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#彼女の曖昧な考察 ~獣性~
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【月】
突然の衝撃。足首を掴まれ引きずられているのだと、
来島 アカリ
は、めまぐるしく流れていく星空に気づきます。
「うあ、あああっ」
シーサイドタウンと星ヶ丘の境、民家の生け垣の内側へ引きずり込まれ、擦り傷だらけとなったアカリはかろうじて薄く目を開きます。
耳障りな荒い呼吸。頬にかかる吐息は熱く、ずるりと長い舌に舐めあげられ、アカリの肩は抑えきれず震えます。
喉が詰まり、悲鳴のひとつさえ上げることができず、アカリはただただぎらつく牙とその向こうに輝く月を見上げるばかり。下顎から垂れ落ちる唾液がアカリの滑らかな頬を伝い、怖気に無意識のまま後退ろうと試みるも、彼の足首はがっちりと捉えられたまま。
目を見開くも、街灯から外れた庭先には照明のひとつもなく、はっきりとその姿を確認することはできません。
「……! あ……」
けれど代わりに、恐らくはアカリの肉体が、生物的な本能によって察したのでしょう。
狼女。
生物として絶対的に覆らない、圧倒的な存在感。否応なく刻み込まれる絶望感。冷たい汗が肌にじわりと浮き出し、アカリは図らずも一瞬全てを諦めました。
「アカリ!!」
我に返ることができたのは、横合いから飛び込んだ
ロベルト・エメリヤノフ
のおかげ。彼のタックルは狼女の立ち位置をわずかでも動かすことはなかったものの、それでもアカリの足首は解放されました。
「せ、先輩……!」
「アカリ、立って! 逃げるんだ!」
ぐいと力強く腕を掴まれ、引かれるままにふたり駆け出します。けれど、
「あ、っぐ!?」
「せんぱ……っ」
無防備になったロベルトの背を縦に爪が走り、血の飛沫を弾けさせながら、彼はもんどりうって転倒しました。
「あ……アカリは、やらせない……!」
目は恐怖に濁り、いささか動転していても、ロベルトはアカリを後ろにかばい立ちふさがります。アカリは彼の背に開いた四本の傷から止め処なく滴る流れの赤さに、目の前が遠く暗くなる錯覚を覚えました。
耳につく熱い呼吸がにじり寄り、再び振り上げた爪がふたりを両断する、その直前。
「ふッ」
甲高い金属音が、爪を弾き返します。
朝鳥 さゆる
。無表情にバタフライナイフを翻す様は、まるで能を舞うかのよう。
刃の軌跡は嵐のように振るわれる爪を阻み、その間隙を狙って刃先を突き込みます。何度も、何度も。
やはり、鋭利なはずのナイフは幾度も狼女を傷つけているはずなのに、その動きが鈍ることはありません。
暗闇に閃く火花だけがしばし、爪と刃の咬合をアカリとロベルトに伝えました。
「そ、そうだ。これを……」
ロベルトにしがみ付きながら、わずかに残る理性を奮い立たせます。
アカリが震える手でポケットから抜き出したのは、ビーフジャーキー。狼避けとして持ち歩いていたそれを、狼女の肩越しに向こうへ投げてやると、
「……あら。もう終わりなの」
肩をすくめたさゆるをよそに、俊敏な身のこなしで放物線を描くジャーキーを空中でくわえ、狼女はそのままふっと闇の中。まるでなにもなかったかのように、消えてしまいました。
さゆるが手首を翻してナイフの刃を収納したところで、
「だ、大丈夫!?」
街路の脇にうずくまるロベルトを目にして、
音海 なぎさ
はざあっと血の気が引くのを感じました。かたわらで彼の袖をつかんだまましょげているアカリの悲壮な表情が、それに拍車をかけています。
すぐさまメディカルバッグから取り出したあれこれで治療を始めると、どうやら傷は出血量ほどに致命的なものではなく軽微であることが分かって、なぎさはほっと深く息をつきました。
「良かった、これなら大丈夫。ちらっとだけ見えたけど……例の、狼女?」
「ありがとう。うん、そうみたい。痛たたた」
包帯をきつく結ばれ身をよじったロベルトに、アカリがぴくりと肩を揺らします。
「先輩、無茶するから……」
「いやぁ、カッコイイところがカメラに映れば、美少年にモテるかなぁと思って。カッコよかった?」
「……ばか」
うつむいて声を震わせたアカリの頭へ、ロベルトは苦笑いしながら手のひらを添えました。
「あれ? というか、カメラマンは? 胡乱路は? 僕のカッコイイところ……」
「はあ。はあ。ふう。ふう。やっと。追いつきました。はあ、ふう、あら音海さん、こんばんは。んふふ、わたくし、少しだけ、休ませていただきます……」
バテバテな秘子がやってきて、くてんと道ばたに寝転びます。せっかくの怪異に肉薄した瞬間であったのに、この体力の無さでは、とても良い映像など望めそうにありません。
「ちょっと、考えが甘かったみたいだね……」
ぽつりとつぶやいたなぎさの暗い言葉に、皆が振り返ります。秘子もぼさぼさになったピンク髪の向こうから、彼を覗きます。
「少しだけ、思ってたんだ。あの狼女は、こちらから攻撃性を見せなければ、攻撃してこないんじゃないかって。僕は襲われなかったし……それにほら、あの映像だとさ」
始まりの映像。なんらかの施設で行われていたらしい、非人道的な実験。それを鑑みたなら、いささかやりすぎではあれど、正当防衛とも評することはできたかもしれません。
不鮮明ながら映像の中の少女は、言葉も発さず苛烈に他者へ噛みつくようなタイプには見えませんでした。
けれど、さゆるへの襲撃には脈絡などなかったし、アカリが五十メートルも地を引きずられたのも実に唐突なことでした。
「もしかして……」
はっとしてなぎさが夜空を仰いだのにつられて、その場の全員が首をそらし、見上げます。
青みがかって白い月が千切れ雲のヴェールを羽織り、脱ぎ捨てるのを繰り返して、今夜の空はめまぐるしくその色を変えているようです。
「もしかして、狼女は……本当は攻撃したいわけじゃないのかも?」
月は物言わず、ただただ佇むばかり。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月02日
参加申し込みの期限
2019年08月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年08月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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