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寝子島ハロウィン☆デイズ!《寝子暦1370年版》
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「なるほど」
金に黒と白のメッシュの入った野性的な頭に一枚、鍛え上げた筋肉が鎧の如く覆う腹部に一枚、柔らかさの欠片も無さそうな両の太腿に一枚ずつ。身体の計四ヵ所に貼り付けられた的を描いた布を人の形状に似ながら虎のようにも見える指先で摘まみ、
コル・ティグリス
は短く笑う。
「この的に当てられない様にしながら獲物を追い詰めればいいんだな」
ゆらり、虎模様の尻尾が上機嫌に揺れる。
本物の虎の獣人にも見える仮装に、色褪せ錆びついた観覧車周辺に集まりつつあるゾンビメイクや盛装に身を包んだ人々が羨ましそうな眼差しをちらちらと向けた。
星幽塔から寝子島に移動すれば、こちらの人々とそう変わらぬ姿になるはずが、今日は何故だか普段と変わらぬ虎の獣人の姿であるのは、どうやらこちら側の人々が仮装を楽しんでいるからであるらしい。確かに、眺めやれば血みどろゾンビに猫耳メイド、黄色い鳥までうろうろしている。その中に本物の獣人が混ざっていても、妙に本格的な仮装、ということで片付いてしまうのだろう。
「盛装組は逃げ回りゾンビ組が追いかけるのか」
今にも崩れそうな門の前で催しの説明を生真面目に聞いていた
ティクス・ソル
が確かめるように小さく呟く。
小柄な身を包むはフリルを使用したセーラー仕様の衣装にブーツ、ハイウエストのズボンの腿には赤いインクの仕込まれたナイフが装備されている。青い薔薇で飾られたシルクハットから覗く鼠のかたちした大きな耳をぴくりと揺らし、ティクスは隣に立つ男を見仰ぐ。
妙に嬉々とした様子で衣装の貸し出しを申し出て来た衣装屋の黄色い鳥から聞き出したところによると、元々のハロウィンとは、少なくともこの国では、仮装をしてあちらこちらの家を巡りお菓子を貰うことが主流の行事であるらしいが──
少なくとも、これから行われる催しはそういった安穏なものではないらしい。
こちらが盛装組を選んだ次の瞬間にゾンビ組に与することを選んだコルは、ティクスが星幽塔で結成した盗賊団『十二支団』の一員で、──最近は時々、首やら腹やらに噛みついてくる。それが親愛の印であるのか、虎の本能が鼠の獣人である己を獲物と見なしているのか判別つけられてはいないが、
「ゾンビになれば食べていいんだよな」
好戦的な笑みを浮かべるコルの言葉はあながち冗談には聞こえない。
「虎の旦那に食われる……って、洒落にならねえな、おい!」
その冗談には聞こえない言葉を聞きつけ、同じく星幽塔から寝子島を訪れた十二支団の一員である
フォーマ・シャオ
が炎の色した瞳をしかめた。
仮装衣装を扱う屋台の黄色い鳥に半ば無理やり着せ付けられた拳法道着を難なく着こなす細身筋肉質な男の赤銅色した頭にも、ティクスやコルと同じに獣耳がついている。
馬の耳を考え深げに震わせるフォーマに、ティクスは心からの同意を示して頷いた。
「コルの食べるはシャレにならん」
「ティクス、フォーマ。冗談だ」
コルは宥めるような言葉を口にするも、その口元からは虎の牙が凶暴に覗いている。
「逃げ切れるかどうかの勝負といこうか。けどコル、あまり本気で追い回して若いやつらを驚かせるなよ」
ティクスは穏やかな口調で笑ってみせつつ、機会を見つけては勝負を持ち掛けて来るコルの先手を打った。加えて釘も刺す。周囲にたむろして祭りの開始を待つ寝子島の人々を見回す。
少年の姿に見えて、その実五百年近くを生きるティクスにとって、寝子島の人々の悉くが『若いやつら』だ。
「ああ、安心しろ。堅気の奴らには手を出さん」
「げえ……コルの旦那から逃げんのかい」
コルの言葉に不穏な意味を感じ取り、フォーマが顔をしかめる。元より足の速さが自慢の馬の獣人、
(鬼ごっこは得意だけどよォ)
堅気には手を出さない、ということは、お前たちには加減をしないから覚悟しろ、ということだ。
「……俺が食べたいのは仲間だけだ」
コルの呟きを耳聡く聞きつけ、フォーマは片手で顔を覆う。
「しかしまあ……こういう力比べは楽しそうだ」
その場で準備運動じみて身軽に跳ねるティクスも、コルをたしなめたその癖とても好戦的な雰囲気を纏い始めている。
おどけた仕草で両手で顔を覆いながら、フォーマは息を吐くように笑った。少なくとも、フォーマも『こういう力比べ』は嫌いではない。
「まあ、大将達とやるなら……本気で、な」
両手に隠したその陰で、炎の色した瞳が燃え上がる。
廃墟の遊園地に『trick or treat!』と開始の合図が響き渡るなり、ティクスは小柄な身体をますます縮めるようにして駆けだした。
視界の端、フォーマに狙いを定めこちらには目もくれず駆けだすコルの姿を捉え、思わず若干の憐みの視線をフォーマに送る。獲物に狙いを定めた虎の相手は至極厄介だろう。
(俺は俺で他のゾンビから逃げるとするか)
コルほどの戦闘力はないにせよ、とにかく数が多いのは面倒だ。それに、派手に動き回るより闇に紛れる方が元より性に合っている。
(となれば)
石畳を割って這える植物に足を取られることもなく、ティクスは小動物の素早さで廃墟を駆ける。入り口で見かけて頭に叩き込んだ敷地内の地図を思い浮かべて己が舞台に選ぶは、多少の広さと視界の悪さがありそうな『お化け屋敷』。
