this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
ちょっとバグった異世界召還~わりとよく死ぬラブストーリー~
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
9
つぎへ >>
「――碧南、あれは何だ?」
ダゴンが指さした。なんのことはない、店頭によくあるソフトクリームの飾りだ。
「あ、そっか。ああいうの、そっちにはないんだね」
それを聞いた
羽生 碧南
が呟く。
ふたりはキャットロードに来ていた。寝子島の文化を手っ取り早く伝えるのにはここが効果的だろうと、碧南が放課後の寄り道を提案したのだ。
もちろん、ダゴンにこちら側の見識を広めさせるというのは口実で、要は放課後デートに誘いだしたのであるが、ダゴンはそれに気づいているのかどうか。
さが、そのダゴンはというと人間界の文化が物珍しいのか、キャットロードに並んだ店の端からこれは何かあれは何だと質問攻めにしてくる。
ダゴンがいた異世界の環境はこちら側の人間が思うよりはるかに過酷だ。人間と魔族は長らく戦争を続けており、さらに人間同士、魔族同士の国や地域の争いもある。そこに加えて、ダゴンの一族のような出産数の多い魔族は個体能力が低く、とにかく生き残ることだけで精一杯。人間にも魔族にも、娯楽に分類されるような文化が定着している暇はないのだ。
「……甘い!!」
そんな環境で生まれ育ったダゴンにソフトクリームなど食べさせたらどうなるか。自然界ではありえない季節外れの冷たさと甘さに驚きの声を上げるダゴン。目を白黒させて碧南に向き直った。
「これは何だ碧南!? いったい何でできている!? どうやって作るのだ!?」
「お、落ち着いてダゴン君……」
一気に詰め寄るダゴンに碧南はたじろぐ。『魅了』の効果が程よく現れていて、碧南はダゴンにすでに好意を抱いている。そんな相手に詰め寄られては花の乙女としては困ってしまうのだ。
「――と、すまない」
ダゴンも自分の距離の詰め方が急であったことに気づき、一歩引いた。人間と種族は違うが王子というその肩書どおり、ダゴンは意外にも紳士的である。魔物にして紳士的というギャップに、乙女ゲームフリークの碧南としてはまたドギマギしてしまうのだった。
「……ふふ」
「……碧南?」
それでも、自分にとっては当たり前の物事に目を輝かせるダゴンを見ているとなんだか微笑ましくなり、碧南はつい声に出してしまった。怪訝そうに見返すダゴン。
碧南はキャットロードをたたっと軽快なステップで歩き出した。
「こんなので驚いてちゃダメだよ! もっともっと、見せたいものいっぱいあるんだからっ!」
☆
「ふぅ、少し疲れたね」
「ああ……そうだな」
それから、キャットロードを端から端まで堪能した碧南とダゴンは、寝子島海岸に来ていた。砂浜へと続くコンクリの階段に腰かけて、沈みゆく夕陽を眺める。
「しかし碧南はひどいな。私がたい焼きとやらを食べてみたら共食いなどと」
「あはは、ごめんって。でもダゴン君がたい焼きってさぁ……」
楽しげにやりとりを続けるふたり。
夕暮れの海岸は人通りもまばらで、若いふたりに注目する人もいない。
「碧南」
他愛もないやりとりのあと、ダゴンは碧南の名を呼んだ。視線はまっすぐ、夕陽を眺めたままで。
「なあに?」
片膝を抱えたまま、コンクリに座ってダゴンを見る碧南。ついさっきまで碧南とのおしゃべりを楽しんでいたはずのその横顔は、真剣そのものだ。
「ここは、平和なのだな」
「……うん、そうだよ。ごくフツウで、平和な島」
「普通、か」
足元に落ちていた石ころを拾って、遠くの海に向かって投げるダゴン。
「このような平和は……私の故郷では普通ではない。繰り返される人間や他魔物との戦いで、王族も民もみな、疲弊している」
「……戦争……してるの」
「ああ……もはや戦争などと呼べるものではないがな……大規模な戦争を行なえる兵力や物資はどこの国も持っていない……このままでは……」
勝者のない戦争……その世界の凄惨さはなんとなく想像することしかできない。だが、ダゴンの想いのようなものがダゴンの横顔から溢れ出ているのが感じられた。この寝子島のような平和な生活を、自分の家族や国民にもさせてやりたい、その一心。ただ、その一心なのだ。
だから、彼はここに来た。この寝子島に。
その横顔に、碧南の指先がそっと触れた。
「……ねぇ、こっちむいて」
ダゴンを振り向かせて、正面から見つめ合う。
「碧南……私は、この世界から我が種族が生き延びるための何かを持ち帰らなければならないのだ……つまり、その……」
この期に及んでもダゴンは紳士的であった。魔王ライカーガスと共に寝子島に来た魔物たちは、相手と口と口とを数秒間接触させる行為――つまりキス――をすることで『スキル』をコピーすることができる。ここでの『スキル』とは『ろっこん』に他ならない。スキルの伝授が目的であれば、碧南がダゴンに抱いている感情はあくまで『魅了』によるものー―つまり偽の感情ということになるのかもしれない。
簡単に言うと、碧南は騙されているのだ。ダゴンに対する感情が偽のものであると気付いたとしても、それは『魅了』の効果で打ち消されてしまう。
ダゴンは目をそらした。
しかし。
「ねぇ、私を見てよ」
そのダゴンの顔を両側に手を添える。そのままぐいっと引き寄せた。
碧南はこんなことができるほど、日頃から恋愛に積極的なわけではない。ただ、今は『魅了』の効果と魔物との恋愛感情という非現実的なシチュエーションで、自分でも思いもよらないほど大胆な行動がとれるようになっていた。
夕陽をバックに、ふたりの顔が接近する。その唇と唇が触れそうな距離まで近づいたその時。
「ねぇ、ダゴン君は、もうすぐ帰るんだよね?」
「……ああ……ライカーガス殿の魔術もそう長くはない。成果があろうとなかろうと……」
「そう」
言い淀んだダゴンの言葉はそこまで。
あたりが暗くなってきた。
ちょっと冷たい風がふたりの間を通った気がしたけど。
「……わたしがあげられるものはこれくらいだから……」
碧南の唇は熱く燃えていた。
「……碧南……!」
もういちど。今度は彼から。
彼と彼女のシルエットは、夕陽が沈みこむまで、離れようとしなかった。
「……ありがとう、碧南……」
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
ちょっとバグった異世界召還~わりとよく死ぬラブストーリー~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月21日
参加申し込みの期限
2019年08月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年08月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!