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寝子島ハロウィン☆デイズ!《寝子暦1370年版》
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中折れ帽のリボンと三つ揃えのスーツのシャツや首に掛けたマフラーにもハロウィンカラーなオレンジをあしらった
加瀬 礼二
のその様は、一言でいえば『クラシカルなマフィア』。
「仮装と言うか……全く違和感がないですね」
礼二が読者モデルをしているメンズファッション誌のカメラマンにしみじみとそう言われ、礼二は切れ長の蒼い瞳を細めた。
「ふふ、誉め言葉として受け取っておきましょう」
優等生的な人当たりの良い笑顔を浮かべる容姿端麗な長身の読者モデルに、カメラマンの脇に立つ雑誌編集者が今回の広報活動の一環である動画配信についての概要を説明する。
「ハロウィンイベントの生中継、ですねぇ」
手短に説明を受け、礼二は柔らかな笑顔で頷いた。
仮装した客で賑わう植物園内を一通り巡り、園内のある温室カフェ『Oz』の女性店員と撮影の流れについて打ち合わせ、時間の余裕をもって生中継に備える。
「加瀬君がいると仕事がスムーズに進んで助かるよ」
「お役に立てて何よりです」
編集者の言葉を如才なく受けつつ、礼二はカメラマンの構える中継用カメラに向き合った。まずはハロウィンパーティを楽しむ人々と、夕空演奏会の場面から。
ヴァイオリンの音色をBGMに、ハロウィンパーティの賑わいを背景に、礼二は穏やかな笑顔と声音で雑誌名と番組名、それから己の名を告げる。
「そんなわけで今日は寝子島の星ヶ丘植物園──」
もとい、と悪戯っぽく中折れ帽を片手に取り、帽子を胸に当てて『クラシカルなマフィア』らしく小さなお辞儀をしてみせる。
「今宵は『ねこの庭』の温室カフェ『Oz』にお邪魔しますよ~」
カメラをレディに見立て、お先にどうぞとカフェの扉を開く。先に入ったカメラの向きを意識しながら、用意された席に腰を下ろす。
全面硝子張りの温室カフェの中でも、外の庭がよく見えるテーブルに掛け、編集者の合図に合わせて珈琲を届けてくれた女性店員に煌くような笑顔で礼を言う。
(……さて)
のんびり珈琲を飲みながら、ここから見えるハロウィンらしい光景や島中で行われている催しについていくらかトークをすれば、
(お仕事完了ですかね)
営業用の笑顔をカメラに──カメラの向こうの視聴者に向け、用意された台本を元に澱むことなく口を開く。
(退屈なバイトですねぇ)
華やかな笑顔を微塵も崩すことなく話しながら、内容に合わせてカフェの外へと視線を流して、
(おや)
礼二はだれにも気取られぬほどに僅かに、鉄面皮じみた笑顔を崩す。
賑々しいハロウィン色に溢れた庭園の中、景色に溶け込んでしまいそうな、だからこそ逆に目を惹く淡い色彩を纏った細身の少年の姿があった。
(おやおや、偶然とは怖いですねぇ)
特設の衣装室で借りて身に着けたのは、スート模様のエプロンと時計飾りにコルセットとぬいぐるみ。それから白兎の長い耳。
元は兵児帯のアレンジ物を締めた着物姿だったものの、
(エプロンとブーツだと洋風みが強くなるからね)
ならばいっそ、と温室カフェの一角に特設された衣装室で見つけたあれこれを身に纏って完全に和洋折衷なアリス風に仕立て上げた。
「にしても似合うなあ、ゆーちゃん!」
主に寄り添う大型犬じみて傍らに立つ
服部 剛
を仰ぎ、
弥逢 遊琳
はふわりと微笑んでみせる。
「アリスだか白兎だかだけど……」
ちょっとおかしな方がハロウィンっぽいというもの。
「ゆーちゃんがアリスやったら剛さんはトランプ兵やな!」
白と黒を基調とし、アクセントに市松模様を差し込んだ三つ揃えにリボンタイ、白黒半々の仮面を斜に被って腰に飾剣を帯びたトランプのジョーカーモチーフな仮装姿で剛は快活に笑った。
「臨時バイト、がんばろな!」
「『Oz』は一度来てみたかったところだもの」
臨時バイトとして働く側に立つのは想定外ではあったけれど、ハロウィンの準備に追われる店員はとても忙しそうではあったし、給仕の仕事は元より実家の甘味処で慣れている。
「頼りにしてるから」
蜂蜜色の瞳に控えめに甘く微笑みかけられ、剛は左右色の違う瞳を輝かせた。
「ゆーちゃんに頼られたら、剛さん張り切ってまうわ!」
接客バイトの経験はそれなりにある。それに世話になっている祖父母が営む画材屋『とらんぷ堂』の手伝いもしている。
(何とかなるやろ!)