獲物と定めた悪徳商人の屋敷に侵入する要領で、気配を殺して踏み込む。息を潜め足音を潜め、窓もなく暗く細い廊下を恐れげもなく歩む。
床に転がる錆びついた燭台や破壊された不気味な人形を踏み越え、神経を尖らせる。周囲の気配を探り、人気の少ない方向を選んで進む。
頭の中に邸内の地図を作っていて、ふと足を止めた。曲がり角の先から足を引きずるような音と呻くような声が聞こえてきている。
(一人、……後から二人)
他の道筋を頭になぞり気配を探るも、どこへ向かおうとも数人のゾンビと出くわすことを素早く確認するなり、ティクスは暗闇の中を走った。角を曲がり、小さな懐中電灯を手にうろつくゾンビの最初の一人に飛びかかる。
無言のままに頭の『的』にナイフで切り付け、インクの印を付着させる。
「うわなんか居る?!」
ゾンビらしからぬ悲鳴をあげる一人目の肩を踏んで宙に跳ぶ。空中に身を翻し、暗い通路を身を寄せ合うようにして歩いて来ていた二人目と三人目の前に音もなく立つ。軽やかな舞に似てナイフを煌かせ、残る二人の脚を切りつける。
(一、二、三、──)
ゾンビたちが動きを止める五秒を数え上げる。確実に逃げ切れる道筋を頭に描きだす。いくつもの挙動を並行して行いつつ、ティクスは闇に溶け込んだ。
(流石に堅気の奴らに負けはしないさ)
くすりと小さな笑みを漏らして考えるのは、武器の補充。出来れば投擲できるものが良い。
(……俺の仲間は油断のならない奴らばかりだからな)
もう一度、今度は嬉しい笑みが唇に滲んだ。
風を切り裂いてフォーマは駆ける。
(ただのゾンビ相手にゃ駆けりゃ逃げ切る自信はある)
元より草食動物の脚の速さは概ね逃げるために駆使するもの。
追い縋るゾンビたちをものともせずに突き放し、フォーマは足を緩めることなく背後の気配を探る。
(あの人は気配を殺して追い詰めてきやがる)
一番の問題であるコルの気配を読もうとした、その瞬間。
音に敏い馬の耳をつんざく虎の咆哮が周囲に響き渡った。耳を弄するコルの大音声に先手を打たれ、フォーマは呻く。
どうやらコルは、二人一気に追い詰めるは難しいと判断し、まずは一人、こちらを確実に仕留める作戦を採ったらしい。狙いを定められたフォーマは眉を寄せる。
(こちとら馬だってェのによ)
目も良い、耳も良い。されど隠れられてしまえば、吠えられてしまえば、その両方共に潰されてしまう。
(……こいつァ、相手が悪ぃな)
気配を読む手段を絶たれたとなれば、残る生存方法はただひとつ。
(こうなりゃ縦横無尽、駆け抜けるまでよ)
いくら追い詰められようと、指の一本も触れさせなければ良いだけの話。
俊足を誇るフォーマの走りに、多少追い詰めたところで見る間に突き放される距離に、コルは追い縋ろうとした足を緩めた。あれに追いつくのは難しい。
(しかしフォーマ、)
本性を肉食獣とするコルは琥珀の瞳を楽し気に細める。
(ただ走るだけが肉食獣の狩りじゃないぞ)
コルは『獲物』を想う。
たとえば、団の長であるティクスは月夜に煌くナイフのような静かな美しさがある。翻ってフォーマは──彼の本性は、炎の馬。赤銅の髪は気分の昂ぶりにより不可思議にも先端が真紅に燃え上がる。その焔は太陽の下にあってさえ、豪華で派手で美しい。すなわち、目を惹く。よく目立つ。
その上、虎は獲物の匂いを知悉している。
空に輝く太陽よりも紅い焔の軌跡を瞳に辿り、知り尽くした仲間の匂いをたくさんの匂いの中に嗅ぎ分け、虎は馬の先回りをする。気配を殺し、物陰に潜む。近づくフォーマを眼光鋭く待ち伏せ、
(来た)
足音と匂いが己の跳躍範囲に入ると同時、物陰から飛び出す。
「──っ!? しま……!」
突っ走る勢いを殺せずたたらを踏むフォーマを逃がさぬよう、一撃必殺とばかり虎の腕で頸を固める。
「ぁああ、くっそぉ……!」
逃れるべく足掻こうとする馬の頸を更に強く締め上げれば、
「失敗ったか……」
身動きを封じられた馬は全身の筋肉を緩めて観念したらしかった。
獲物を仕留め、虎は笑う。
コルの笑い声を耳元に聞き、フォーマは苦笑いする。参った、と両手を上げようとしたその瞬間。
首筋に熱い息がかかった。鋭い牙の甘いような痛みが首に走った。
「っ、ん……!」
(……噛まれ、た……!?)
俺の獲物だとばかり首筋に印をつけられ、フォーマは絶句する。
「ああ、うまいな」
「な……」
噛まれた首までも赤く染め、フォーマは獲物を仕留めて油断するコルの腕を振り払った。縛めから逃れるなり、
「なあにしやがんでぇぇい!」
馬の渾身の膝蹴りを放つ。容赦のない一撃を腹に受け、虎は吹っ飛んだ。
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
55人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月28日
参加申し込みの期限
2019年10月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年10月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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