ボイスコンテンツ搭載！　大きな声を出そう！｜リアクション

ボイスコンテンツ搭載！　大きな声を出そう！

9

　倒れた心をずるずると回収しながら、修は場末、それから有戸の二人を同時に相手取る。
　
　巨漢の場末を、修は相手取っていた。
（間合いは広く、近接は避けて･･････）
　
「へぇーーー！！」
　
　巨大な「へ」の文字ブロックをブーメラン代わりにして、相手を牽制する。
　場末はトリッキーに翻弄される。
　大声の一撃必殺が得意な場末、修の動きについて行けない。

　すれ違いざま、修は場末の体に組み付く。
「うおおおっ！」
　慌てる場末からすぐに修は距離を取り、「たーっ！」と裂帛の一声。
　「！」の刀を手に、場末へと突撃。
　そのまま咆哮で迎え撃とうとする場末。
　だが修は身をかがめて、全力でタックル。
　ひっくり返る場末。

　その背中から「にゃにゃにゃ―！」と猫の鳴き声が上がる。
　先ほど組み付いた際、敵の襟首に仕組んでおいた猫の鳴き声。
　とっさの声にパニックになる場末。
「！」のブロックで腹を突いて、上半身が沈んだところを頭部を一撃する。

　そうしながら、修は敵をを中盤へと引きずり出す。

（おそらく、あの屋根の上の味方の戦略は･･････）

　無言のままに、拓郎と修の連係プレーが成った。

　頃や良し。
　拓郎は胸をはって、大声で歌い始めた。

「あーい、わずぼーん、とぅ、らびゅー！」

　連続したブロックの作成なら、歌が一番。
　洋楽ならば、難しい漢字のように重量があってコントロールが難しいこともない。
　声量のある、力強い洋楽といったら、これしかないだろう。
　愛の力強さ、人間の素晴らしさを歌うその歌は、拓郎に実にふさわしい。

　バラバラのアルファベットが、流星のように相手に降り注ぐ！

　あわてて逃げまとう、場末、有戸、手那。

　――逃がさない！

　そこに現れるのは、新人ボイスアクター、落合まゆら。