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その傷に思う
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バスケットボールが体育館の床に打ち付けられる。シューズに踏み鳴らされる床が絶え間なく鳴っている。
バスケットボール部顧問である
高野 有紀
の鋭い声が飛び、それに応じる部員の声が体育館の高い天井に響き渡る。
秋も深まり涼し気な風が吹くようになったとは言え、どれだけ開け放っていても体育館の中には空気が籠りがちになる。加えて激しく動き回る高校生たちの放つ熱は際限がない。
「いい、ここで思い切って相手の方に踏み込むの!」
羽生 碧南
は声を張る。ボールを持った後輩を見据え、己の言葉の通りに踏み出す。逃げようとする後輩の視線の動きを読む。
「それに視線はそらしちゃダメ!」
キュ、とシューズを鳴らして深く踏み込み、他の後輩にパスされそうだったボールを素早くカットして奪う。ドリブルを絶やさず大きく踏み出し、後輩の動きを牽制しながら膝を使って高く跳ぶ。流れる動作でロングシュートを決める。
ぱさり、とバスケットゴールにボールが入る。とんとんと転がるボールを拾いに向かいながら、碧南は指導を頼み込んできた後輩、浅見柚乃に笑いかけた。
「それじゃあ、やってみよっか」
「はい!」
ボールを持っていたときとは打って変わり、あどけないほどの笑顔を浮かべる長身の先輩に、柚乃は大きな声で返事をする。見た目は可愛らしく優しそうなその癖、コートに立てば別人のように厳しくなる実力派選手な二年生の先輩を、一年生の柚乃は尊敬にも似て慕っていた。面倒を見てもらうようになって半年、他の一年生の中にも憧れを抱く子は少なくない。
ディフェンスの際の反応速度にやや難があると指摘され、先輩たちの指導を受けるようになってしばらくが経つ。面倒を見てくれる先輩たちの中でも、碧南との練習は厳しかった。けれど、だからこそ教わり甲斐があるというもの。練習のし甲斐があるというもの。
「よろしくお願いします!」
「うん、いい返事」
それに、折に触れて向けてくれる笑顔の優しさが嬉しかった。
攻守入れ替わりで対峙する。ボールを手に駆けて来る碧南先輩は、その長身もあって迫力がある。それでも、練習に付き合ってくれる先輩に応えるため思い切りぶつかって行かなくては、と力いっぱい床を蹴る。懸命に追い縋ろうとする。教えてもらった通りに思い切って、視線を逸らさず踏み込んで、──思いっ切り、碧南先輩と正面からぶつかった。悲鳴を上げる間もなく、先輩を押し倒す格好でもつれあって床に転がる。
「っ……」
「痛った……」
自分の下敷きになって呻く碧南の身体の上から慌てて飛び退く。碧南のおかげで自分はなんの怪我もせずに済んだけれど、先輩の方はそうもいかなかったらしい。座り込んで右腕と右足を気にする碧南の前、柚乃は涙目でへたりこむ。爪か何かで引っ掻いてしまったのか、指先には血まで滲んでしまっている。
「すみません、すみません先輩っ」
おろおろして謝るばかりの後輩に、碧南は痛む手足に構わず笑ってみせた。
「大丈夫、心配いらないからね」
集まってくる部員の皆にも同じように笑いかける。騒ぎになることを嫌って、皆を練習に戻らせる。
「あなたもほら、練習練習!」
泣き出しそうな顔をする後輩の背をなだめるようにパシンと叩き、碧南はなんでもない顔で体育館の端に向かった。
「無理をするな」
「後輩を泣かせるわけにはいきませんから」
救急箱片手に待ち受けてくれていた顧問にも強がって笑う。自分で出来るからと顧問も指導に戻ってもらい、体育館の端にぺたりと座り込む。
(やっちゃった)
小さく息を吐きながら、切り傷に消毒液を吹きかける。沁みる傷口にこっそり情けない顔をしつつ、ガーゼを当ててテーピングをする。右腕の打ち身と捻った右足首にも慣れた手つきでスポーツ用テープを巻く。バスケットをしていればこれくらいの怪我は日常茶飯事、応急処置の方法は心得たもの。
「ん、よしっ」
足首の様子を見ながら立ち上がり、気合いを入れ直して伸びをする。
「先輩」
「もう一回、やり直すよ!」
心配げに近づいて来る柚乃に何でもないように声を掛け、碧南は何事もなかったかのように練習を再開した。
終了時間まで汗をながしたコートを清掃し、後片付けをし、シャワーを浴びる。
(しーみーるー)
お湯が傷口にジリジリ沁みたけれど、そこは我慢の一手。服を着替えて一息ついたところで、
「先輩」
柚乃がしょんぼりと傍らに立った。
「ごめんなさい」
「大丈夫だって」
手を振って笑い、落ち込む柚乃を慰める。
「前より反応良くなってる。練習の成果だよね」
「ありがとうございます……」
おどけるように言ってみても頭を下げるばかりの後輩の肩をぱたぱた叩き、今にも泣きそうな顔を覗き込む。
「帰りにタピオカ屋に行こう、おごってあげる」
「でも、」
申し訳なさそうな柚乃の背に、他の後輩たちが励ますように群がった。
「先輩、私も!」
「あっ、私もおごって!」
柚乃を励ましたいのか、ただ単に先輩におごって欲しいのか分からない後輩たちの声に、碧南は笑う。
「もう、しょうがないな!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月29日
参加申し込みの期限
2019年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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