『Oz』の店員から渡されたクッキーや飴やらのお菓子でいっぱいの籠を片手に提げてパーティ会場を歩けば、
「トリック・オア・トリート!」
「トリック・オア・トリートなのですー、お菓子くださいなのですー」
仮装した子どもたちにあっという間に取り囲まれた。
「おう、いらっしゃいやでー、お菓子あげよな」
ミイラやスケルトンのシャツを着た双子のちびっこたちに、猫耳をつけた黒猫じみた少女に、長い銀髪に純白のワンピース姿のおばけのような少女に。請われるままにお菓子を配ったり、店員に呼ばれて給仕の手伝いに走ったり。
楽し気に忙し気に会場と温室カフェとを行き来する剛の背中を目の端に捉えつつ、遊琳もエプロンの裾を秋風になびかせくるくると立ち働く。
張り切って働く剛の姿に、思わず頬が緩んだ。自分と同じ齢の男子を捕まえて、と言われてしまえばそうなのかもしれないけれど、人を甘やかすこと自体が己の癖。とはいえ、すっかり手綱を握った気でいると変なところで痛い目を見ることは身に染みている。だから程々にするつもりではいるけれど、ついついまるで我が子を慈しむが如く目の端で追ってしまう。
パーティ参加者用のスイーツビュッフェやカトラリーの補充をし、客に熱い紅茶やフルーツジュースを配り、テーブルの後片付けをする。
臨時バイトとはいえ、盛況なパーティの給仕は一息吐く間もなく忙しい。
(営業終了後にお茶一服くらいは許されるかな)
でもその頃には夜も遅くなっているだろうか。頭の片隅にそんなことを考え考え仕事をこなすその最中、──温室カフェ『Oz』の店内に、こんなところで見るとは思ってもいなかったひとの姿を見つけた。
「な、」
剛の姿を追うことも一瞬忘れ、遊琳は思わず立ち竦む。
「……珍しい」
彼がこんなところに来るとは、思ってもいなかった。その思ってもいなかった『彼』の姿に、思わず瞳を瞠ってしまう。心臓が思いがけず強く鼓動を打ってしまう。
けれど、彼がここにいる、その理由を問うのは野暮なこと。
(『お客様』の事情を詮索するのはマナー違反だもの)
自身にそう言い聞かせ、胸の内に立つ漣を凪がせようとしていて、
「……なーんか、見えへん奴やなあ……」
視線を追い続けていた筈の剛に、己の視線を追いかけられていた。
知らぬ間に傍らに立ち、その装いと同じ白と黒の瞳を胡乱気に細める剛を仰ぎ、遊琳は瞬きを繰り返す。剛が視線に捕える、金髪の『彼』。
「ただの知り合いだよ」
「……へえ、そうなん」
『彼』もきっと、こちらの姿に気づいている。だって、こちらを真直ぐに見て、──誰に向けるでもなく、こちらに向けて。こちらを見つめて、『遊琳』にだけ、微笑んで見せた。
極力普通に仕事を続けようとしていた心が揺れる。向けられた笑みの色が違うのが判るから。判ってしまったから。
(そう言うけど、ゆーちゃん)
指先ひとつにも動揺を滲ませず、卒なく仕事をこなしに戻る遊琳のどこか線の細い背中を眺めやり、剛はほんの少し息を詰まらせる。遊琳の反応は、あの金髪の男が『ただの知り合い』ではないと示している、気がする。
すぐに頭を過ったのは、いつか、神魂の影響で見てしまった不思議な『夢』のこと。己と遊琳と、もうひとりで閉じ込められた『箱』の中、脱出のために互いに語らざるを得なかった『秘密』のこと。それから、己の手を握っていてくれた細い指と小さなてのひらの熱。
──……ずっと一緒に居たいと、そんな風に思ってしまう
想い人に告白したことを悔悟するように、懺悔するように、遊琳は『秘密』を生贄じみて捧げた。
(もしかして、なんて)
遊琳の心のうちを知って尚、遊琳との関係を変えなかった遊琳の『想い人』というのは。
そう考えてしまうには、遊琳の反応は充分過ぎた。
(……ゆーちゃん)
『彼』の方を決して見ぬように立ち回ろうとしているようにも見える遊琳の背中を少しの間だけ見つめ、剛は瞳を伏せる。
(仕事中やさかい、今は関わらんどこ……)
そう思って仕事に戻ろうとしたのも束の間、
「今日はこちらの給仕さん達も非常に素敵な装いをしていらっしゃるんですよ~」
不意に近く聞こえた声に、剛は眉を大きく動かす。ちらりと見ると、カメラマンを始めとするスタッフを引き連れ、如才ない笑顔を端正な顔に貼り付け、マフィア姿が妙に似合う金髪の男が遊琳に近づこうとしている。
(え、何!? カメラ!?)
