っておくとしよう。
ハロウィンの言葉を教えてくれた少女からも、人の流れの中に歩くうちにも、これをどうぞあれもどうぞとお菓子に始まりおばけのアクセサリーにかぼちゃのランタン風の容器まで貰ってしまった。
(荷物がかさんできたな)
貰い物で溢れつつあるかぼちゃのランタン風容器にりんご飴を入れ、ティオレは町と同じように黒とオレンジの飾りで彩られた庭を見回す。
夕陽の色に包まれ始める祭りの庭の央、お菓子や茶器の並ぶ幾つものテーブルや椅子を前に、優雅なかたちした弦楽器を携えた女性がひとり、立つ。
(去年のハロウィンは、りさちんが病気療養中だったっけ)
ヴァイオリンを手に、仮装した人々の拍手に迎えられながら、
深林 真瞭
は植物園に漂うローズマリーの香を胸に満たす。
(……それと)
かつて己が所属していた交響楽団での内紛が表面化した時期でもあった。
あれから、一年が経っている。
長くて辛い、色々なことがありすぎた一年だった。
(りさちん)
去年の今頃は、親友であり寝子島総合病院に勤める内科医でもあった
深倉 理紗子
が病気療養のため、真瞭が寝子島滞在時に起居している星ヶ丘のマンションで共に暮らしていた。それほどまでに、ふたりの距離は近かった。
きっかけは、ほんのささいなすれ違いだった。それがいつの間にか修復困難なほどの亀裂となってふたりの前に広がった。その当時を思えば、今も胸が痛くて堪らなくなる。
親友との間に開いてしまった距離に悩む間にも、内紛が起きた楽団内での己の状況は悪化の一途を辿り──楽団に退団を申し出たのは、先月のこと。
残務処理等で何度か楽団に顔を出しもしたが、それもつい先日までのこと。ようやく終わりを迎えた己の長い戦いは、楽団の面々とのやりとりは、けれどもう思い出したくも無かった。
(もう、終わったことよ)
ともすればふさぎこんでしまいがちな心を小さく蹴り飛ばし、真瞭は愛器であるヴァイオリンを手に仮装した人々の明るい笑顔に向けて一礼する。
(私は、ヴァイオリンを弾いていたいだけ)
星ヶ丘植物園『ねこの庭』での夕空演奏会に招かれたときは、だからなんだか嬉しかった。退団後初の仕事がささやかなパーティであることが、今の自分にはとても良いことのように思えた。
拍手に迎えられ、ヴァイオリンを奏でる。
ハロウィンパーティの雰囲気に沿った賑やかで明るい曲、誰もが知るようなコミカルな曲、かと思えば夕空の光のように明るくもほんの少し寂しく懐かしい旋律の曲。
既存の曲や自分自身が用意していたオリジナルの曲を奏でてゆく。
(……うん)
暮れて行く空に響く己の音に、真瞭は瞳を細めた。
(月見の宴会のときもそうだったけど……)
楽団の張り詰めた空気の中で、いつ触れるか分からない地雷にびくつきながら奏でていたときよりもずっと、音が良くなっている。
茨の縛めから解き放たれたかの如く、音が煌いている。音を奏でる喜びが音色に溢れている。
大きな拍手にお辞儀して、顔を上げる。楽し気な人々の顔を見回し、つられて笑う。
(そういえば)
奏でた後、こうして人々の顔を眺めやることも、最近は忘れていたように思う。楽団内から噴き出す内紛の焔にばかりまなざしが向いてしまっていた。
(……ごめんね)
手にした愛器たるヴァイオリンにも詫び、拍手に送られて夕空演奏会の場から一度離れる。
石畳の隙間にカモミールが植えられた道を辿る。白雪姫が魔女のように配るりんご飴をもらったり、ファンタジー世界に出て来る盗賊風の衣装に身を包んだ精悍な印象の女性からお菓子を貰ったりしながら仮装パーティの庭を散策する。小さな庭を一巡りして戻ると、
「……あ」
先程まで己が演奏していた会場の端の端、淑やかなシスターの格好をした理紗子の姿を見つけた。そういえば演奏中にも仮装した人々のうちにシスターの姿は目に入っていたけれど、それがまさか理紗子であるとは思いもよらずにいた。
(非番だったのね)
おそらくは温室カフェに特設の衣装室で、店員あたりに選んでもらったのだろう衣装を身に着け、理紗子はどこか所在なさげに立っている。
(似合っているけれど、)
遠目に理紗子の姿を見つめ、真瞭はくすりと笑った。
(困った顔をしているのは減点……かな)
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
55人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月28日
参加申し込みの期限
2019年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月05日 11時00分
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