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寝子島ハロウィン☆デイズ!《寝子暦1370年版》
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(信乃さんの足音!)
窓の外から聞こえる軽い足音に、
鴉取 荘助
は緋色の瞳をキラリと輝かせた。
「御免!」
戸を開き、元気いっぱいの声を響かせ、廊下を駆けて来る──
(信乃さんが来た! 来た来た来た!)
好きで好きで大好き過ぎて、一緒に居たくて高校を二年留年した幼馴染、
小犬丸 信乃
の愛しい足音に、荘助は顔には一切出さずに胸を高鳴らせる。うずうずする心を動作に微塵も露わにはせず、
「荘助! とりっくおあとりぃとでござる!」
部屋に押し掛けてくるなり主張する信乃を、出来る限り落ち着いた仕草で、柔らかなにこやかな笑顔で迎え入れる。
「今日はハロウィンですもんね」
出会い頭のトリック・オア・トリートにも動揺しない。寝子島はハロウィンデイズも最終日、信乃がいつどこからハロウィン行事を聞きつけて来ても大丈夫なように、お菓子は作っておいた。
(それはもうバッチリと!)
何度言われても問題ないくらい、大量のお菓子を夜なべしてせっせと手作りした。信乃の可愛い笑顔を思い浮かべながらひとつひとつ丁寧にラッピングした。
「はい、どうぞ」
お菓子を詰めた箱の中から手作りクッキーの小包を取り出す。わくわくと両手を揃えて差し出す信乃のキュートさに内心で悶絶しながらそれは決して表に出さず小包を掌に乗せてやる。
「おお! この呪文を唱えれば菓子が貰えるというのはまことであったか!」
途端に輝く信乃の顔に、荘助はうっかりごくりと生唾を飲む。腹の底から零れてしまいそうな感嘆の溜息をどうにかこうにか押し隠す。
(最高にかわいらしい!)
貰ったクッキーの包みを宝物のように掲げてきらきらした目で眺める信乃の顔に見惚れる。かわいい。このひとはすべてがかわいい。
「はろぉうぃんと言うのは誠によい文化であるな!」
「そうですね、信乃さん」
「これは他のところでも試さねば」
「そう、……え?」
にこにこと頷きかけた顔が強張る。他の人間にこの絶対的に可愛いひとの超絶可愛いトリック・オア・トリートを聞かせるなどとんでもない。内心穏やかではいられない。
「然様なれば、荘助」
「信乃さん!」
わくわくと踵を返し早速『他』に向かおうとする信乃の肩を荘助はガシッと掴む。
「ハロウィンの作法って知ってますか!?」
口から出まかせの出鱈目で信乃を引き留める。
「……なに? 作法?」
「ちゃんと作法があるんですよ」
「この呪い言葉にも作法があったのか!」
足止めされたことに一瞬不満げな表情を浮かべるも、作法と聞いてすぐに真剣な顔をする信乃の無垢な瞳に荘助は心のうちでくらくらする。くらくらしながら大真面目な顔で神妙に頷いてみせる。
「それはすまなんだ」
「教えて差し上げますのでささ、中に」
信乃の肩を抱きかかえるようにしながら自室へと招き入れ、部屋の真ん中で正座して相対する。
「して荘助、その作法とは」
(ああっ、信乃さん相変わらず正座が凛々しい!)
「荘助?」
「いいですか、信乃さん」
生徒に教授する先生的な表情で荘助はぴしりと人差し指をたててみせる。
「正しいトリック・オア・トリートと言うのは仮装をする必要があるんです」
たった今思いついた出鱈目をまことしやかに口にする。
「なのでこれをどうぞ」
「……なるほど着替えればよいのだな」
嘘を真とすべく、荘助は後ろの箪笥からキグルミパジャマじみた狼の衣装を取り出して手渡す。この前商店街の服屋で見つけ、信乃さんに似合いそうだと思った次の瞬間には購入していた衣装だ。
「なかなか面妖な衣装だが」
「必要不可欠な作法なので」
ふかふか尻尾にわんわんお耳に肉球手袋までついた衣装を広げ、信乃は難しい顔をするも、すぐに荘助に向けて大きく頷いてみせる。
「すたんととは言え仮にも役者の端くれ、見事着こなしてみせようぞ」
言うなりすらりと立ち上がり、その場でポイポイと服を脱ぐ。信乃が脱ぎ捨てた服を素早く回収して畳みながら、荘助は信乃の薄く筋肉のついた胸の線やかたちのいい丸い尻を盗み見ては堪能する。
わんわん衣装に着替えた信乃は思った通りに可愛かった。
得意顔で振り返り瞳を輝かせる信乃は思った以上に愛らしかった。
(ああ~)
あまりの可愛らしさに床に突っ伏してしまいそうな自分を鼓舞し、荘助は部屋に常備している信乃さん撮影専用カメラを手にする。
(かわいい~最高ですよ~)
心の中で小躍りしながら前後左右にローアングル、素早く満遍なくわんわん信乃を撮りまくる。
「荘助、とりっくおあとりーとでござる!」
作法通りだろうと胸を張って、信乃はなぜだか少し銀の睫毛を伏せた。お菓子が貰えるのは一回きりだと思っているらしい。
「はい、トリートですよー、信乃さんー」
『他』ではそうかもしれないが、こと荘助においてはそれはない。むしろ『他』に向かわせるまじとばかり、荘助は夜なべして山のように作ったお菓子のひとつを取り出す。
「何!? まだでるのか!」
驚きながらも遠慮なく差し出される可愛い掌にぽんとのせてやる。途端、信乃は何事かを考えて黙り込んだ。
(もしかしてこやつ他にも菓子を隠し持っているのでは、って顔ですね信乃さん!)
