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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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寝子島ハロウィン☆デイズ！《寝子暦1370年版》
「行くッス！」
カウボーイ衣装に洗剤で簡単に落ちる血糊をべたり、ついでに顔も血糊をべたりと塗り付けた桐子ゾンビが笑い、
「そうね、行くわ！」
制服美女戦士なミニスカニーハイックスのあちこちに血糊をべたべた、頬にもべたべた血糊を塗りたくったまゆらゾンビが大きく頷く。休憩してお菓子も食べて、気力も体力も復活。となればやることはひとつ。
『牢屋』の一角に用意されたゾンビに転向するためのメイク場からふたりは飛び出す。まゆらは生き残った友達を追い掛け回すために、桐子はサバゲーを徹底的に楽しむために。
「ひゃっはー！」
「trick or treat！」
それぞれに楽し気な声をあげて駆けて行くふたりの背中を、輝夜は行ってらっしゃいと見送る。ゾンビ役が足りなかったら参加しようかなと思っていたけれど、
「月守、スイーツ食おーぜ！」
「ありがとう、慎之介くん」
輝夜を捕えようとするゾンビたちの中に突っ込んで来て、結局一緒に捕まることを選んでくれた慎之介はどうやら『牢屋』に用意されたお菓子を楽しむ気満々らしい。
(食欲の秋でちょっと増えちゃった体重も動き回って少し減ったはずだし……)
ふたりで食べるお菓子はきっととても美味しいに違いない。
その辺にわらわらぞろぞろ居るゾンビ仲間たちと一緒に廃墟の遊園地内をはしゃいで駆けずり回った挙句に桐子とまゆらが目にしたのは、
「まゆら、あれ何ッスか？」
「何かしらね、きりっち」
回転木馬の前の広場にできた人だかりならぬゾンビだかり。真ん中にはどうやら死神コスプレなお姉さんが居るらしいものの、ゾンビたちは一定距離以上には近づけていない様子。
「やべーって」
「無理、ムリムリ」
怯えた様子のゾンビたちの隙間を縫って真ん中に近づいたふたりが見たのは、復活の余裕もなく死屍累々たる様子で倒れるゾンビ群と、
「うふふ、ふふ、──あはははは！」
心底楽し気な笑い声をあげて手にした大鎌を軽々振り回しては的確にゾンビの『弱点』な的布を『貫いて』血糊の印をつけてゆく少女死神。
「突撃！ とあー！」
「あっ、きりっち！」
怖れ気もなく突っ込んだ桐子ゾンビは瞬きの間にやられて地面に倒れた。
「ここで行かずして何のためのゾンビかー！」
桐子の蛮勇に負けじと突っ込んだまゆらも恐ろしく精密な大鎌の動きと舞いにも似てひらひらふわりと揺らめくゴスロリ系死神衣装に翻弄され、それでも何とか大鎌の動きを縫って懐に入り込むも、
「あはは！」
朗らかに笑う死神に一瞬目を奪われた瞬間に大鎌の柄で足の的に触れられてしまった。ルールに則り五秒動きを止める間に四ヵ所全てを『斬られ』、奮闘にも拘わらずまゆらが地面に伏した、その瞬間。
どおん！
轟音と共、空に大輪の花火が上がった。時間終了を知らせる派手な合図に、ゾンビたちがむくりと起き上がる。起き上がるなり、波が引くが如く死神少女の傍からざざざと逃げる。
「……え？」
怯える元ゾンビたちの輪の中、死神少女なレオンはきょとんと瞬いた。
花火の色に明るく染まる夜空を仰ぎ、首を傾げる。ゾンビの群れに迫られたあたりから記憶が飛んでいる。
「何したんだ俺？」
「楽しかったわ、ね」
空に開いて色鮮やかに散って行く花火を仰ぎいで呟く稀跡のもと、
「あっ、お客さーん！ お菓子、守り抜きましたよー！」
ゾンビが居る間は姿かたちも見えなかった黄色い鳥が駆け寄って来た。預けていたお菓子を受け取りながら、稀跡は衣装の買い取りを申し出る。
「そういえばね、お化け屋敷の中からものすごい咆哮やら殴り合う音やら聞こえててものすごく怖いんですけど、今から戦闘終了のお知らせに行かなくちゃいけないんです。ですのでとりーとおあとりーと！」
「ええと、……がんばって、ね……？」
「へい毎度！ 寝子島はコスプレイベントも多いですからね、ご活用くださーい！」
稀跡から買い取り用の追加代金とお菓子を受け取りほくほくした足取りで去る黄色い鳥に手を振って、稀跡は自分と同じく『牢屋』に囚われていた面々を振り返った。
「トリック・オア・トリート、ね」
どうぞ、と渡して行くのは、ひとつひとつ小箱に入った色とりどりの砂利と一粒の宝石。
「綺麗な石ね」
「トリック？」
ふわりと微笑むロザリーと不思議そうな顔をする紫に、稀跡は灰色の髪を揺らして首を横に振る。
「トリックではなくトリート……」
表情を動かすことなく、声に感情を乗せることもなく、淡々と、けれどどこかしら楽しそうに言う。
「石みたいな見た目のチョコと、宝石みたいなキャンディよ」
後から『牢屋』に囚われていた輝夜と慎之介にも『トリート』を渡す。
「これとか、色味がルビーに少し似ていると思わない？」
これはサファイア、これはダイヤモンド、と用意してきた石のようなお菓子をその場の皆に配りながら、稀跡はハロウィンらしく告げて回る。
「トリック・オア・トリート……ね」
