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その傷に思う
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休日のシーサイドタウン駅はとっても賑やかだ。
たくさんのひとが行き交う駅前で、
宮祀 智瑜
は爪先立つ。黒髪を揺らして周囲を見回す。そうして、黒い瞳をぱっと笑みに輝かせる。
「日暮さん、夕さん、こんちゃん、おはようございます!」
手を大きく上げて振るのは、ひとの多さに戸惑い気味の夕の手を引きながら、ともすれば駆けて行ってしまいそうなこんから目を離せぬ様子の日暮に向けて。
「おーはーよー!」
智瑜に気づくなり、こんは日暮の手を振り払った。慌てる日暮には目もくれず、水族館のポスターの貼られたショーウィンドゥの前に立つ智瑜のもとまで、人込みをすり抜けて駆け寄って来る。
「ちゆー!」
「こんちゃん、おはようございます」
腰に抱きついて来るこんを抱き締めて受け止め、智瑜は笑った。
「水族館へのお誘い、おおきに」
「でも、良かったんですか?」
こんに遅れて智瑜の前に立ちながら、日暮と夕が交互に頭を下げる。智瑜は慌てて首を横に振った。
「私、本当に楽しみで。昨日の夜は遠足前夜みたいにわくわくしてなかなか寝付けなかったんです」
「水族館とか行ったことないんやけど、値ぇ張るん違う……っだ!?」
「不躾なこと聞いてごめんなさい、智瑜」
日暮のうなじで結った髪をぐいと引き、夕は幼い少女じみた顔に大人びた表情を浮かべた。
「商店街の福引で三等だったんです」
一グループ五人まで、のチケットを引き当てた途端に思い浮かんだのが、三人の顔だった。
「五等の日帰り入浴券も当てたんですよ。そっちはお祖父ちゃんとお婆ちゃんに渡しました」
「そら孝行やねえ」
日暮の言葉にちょっぴり得意げに胸を張ってから、智瑜は困ったように笑う。
「運を使い果たしてないか心配です」
「だいじょうぶ!」
何の根拠もなく言い放つこんに笑い、智瑜はこんと手を繋ぐ。三人を案内して向かうのは、シーサイドタウン駅から徒歩圏内の寝子島マリンパラダイス。
旧市街に祖父母と暮らす智瑜からしてみても、いつでも行ける距離にある水族館ではあるけれど、近すぎると逆になかなか足が向かないもの、なのかもしれない。智瑜にしてみても、水族館を訪れるのはかなり久しぶりのこと。
そんな久しぶりの場所に、仲良くしている三人と一緒に行けるのがとても嬉しくて楽しくて、智瑜の足はふわふわと弾んだ。
「すいぞくかん!」
「うん、水族館です、こんちゃん!」
大観覧車も奥に見える水族館の前ではしゃぐこんとハイタッチして、早速館内に入る。
「あっ、スタンプラリーやってます、参加しましょう!」
「こんも! こんもー!」
入り口で配布されていたスタンプ帳を二冊受け取る。海のイラストが描かれた帳面に通路のあちらこちらに設置されている魚のスタンプを押して行くものらしい。
「ぜんぶ押したら、スタンプの魚がたくさん泳いで海が賑やかになりますね」
智瑜はこんと手を繋ぐ。物珍しそうに周囲を見回すばかりの日暮と夕の姿も時々確認しながら、青を基調とした通路を通る。通路の先で迎えてくれた大水槽には、大きな鮫が悠々と泳いでいた。
「あっ、サメです。おっきいですね」
「さめー!」
こんと並んで水槽の前に立ち、あおい水の中をのんびりと泳ぐ魚に見入る。興味津々に見つめ過ぎて水槽の硝子に近づき過ぎ、うっかりごんと額をぶつける。
「いたたた……」
赤くなった額はこんと夕が順番に撫でてくれた。ありがとう、と笑う視界の端、すう、と横切るのは立派な黒鯛。
「……美味しそう」
「まあ、そうやな」
商店街の魚屋さんでも見かける身近な魚に素直な感想をつい自然に口にしてしまえば、日暮は笑いながらも頷いた。
鰯トルネードに思わず拍手したり、水槽の底で動かないエイを心配してみたり、ペンギンの餌やり体験に歓声をあげてみたりしたあとは、お待ちかねのイルカショー。
水面から高く跳んで輪を潜るイルカ、飼育員のお兄さんを背に乗せて泳ぐイルカ、島の水族館ならではなイルカとの距離の近さと迫力に、智瑜もこんも、
「おー」
「わー」
歓声しか上げられなかった。
「すごかったですね、イルカ!」
「うん、すごいすごい!」
「あっ、あっちにスタンプがありますよ、こんちゃん!」
「さかなー!」
スタンプをぺたぺたと帳面に押しながら、次々現れる水槽の魚に目を奪われながら、こんと手を繋いで歩き回っていて、
「わ、」
智瑜はうっかり段差に気づかず踏み外した。咄嗟に壁に手をついて、
(セーフ)
と思ったのも束の間、安堵した瞬間に腕の力まで抜けて、手をついたはずの壁にゴンとまた額をぶつけてしまった。
「いたたた……」
二回もぶつけた額をさすっていると、こんが懸命に手を伸ばし、よしよしと撫でてくれた。
「智瑜はしっかり者に見えるのに案外うっかりさんやねえ」
「そこが可愛いところです」
楽しそうに笑う日暮の脇腹をつつき、夕も智瑜の額をよしよしする。夕の冷たい掌が心地よくて、撫でてくれるふたりの小さな掌が嬉しくて、智瑜は額の痛みも忘れて笑った。痛みさえ含めてしまうくらい、今日は楽しい一日だった。
スタンプを全部集めたご褒美に貰ったこんとお揃いのシールを大切に仕舞い、智瑜はいつのまにか暮れていた空を背に、後にした水族館を振り返る。
「気になるお魚いましたか?」
「タチウオ! ひらひら!」
「黒鯛やな。磯から釣れへんやろか……」
「イルカかしら。賢うて美しかったし」
それぞれに口にしては笑い合う三人が楽しそうで、智瑜は嬉しくなる。ずっと手を繋いでいたこんをぎゅっと抱きしめ、顔中で笑う。
「すっごく楽しかったです!」
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あとがき
担当マスター:
阿瀬春
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました。
ちょっとした怪我をしちゃったみなさまの一幕、お届けにあがりました。
どの怪我もやっぱりしっかり痛そうで、アクションを拝見しながら「うわ、いたたた……」と何度も思ってしまいました。でも、その怪我をしたときのみなさまの言動がそれぞれにみなさまらしくて素敵でした。
そんなみなさまをみなさまらしく描けておりましたでしょうか。少しでもお楽しみ頂けましたら幸いです。
ご参加くださいまして、お読みくださいましてありがとうございました。
それでは、いつかまたお会いできましたら嬉しいです。ありがとうございましたー!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月29日
参加申し込みの期限
2019年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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