信乃の思考を一ミリも違わず読み取りつつ、荘助は穏やかににこにこ笑う顔を崩さない。
「とりっくおあとりぃと?」
ちょいと試しに言うてみよう、と信乃が口にしたところで、すかさずポケットから取り出したお菓子の包みをさっと差し出す。臣下が王に宝物を捧げるが如く、恭しく信乃の手を取りお菓子を握り込ませる。
「やはり出てくるのか!?」
蒼い瞳をまん丸にする表情がとんでもなく可愛らしくて、荘助は緋色の瞳をうっそりと細めた。
「とりっくおあとりーと!」
「はい信乃さん」
「とりっくおあとりーと!」
「はい信乃さん」
どれだけ出し続けて来るのかという興味のままに『呪い言葉』を唱え続ける信乃の手に繰り返しお菓子を握らせ続けていて、
(……このまま無限トリートしてもいいんですけど~)
荘助はふと思いついた。
(やっぱせっかくだから)
「とり……」
「信乃さん、実はこの作法続きがあって!」
「……何?」
手に入れたお菓子を嬉々としてわんわん衣装のポケットに押し込んでいた信乃はぱちりと瞬きをする。作法の続きがあるとは知らず、うっかりと荘助の手作りお菓子に浮かれてしまっていた。
「これはしたり。荘助、早う作法の続きを」
慌ててその場に正座する信乃の前に自分も正座し、荘助は重々しく告げる。
「なんと五回言うごとに服を着替えなきゃいけないんですよ!」
「なんと……」
まん丸おめめで絶句した後、信乃はこくりと頷いた。
「それもしようならば致し方ない」
「ささ、これに」
荘助が部屋のどこからか取り出して来たのは、太腿がほとんど全部露出する小悪魔尻尾つきのショートパンツにお腹が半分出るどころか胸板までみえてしまいそうなくらいに短いタンクトップ。
(こんな攻めた服普通じゃ着せられないから)
どこで手に入れたのかは内緒な小悪魔衣装は、けれど見かけた瞬間にいつか信乃に着てもらいたいと購入していたとっておき。
ちなみにそんなとっておき衣装のストックはまだある。武将にナースにメイドにミイラ男、全部ぜんぶ、信乃のためだけに用意したとっておきだ。
「……ずいぶんと布面積の少ない服だ」
小悪魔衣装をぺろりと広げ、信乃は少しだけ躊躇する。しかしこれを着ればまたお菓子が貰える。荘助の手作りお菓子は美味しい。少しの躊躇など吹き飛ぶくらいに美味しい。
「ええいままよ!」
荘助に貰ったクッキーをひとつ口に放り込むなり、信乃はわんわん衣装を華麗に脱ぎ捨てた。
(眼福だ……)
魔法少女じみた衣装チェンジに荘助はうっとり見惚れる。それを悟られぬ間にカメラを構え、今度は連写で写真を撮る。
(ああ~ハロウィン最高)
「とりっくおあとりーと!」
「はい信乃さん!」
クッキーだけでは芸がない。用意したお菓子はお団子にブラウニーに、信乃を飽きさせないよう多種多様に用意している。
「とりっくおあとりーと!」
「はい信乃さん!」
五回唱えて五つお菓子を得、信乃は次の衣装に着替える。ちょっと疲れた。荘助の膝の間にちょんと座り、荘助の手でお菓子を口に運ばせる。
何処にこれほど大量のお菓子を隠していたのだろうとか、そういうことはとりあえず置いておいて、
「されば、荘助」
「はい、信乃さん」
「とりっくおあとりーと!」
「はい信乃さん!」
荘助が用意したお菓子と衣装が尽きるまで、幼馴染ふたりのお部屋ハロウィンは続いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
55人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月28日
参加申し込みの期限
2019年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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