カウボーイ衣装に洗剤で簡単に落ちる血糊をべたり、ついでに顔も血糊をべたりと塗り付けた桐子ゾンビが笑い、
「そうね、行くわ！」
制服美女戦士なミニスカニーハイックスのあちこちに血糊をべたべた、頬にもべたべた血糊を塗りたくったまゆらゾンビが大きく頷く。休憩してお菓子も食べて、気力も体力も復活。となればやることはひとつ。
『牢屋』の一角に用意されたゾンビに転向するためのメイク場からふたりは飛び出す。まゆらは生き残った友達を追い掛け回すために、桐子はサバゲーを徹底的に楽しむために。
「ひゃっはー！」
「trick or treat！」
それぞれに楽し気な声をあげて駆けて行くふたりの背中を、輝夜は行ってらっしゃいと見送る。ゾンビ役が足りなかったら参加しようかなと思っていたけれど、
「月守、スイーツ食おーぜ！」
「ありがとう、慎之介くん」
輝夜を捕えようとするゾンビたちの中に突っ込んで来て、結局一緒に捕まることを選んでくれた慎之介はどうやら『牢屋』に用意されたお菓子を楽しむ気満々らしい。
(食欲の秋でちょっと増えちゃった体重も動き回って少し減ったはずだし……)
ふたりで食べるお菓子はきっととても美味しいに違いない。
その辺にわらわらぞろぞろ居るゾンビ仲間たちと一緒に廃墟の遊園地内をはしゃいで駆けずり回った挙句に桐子とまゆらが目にしたのは、
「まゆら、あれ何ッスか？」
「何かしらね、きりっち」
回転木馬の前の広場にできた人だかりならぬゾンビだかり。真ん中にはどうやら死神コスプレなお姉さんが居るらしいものの、ゾンビたちは一定距離以上には近づけていない様子。
「やべーって」
「無理、ムリムリ」
怯えた様子のゾンビたちの隙間を縫って真ん中に近づいたふたりが見たのは、復活の余裕もなく死屍累々たる様子で倒れるゾンビ群と、
「うふふ、ふふ、──あはははは！」
心底楽し気な笑い声をあげて手にした大鎌を軽々振り回しては的確にゾンビの『弱点』な的布を『貫いて』血糊の印をつけてゆく少女死神。
「突撃！ とあー！」
「あっ、きりっち！」
怖れ気もなく突っ込んだ桐子ゾンビは瞬きの間にやられて地面に倒れた。
「ここで行かずして何のためのゾンビかー！」
桐子の蛮勇に負けじと突っ込んだまゆらも恐ろしく精密な大鎌の動きと舞いにも似てひらひらふわりと揺らめくゴスロリ系死神衣装に翻弄され、それでも何とか大鎌の動きを縫って懐に入り込むも、
「あはは！」
朗らかに笑う死神に一瞬目を奪われた瞬間に大鎌の柄で足の的に触れられてしまった。ルールに則り五秒動きを止める間に四ヵ所全てを『斬られ』、奮闘にも拘わらずまゆらが地面に伏した、その瞬間。
どおん！
轟音と共、空に大輪の花火が上がった。時間終了を知らせる派手な合図に、ゾンビたちがむくりと起き上がる。起き上がるなり、波が引くが如く死神少女の傍からざざざと逃げる。
「……え？」
怯える元ゾンビたちの輪の中、死神少女なレオンはきょとんと瞬いた。
花火の色に明るく染まる夜空を仰ぎ、首を傾げる。ゾンビの群れに迫られたあたりから記憶が飛んでいる。
「何したんだ俺？」
「楽しかったわ、ね」
空に開いて色鮮やかに散って行く花火を仰ぎいで呟く稀跡のもと、
「あっ、お客さーん！ お菓子、守り抜きましたよー！」
ゾンビが居る間は姿かたちも見えなかった黄色い鳥が駆け寄って来た。預けていたお菓子を受け取りながら、稀跡は衣装の買い取りを申し出る。
「そういえばね、お化け屋敷の中からものすごい咆哮やら殴り合う音やら聞こえててものすごく怖いんですけど、今から戦闘終了のお知らせに行かなくちゃいけないんです。ですのでとりーとおあとりーと！」
「ええと、……がんばって、ね……？」
「へい毎度！ 寝子島はコスプレイベントも多いですからね、ご活用くださーい！」
稀跡から買い取り用の追加代金とお菓子を受け取りほくほくした足取りで去る黄色い鳥に手を振って、稀跡は自分と同じく『牢屋』に囚われていた面々を振り返った。
「トリック・オア・トリート、ね」
どうぞ、と渡して行くのは、ひとつひとつ小箱に入った色とりどりの砂利と一粒の宝石。
「綺麗な石ね」
「トリック？」
ふわりと微笑むロザリーと不思議そうな顔をする紫に、稀跡は灰色の髪を揺らして首を横に振る。
「トリックではなくトリート……」
表情を動かすことなく、声に感情を乗せることもなく、淡々と、けれどどこかしら楽しそうに言う。
「石みたいな見た目のチョコと、宝石みたいなキャンディよ」
後から『牢屋』に囚われていた輝夜と慎之介にも『トリート』を渡す。
「これとか、色味がルビーに少し似ていると思わない？」
これはサファイア、これはダイヤモンド、と用意してきた石のようなお菓子をその場の皆に配りながら、稀跡はハロウィンらしく告げて回る。
「トリック・オア・トリート……ね」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年09月28日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年10月05日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年10月05日 11時00分