突然話を振られて吃驚して、それでも剛は咄嗟に遊琳のもとへと大股に寄る。そうしながら、金髪の男の笑顔の意味を察した。
(……はっはあ……)
遊琳の『彼』は、遊琳にちょっかいを掛けたいらしい。加えて、おそらくは己にも。
(ちょっとした悪戯、てか)
それが遊琳に如何なる作用をもたらすものであるのかは、剛には分からない。それでも、
(ええで、売られたもんは買うたろうやないか)
それが向こうの思惑通りであろうと構わなかった。
剛は背筋を伸ばす。『彼』を、ほんの一瞬だけ、射貫くほどのまなざしで真直ぐ見据える。
剛の視線を受けて尚、『彼』の蒼い瞳は氷のような温度を揺らがせもしなかった。それどころか、人懐こいような笑みを浮かべてさえみせる。
──さて、お連れの番犬さんがどのような働きをするかお手並み拝見
一見人好きのする笑顔の裏を読み取ってしまったように思えて、剛はぎゅっと奥歯を噛みしめた。
(けど)
庇うように隠すように、遊琳の前に立つ。
横目にちらりと見た遊琳は、フリルのついた着物の袖口で口元を隠し、少し当惑したように、それでも真直ぐに金髪の男へその蜜色の瞳を向けていた。
(……困っとる感じ、ではあるんやろけど)
『彼』に見惚れているようにも、視線を重ね合わせているようにも見えて、剛は遊琳から顔を逸らす。仮面を被せて顔を隠してやる必要はなさそうだ。それに、それをしてしまえば、
(金髪の奴に見せとうないて思うとるみたいやんか)
本当に見せたくないのは、画面の向こうにいる人々だ。そのはずだ。
己の内に渦巻く思惑は、笑顔で隠す。
「今日は、少しよろしいですか~。素敵ですよねぇ」
「はは、アリスの騎士みたいやろ! ……ん? トランプ兵ちゃうんかって? 細かいこたええねん」
にこやかに話し掛けて来る『彼』に、にこやかに返してみせる。
表面上は穏やかなふたりの会話を耳にしながら、遊琳はすぐ前にある剛の背中を見上げる。少なくとも楽し気には聞こえる礼二の声に耳を澄ませる。
近づいてきたときは何故こちらに来るのかと狼狽えもしたが、
(……ああでも)
小さく小さく、自分でも意味の分からぬ吐息が零れて落ちた。
(昼日中にも見られる青いお月さまは今日も綺麗)
ことここに至って、今日はもう礼二に遊ばれてしまうのは確定事項であるのだろうと思う。
(……ハロウィンだし仕方ないか)
「それでは、」
剛の背中の向こう、礼二が微笑んでいる。
「トリック・オア・トリート!」
飄々と言ってのけてその場の撮影を終えようとする礼二を、遊琳は剛の影から顔を覗かせ視線を投げる。
(僕の目も平気な筈の子だ)
ろっこんの力の宿るまなざしに密かに籠めるのは、小さな抗議と変わらぬ想い。
(先刻のお返しだよ)
──どうや、満足か
撮影が終わると同時に遊琳と剛から目で語られ、礼二は月に照らし出される夜の色した瞳を細めた。口元に笑みが零れる。退屈なバイトかと思っていたが、
(思いがけず楽しい仕事が出来ましたねぇ)
どこかしら楽し気な様子で会場を去る端正な佇まいの背中を眺めやり、剛は溜息を押し殺す。
(……何やあいつ)
呟きかける言葉も飲み込んで、
「なあなあ、ゆーちゃん!」
尻尾を振る大型犬の態で遊琳を振り返る。
「帰りは俺が送ってもええかなぁ、バイト料として!」
「バイト料でそれってどういう……」
「お願い!」
「ねだるのも相手も間違えてない?」
不思議そうに首を傾げる遊琳の傍、剛はもう何人も寄せ付けまいとするかの如く寄り添うように立つ。ぐるりと周囲を警戒する。どうしてこんな気持ちになるのかも今は理解できぬまま、それでも遊琳にだけ笑いかける。
「間違うてへん」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
55人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月28日
参加申し込みの期限
2019年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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