this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
その傷に思う
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
9
つぎへ >>
「それじゃあ、始めようか」
エプロンをつけながら柔らかく微笑む
八神 修
に、以前一緒に買ったお揃いのエプロン姿の
七夜 あおい
はちょっぴり緊張した顔でこくりと頷いた。
「よろしくお願いします」
神妙なあおいの様子に修は思わず破顔する。
「練習も兼ねてはいるけど、趣味みたいなものだしね。気楽にいこう」
ふたりが立っているのは、桜花寮の台所。作業台に並んで立つふたりの前には、ふたりで買い出しをしてきた料理の材料が並んでいる。
料理の練習をしようと言い出したのは、修だった。進路について悩むあおいの息抜きになればと思ったのが理由のひとつ。少しでも大好きな彼女の傍に居たいと思っているのが理由のひとつ。
前日の夕暮れの教室でふたりでメニューを考え、その足で桜花寮の寮母さんに台所の貸し出しをお願いした。あおいの料理の練習のために寮の台所を借りるのはこれで三度目。がんばってね、と笑う寮母さんにいつも有難うとふたりで丁寧に頭を下げた。
ふたりで計画して、そのためにふたりで行動して、──なんでもないようなことでも、あおいとふたりで動くことがとてもとても楽しかった。胸がどきどきと弾んだ。
(あおいも)
同じようにどきどきしていてくれればいいなとは思うものの、目の前のあおいは作業台の食材へ真剣なまなざしを向けるばかり。
買い物袋に入ったままの食材を、修は料理別に分けてゆく。
「鯛の炊きこみご飯、茄子の焼き浸し、それから薩摩芋のはちみつ煮」
まず手に取るのは薩摩芋。縁から蜜を滲ませる見るからに甘そうな薩摩芋をあおいの手に渡すと、お芋大好きなあおいの顔は小さく綻んだ。嬉しそうに微笑むあおいの顔がとんでもなく可愛くて、つい見つめてしまいそうになる。
「やる気満々?」
「うん、やる気満々!」
顔中で笑うあおいから薩摩芋を受け取り、輪切りにする。水につけてあく抜きし、ほんの薄く塩を入れた水からことこと煮込む。
「蜂蜜はお好みでどうぞ」
蓋を開けた蜂蜜の瓶をあおいに渡す。こくりと頷いたあおいは、大真面目な表情で瓶を直接傾けた。口出しせずに見守る修の前、大量の蜂蜜が鍋に注ぎ込まれる。
(甘いのが好きなのかな)
ふわりと和んだのは最初の数秒。瓶の中身が半分突っ込まれたところで、
「少なくても大丈夫、冷めるとき染み込むよ」
全部入れなくてもいいからね、とちょっと慌てて控えめに牽制する。
蜂蜜色になった鍋から甘い湯気がふわり、台所中に漂った。
「いい香りだね」
「そうね」
笑み交わして次に取り掛かるのは茄子の焼き浸し。秋ナスを半分に切って隠し包丁を入れ、多めの油で火を通した後、出汁に漬ける。
「どっちもほったらかし調理法」
くすくすと笑う修に、茄子の隠し包丁に苦戦し焼き加減にも悩んだあおいはなんだか少し悔しいような羨ましいような顔を見せた。
色んな表情を見せてくれることが嬉しくて、修は張り切って次の調理に取り掛かる。次はちょっと手強い鯛の始末。
あおいが茄子を焼いている間にオーブンに入れて焼き上げた小ぶりの鯛を取り出す。オーブンシートごとまな板の上に取り出して粗熱をとったあとは、今日一番の大仕事な鯛の解体。パリッと焼き上がった皮を剥げば、ふんわり焼き上がった白身が脂とともに零れる。
「このまま食べたいくらいだ」
箸と手で身を解しながらうっかり呟くと、あおいは楽しそうに笑った。
「お腹空いちゃった?」
だめよ、と小さな子供に言うように優しく注意され、修は照れた。照れ隠しに僅かに拗ねた口調で応じる。
「分かってる、我慢する」
言った途端、指先に太い針を突き立てられたような痛みが走った。
「っ!?」
硬い鯛の骨が刺さったのだと冷静に思いつつ、刺さった骨を指先から引き抜く。ジンジンと痛み始める傷を拳に握り込む。
「修くん!?」
「痛くないよ」
慌てて隣に立つあおいにそう誤魔化し、なんでもないように手をぱたぱた振る。だってあおいに心配はかけたくない。
「もう、怪我したら痛いに決まってるでしょう」
振り回す手をあおいに捕まれた。見せて、と真剣に言われてしまえば、好きな子には逆らえない。
修の手についた魚の脂ごと傷口を洗い、丁寧に拭く。
「自分で出来る、から」
「遠慮なんていいから」
あおいはポケットから取り出したピンク色の可愛い絆創膏を手慣れた様子でくるりと巻く。
少し遠慮した後は俯いて大人しく手当を受けるようになった修の指先を両手で包む。
いつか怪我したときと同じゆるい絵柄のキャラクター絆創膏に言及しようとした口を、修は閉ざした。
「……オマジナイ?」
「うん、早く傷が良くなるオマジナイ」
絆創膏も同じ、『オマジナイ』も同じ。ついでにうっかり赤くなってしまう顔だって同じ。
あおいに追及されないよう、修は俯けた顔をますます俯ける。指摘されてしまえばきっと、
(恥ずか死ぬ……!)
「ありがとう、もう大丈夫」
何でもないようににっこり笑い、修は再び鯛の解体に取り掛かる。恥ずかしさにちょっぴり震える指を叱咤して、
「あおい、ほら、『鯛の鯛』」
鯛の骨の中にある小さな鯛のかたちした骨を取り出して示す。
「幸運来るよ」
(……幸運が訪れたのは、俺の方か)
あおいに笑いかけながら、こっそり思ってまた頬を赤らめたのは、修だけの秘密。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
その傷に思う
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月29日
参加申し込みの期限
2019年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!