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\ オーバータイム!/
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#彼女の曖昧な考察 ~獣性~
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【螺旋】
黄昏も過ぎ、ダーク・パープルの空に星の瞬きがトッピングされる頃合いのこと。
音海 なぎさ
は、シーサイドタウンは寝子島街道の歩道をゆっくりとたどっています。
(このへんだって聞いたんだけど……)
スマートフォンには、ねこったーのタイムライン。狼女騒動にまつわる情報が、そこには一手に集約されています。
いわく、走行中の車両の上になにかが飛び乗った。夜闇の中に、赤く光る瞳が輝いていた。少女の口元にぎらつく牙を見た。
情報は多様で虚実も曖昧。なぎさも、
(これは、ただの猫じゃないのかな……こっちのも、たぶん野良犬を見間違えただけっぽいよね)
半信半疑ではあるのです。
ただ、そんなふうにあやふやな中に時おり、真に迫るつぶやきが混じっているのも否定はできません。
(狼女を見た。投稿時間は15分前)
空にはまだ薄暮の明るさが残り、車や人通りもまばらになりつつあるとはいえ、人目がまるで無いわけではありません。往来に堂々と怪異が現れたなら、ざわめきや悲鳴、怒号が飛び交うことでしょう。
なぎさは液晶画面から目を上げ、宵の入り口を仰ぎます。星と雲に紛れて、真円には足りない楕円形の白い月が煌々と、そこには鎮座しておりました。
(月が綺麗な夜には、いろいろと惑わされることもあるっていうし。気をつけよう)
月光がもたらす怪異の逸話は事欠かず、なぎさもそのいくつかを知っています。確かに見上げていると、なんだか落ち着かない気分になってくるのも確かです。
にわかにざわついた心が、不意に起こった破壊音にびくと跳ねたのは、その時でした。
「な……え!?」
思わず取り落としそうになったスマホを危うく掴み、音の出どころを目線で探ります。
ちょっとした路地の暗がり。街灯のランプは砕け、ビルそのものが落とす巨大な影に覆われた細長い空間。真っ暗闇。なぎさにはまるで、この世のものでない魔物の巣とでも映ったかもしれません。
目にした瞬間、背中に冷たい手が這い上る感覚を覚えました。後ろから心臓を鷲づかみにされたような、身震いすらはばかられる寒気。足が地より浮かび上がった気さえします。
赤い、赤い、血を凝り固めたような。それは恐らく、二つの瞳でした。
喉がひりつき、つばを飲み下すことも難しく思えます。
ぐるる、と不機嫌な犬が唸りを上げるような。そんな音がなぎさの耳へ、胸へずるりと入り込みます。姿は見えないというのに。赤い瞳がなぎさを捉え、繋がっています。視線を切ることもできません、ひとたび目をそらせば途端に、まばたきの一瞬に、自分は縊り殺されてしまうのかもしれない。
予感がなぎさの全身を支配し、止め処なく全身から噴き出す汗は、冷たく体温を奪い去っていきます。
「なあ、こっちじゃね? こっちだったよな、さっきの音」
「ちょっと、なんなのよ急に」
唐突に湧いた男女の声が、なぎさを我に返らせました。
「いやだから、例の噂の……あ、なあ君! なんか見なかった? このへんでさ」
「……なんか?」
「知らない? 噂がさ。狼女のさ……」
「って、ねえ君、大丈夫? 汗びっしょりよ。顔も青いし」
軋むような音を立てる首をひとつ苦労しながら男女へ向け、なぎさは出来る限り平静を装う努力をしながら答えます。
「いいえ。なにも?」
路地に目を戻せば、赤い光はもう、灯ってはいません。
空を仰ぎます。月光がいつの間にか薄い雲のカーテンで遮られていることに、なぎさは今さらながらに気づきました。
呉井 陽太
が目を留めたのは、同じ寝子高の生徒であるからではありません。一見して、彼の様子が奇妙に見えたからです。
「どしたのん? なんかあった?」
声をかけてもしばし、なぎさの反応は返ってきませんでした。陽太は少し思考を巡らせ、
「なんか見た? たとえば……狼女とか」
ぴくりと小さな肩を揺らしてから、なぎさは陽太の目を覗き込みます。
「う……うん。たぶん。あれは、そうだと思う……」
「そっかぁ。ねえ、良かったら、情報交換といかない?」
初秋だというのになぎさは少しばかり肩を震わせ、陽太が差し出したコンビニの缶コーヒーを両手に包みました。
「大丈夫?」
「うん。だいぶ落ち着いたよ」
とはいえなぎさだって、これまでに何度もこうした怪異・異形、不可思議な出来事を経験してきたのです。陽太が驚くほどに、彼はすぐにいつもの自分を取り戻しました。
うなずき、陽太は切り出します。
「オレはさ。今度の噂は、
前回
の続きなんじゃないかって思ってるんだよねぃ」
「前回?」
「見てない? 『ミッドナイト・フリーキー・リポート』。秘子ちゃんのやってる、ネット配信番組だよぅ」
「ああ……」
深夜の病院に見た数々の現象を、陽太は語って聞かせました。
語りながらに、思い出します。
「……なぎさ君、ねこったーの流れはひと通り見たかい?」
「うん。それっぽいのもあれば、いかにも嘘っぽいのもあったよね。中には今度の噂とは関係なさそうなつぶやきも……」
「そう。それ! それなんだよぅ」
確かにタイムラインは、混沌としています。根も葉もないただのでっち上げ。オカルト番組で見た古い映像の転載。およそ狼女とは関連がないと思われる、イタズラめいた書き込み。
けれどその中に、陽太を疑わせるものがありました。
「書いてあったんだ。『フクロウみたいに大きな目を持つ何者かが、自分を見ていた』」
「フクロウ……?」
あの夜。多くの参加者が、あるいは入院患者たちが、目撃したのだといいます。
暗い廊下にたたずむ、異様に大きな黒い瞳。
雲の向こう、空にあってなお圧を発する巨大な質量。円状に巡るまばゆい光。
そして、
「『細くて、やけに節くれだっていた。鈍色の六本指』」
「ろっぽん……ゆび?」
今宵は、あの夜の続きなのでしょうか?
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月02日
参加申し込みの期限
2019年08月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年08月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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