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ちょっとバグった異世界召還~わりとよく死ぬラブストーリー~
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「……もうすぐ終わりか……」
寝子高の教室からグラウンドを見下ろしているのは、魔物たちをこの寝子島に連れてきた張本人、
魔王 ライカーガス
だ。
傾いた夕陽が校舎を朱色に染めていく。
「書類……終わったの?」
そこに声をかけてきた女生徒がいる。皆と同じ制服を着ていても、どこかミステリアスな雰囲気が人目を惹くその生徒は、
三宅 葉月
である。
「部活予算関係報告のまとめ、全部活分だから結構量ある筈だけれど」
異世界からライカーガスがこちらの学校のことを知るために生徒会に入り浸っているので、ここぞとばかりに仕事を任されたのだ。そこを個人的に葉月が手伝っている、というわけなのだが。
机の上に置かれた紙の束を見直して、ライカーガスは答えた。
「ああ、そっちはまだだ。というかむしろこれからだ」
「え……全然手も付けていないの? 私が引き受けた分はもう少しよ?」
この時間まで何をしていたの、とばかりの視線を送る葉月だが、ライカーガスはどこ吹く風だ。
「ははは、怒るな。こんなものはすぐにできるさ」
「……怒っては……いないけど……」
悪魔族のライカーガスは、人間の骸骨そっくりな外見をしている。超リアルな骨格標本といえば分かりやすいだろうか。その骸骨がブレザーを着て女生徒と談笑している姿はかなり異様だが、寝子高の生徒は今ほとんどが魅了されているので、そこに違和感を覚えることはない。違和感を持てる人間も、異世界の魔族たちに害意がないことを感じ取ると、あまり干渉しなくなっていた。この自由さが寝子高らしいと言えば言える。
その飄々とした態度に毒気を抜かれた葉月は自分の書類を持ってきてライカーガスの向かいに座った。
「もう……なら、さっさと済ませてしまいましょう。すぐにできると言うのなら証明して」
「ああ……そうするか。仮住まいだとしても引き受けた仕事はこなさなくてはな。……とは言え見張っている必要はないぞ」
促されるままに座って書類に手をかけるライカーガス。その口元は確かにほころんでいた。
「……嘘。目を離すとすぐにどこかに行ってしまう癖に」
「……ふふ」
葉月の言葉通り、魔王として幾多の魔物を治める立場のライカーガスは、寝子島に来てからあちらこちらと歩き回っていた。少しでも多くの情報……種族維持、繁栄に役立ちそうな文化を持ち帰らなければならない。それでもようやく少し落ち着いたのか、今度は狭いコミュニティ……例えば学校の生徒会のような管理する側の社会に関心を寄せていたのだ。
しばし、沈黙が続く。
少し窓から吹き込んでくる風が運んでいるのは、運動部の掛け声や遠くを走る車の音。そこに書類が擦れる音が加わって、ややもすれば面倒な確認作業に彩りを添えてくれた。
ふと視線を上げた葉月の視界には、真剣そうに書類を繰っているライカーガスの姿。
「……」
葉月はこの状況にある種の心地よさを感じていた。もちろん魅了の影響下にあるのは明らかなのだが、それを差し引いてもライカーガスに対してある種の魅力を感じている。魔物の長としての振る舞いや、意外と上品なものの言い方など、風格のようなものが感じられるのだ。
「……」
ライカーガスもまた、時折視界の端に入ってくる葉月の顔を見るたび、不思議な気持ちになるのだった。
この女生徒がある程度以上の好意を自分に抱いているのはわかっている。それは『魅了』の効果だ。自分がそうしたのだから当然だ。だが、それを向けられている自分の戸惑いまでは計算に入れていなかった。
どんな優秀な人物も自分が誕生した環境を超越した常識を身に着けることは難しい。それは魔王であるライカーガスにおいても同じことだ。寝子島の『フツウ』の平和は、ライカーガス達がやってきた異世界には、それこそ常識外れの概念で、それを余すことなく享受している住人たちの精神性は、およそ理解することはできなかったのである。
これまで魔物にとっては、生殖や婚姻というものは種族維持と種族繁栄のための手段のひとつにすぎず、必要不可欠な、しかし道具のひとつであった。そこで彼らはこの世界で新しい感情に触れることになる。
そう、『恋愛』だ。
もちろん人間たちのそうした感情は知識としては知るところであったが、生きるか死ぬかの魔物たちにはとても実感しがたいものであった。
改めて葉月の顔を眺め見るライカーガス。端正な顔立ちを彩るウェーブのかかった黒髪は陽の光を浴びて緑色にたなびき、その双眸はまるで上質な翡翠のように美しい輝きを宿している。楚々としたたたずまいはまるで作り物のように冷ややかな印象を与えることもあるが、時折垣間見せる確かな感情が、彼女がただの人形でないことを思い出させてくれる。
「……また手が止まっているよ、ライカーガス」
「ああ、もうすぐ終わる……葉月、この単語なのだが、こちら特有のもので意味が……」
書類を手渡すときにふっとふたりの手が触れる。
「……」
「……」
そのことについてはお互いに何も言わなかったが、ふたりの手のひらにじんわりとした熱を残した。
「それでだな、この単語とこちらの文章との関係が」
何だというのだろう、この感情は。ここにはあくまで種族繁栄のきっかけを探しにいるだけだというのに。
「ああ……それは厳密に言うと誤用ね。でも現代の口語では間違いじゃない……意味は……」
何だというのだろう、この気持ちは。相手は異世界からやって来た魔物だというのに。
「厄介だな……それならこちらは」
わかっている。もうしばらくで帰らなければならないということは。
「そっちは完全な誤用。というか誤字ね、正しくはこっちの……」
わかっている。もうすぐ帰ってしまうのだということは。
それでも、振り切れない気持ちが止まらない。
「ねえ……ライカーガス」
「……なんだ、葉月」
もっと一緒にいたい。ただ、それだけ。
「……キス、して?」
「……」
夕暮れの校舎。二人きり。完全な静寂。時間が止まる。
やがて、ふたつのくちびるがゆっくりと近づいて――
もう、互いの鼓動しか聞こえない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
コメディ
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月21日
参加申し込みの期限
2019年08月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年08月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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