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#彼女の曖昧な考察 ~獣性~
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【邂逅】
来島 アカリ
の手には、ビーフジャーキー。
ロベルト・エメリヤノフ
が携えているのは、骨のかたちをした犬用おやつです。
夜に怪異を探るにはいささか心もとない武器を見下ろし、ふたりはぽつりぽつりぽつりとつぶやくように言葉を交わします。
「これでなんとかなるとは思えねー……」
「だ、だ、大丈夫だよ来島! 狼だって犬みたいなものだよ、なんとかなるなる!」
全然大丈夫じゃなさそうな声の上ずりに、返ってくるのはアカリのジト目。
「大体、どうして引き受けちゃったんですか。先輩、怖いの苦手なのに」
「誰が? 僕が!? 苦手だって!? ははは、全然!」
「この前の病院のこと、忘れちゃったんですか? まったくもー」
深夜の静まる入院病棟。そこで目にしたあれこれは、ロベルトのまぶたに焼き付いています。
はっきりとした姿をとらえたわけではありません。けれどあの、黒い瞳。大きな大きな、フクロウめいた瞳。闇の中にもぽっかりと、ブラックホールのような深淵が確かに、ふたりを覗いていたのです。
あれがなんであったのか、未だに……いいえ、ごく簡単な言葉で言い表すことはできるでしょう。それでもふたりには、その突拍子もない単語を口にするのははばかられました。あまりにも現実からは浮いて思えたので。
そんな恐ろしい体験を経てなお、ロベルトが狼女などという異形の存在を追うこととなったのは、友人たる秘子に応えてのことばかりではありません。
(美少年を前に、恥ずかしいところは見せられないからね。僕の格好いいところを披露しなきゃ!
それにしても、狼女かぁ。どうせなら、『狼美少年』ならよかったのにね。
月夜を背に吼える美少年……う~ん、絵になるなぁ!
狼耳と尻尾が生えてるのもいいよね、ああ美少年の尻尾をモフモフしたい、モフモフモフモフ)
「……先輩。またしょうもないこと考えてるでしょ」
あっさりと見透かされ、ロベルトは所在なく頭をかきました。
「ん?」
と。その時に。
「誰か……くる?」
つぶやいたアカリの横顔が、ロベルトにはやけに白く見えました。
こつ。こつ。こつ。こつ。
人波もすっかり失せた街路の向こうから、ゆっくりとした靴音が近づいてきます。
こつ。こつ。こつ。こつ。
「せ、先輩……!」
「べべべ別になんてことない、ただの通行人だよきっと! 狼女なんて、いるわけが……!」
こつ。こつ。こつ。こつ。こつん。
ふたりに気づいたのでしょうか。靴音は一瞬ぱたりと止み、すぐにも。
か、か、か、か、か。駆け出した何者かが暗がりを横切り、ふたりをめがけ迫ります。反響する音は距離感を曖昧にし、頼りない街灯はいつまでたってもその姿を明るく映し出しはしません。
か、か、か、か、かつん。
「……ああ、やっぱり! おふたりでしたね、んふふ。こんばんはエメリヤノフさん、こんばんは来島さん。今夜も仲がおよろしいこと。なんて素敵! これはぜひ、写真に残しておきませんと。んふふふふ♪」
にんまりと笑った秘子の顔が闇からにじみ出た瞬間、ロベルトとアカリはたがいの背をきつく抱き締め合い、昼間の熱を放出する生温かいアスファルトへぺったりと腰を落としながら、スマホのカメラのフラッシュを浴びました。
街灯と街灯の隙間で。知覚する間もなく。
「ずいぶんといきなりね」
朝鳥 さゆる
の身は知らずのうちに跳ね、距離を置き襲撃者と相対します。
ひりつく肌に覚えた痛痒。今夜、おさめ切れない昂りに敏感な皮膚が、さゆるの神経に危機を伝えたのでしょうか。むき出しの二の腕に四本引かれたルージュのような細い赤へ、ぷつ、ぷつと紅玉が生まれます。
(ちょうどいい)
退屈していたから。
いつもならゆきずりの男か女か、誰かとベッドへもぐり込むところが、今夜はどうにも間が悪いようです。適当な暇つぶしの相手が見つからないまま、飲み慣れた睡眠導入剤もあいにくと切らしていて、さゆるはのぼせたように街路をさまよっていました。
だから、ちょうどいい。
取り出したバタフライナイフを芸術的な手さばきで展開し、全身を警戒状態のまま留め置きます。
脈絡のない何者かの姿は、はっきりと見えません。歪なシルエット。唸り声と、残光を引く赤い瞳。ときおりぎらつく手指の爪が、さゆるの肌を粟立たせています。
轟音。コンクリートを踏み抜きながら跳躍したのだと気づき、さゆるのナイフは翻り、刃の先端をぴたり相手へと定めます。
「来なさい」
発射された砲弾のように飛び出すと次の瞬間には肉薄し爪を薙ぎ、身をかわしたさゆるの首のすぐ横で、がちりと鳴った牙。
どうやら直立した獣のような形です。さゆるは噂を知らず、狼女という語感すら思いもよらないものの、交差の瞬間に思い起こしたのはいずれにしろそのようなものです。
あまりにも鋭利な爪は触れた街灯の金属をえぐり、さゆるの転げた地面めがけ爪痕を刻み、触れれば人の肉などたやすく五分割となるでしょう。
半歩引いて鼻先で薙ぐ爪をかわし、すれ違いざまにナイフの先端を相手の脇腹へ滑り込ませます。硬い毛に阻まれる感触はあれど、肉を裂いた実感もまた手には残りました。
爪の軌道から身を離し、ギリギリの間合いからナイフの一撃。幾度も同様の交錯を繰り返します。
けれどやがて、さゆるは違和感に気づきます。
手数を重ねても、相手の動きが鈍る様子はちらともありません。地面へ垂れる赤黒い雫はほんの数滴のみ。
(傷が……ふさがってる)
傷を負った端から、強烈に肌と肉が再生してゆく。さゆるにはそのように見えました。
その時にいたり、さゆるはようやくにして、伝承や物語に語られるステロタイプな怪物の姿を脳裏に思い描きました。
「……あっ!」
横合いから、浮ついた声が飛び込んできたのはその時でした。
「胡乱路、あれ! 見えた!? 撮れた!?」
「う~ん、残念ながら光量が足りませんね」
興奮気味なロベルトと、スマホを掲げた秘子。かたわらには心配そうに先輩の袖をつかむアカリの姿もあります。
多勢に無勢と見たか。あるいはそもそもにして、人を避ける習性があるのでしょうか。思えば喧噪のさなかでの目撃証言はいまだ確認されていません。
ともあれ気づくと相手は背を向け、夜空へ跳び去っていきました。
「ち」
さゆるはひとつ舌を鳴らします。せっかくの暇つぶしが。
「あら? こんばんは、朝鳥さん。今日も夜歩きですか? お暇でしたら、わたくしにお付き合いいただけませんか? んふふふ」
とはいえ、やってきた彼女らに話を聞けば他でもない、先ほどの何者か……いわく狼女とやらを追いかけているのだといいます。
「……いいわよ」
「まあ、ありがとうございます! んふふ」
付き合ってやるのも、悪くはないでしょう。何しろまだ、夜は長いのですから。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月02日
参加申し込みの期限
2019年08月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年08月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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