【体育祭2nd】アニマル☆スター、熱く翔る！｜リアクション

【体育祭2nd】アニマル☆スター、熱く翔る！

　巫部紫苑は教室のドアを開けて中を覗き込む。
「ここなら着替えが出来そうですね」
　いそいそと入ってドアを閉めた。着ていたジャージを脱いで持参したコスチュームに着替える。最後に黒いオーバーニーソックスを手にした。皺が入らないように穿いていく。
「バニーガールはウサギなのでアニマルですよね♪」
　明るい声でぴょんと飛び跳ねる。セパレートの水着のように簡単な作りなので揺れた胸が零れそうになる。紫苑は頭の黒い耳の位置を正してにっこりと笑う。
「競技もいいですが、応援も必要です」
　大きく胸を弾ませて小走りでグラウンドへと向かった。

　男性を中心にどよめきが起こった。小走りで現れた紫苑の豊かな胸は無秩序に暴れて白い布地から零れ落ちそうに見える。
「バニーガールのチアリーダーですよー」
「スカートが短すぎでは……」
　紫苑は弾むように歩く。スカートの一部が捲れて水着のような黒い鋭角の物が見えた。
「失礼します」
　周囲の声が耳に入っていないのか。紫苑は観客の中に割って入る。
　辿り着いたレジャーシートには誰も座っていなかった。大型のリュックサックが重石のように中央に置かれていた。
「黒猫組の人が走るようですね」
　紫苑はグラウンドを見ながら靴を脱いだ。リュックサックに寄り添っていた二つの紫色のポンポンを手に取ると、その場で緩やかに跳んだ。
「みなさ～ん、頑張ってくださいね～♪」
　二つの巨大な丸みが激しく揺れる。二つのポンポンが適当に振られる。周囲にいた男性は乗り物酔いに襲われたかのようにふらふらとなった。
　真横にいた雨崎楓香は横目で巨大な膨らみを睨み付ける。自身と見比べるとポンポンの動きが速くなった。
「白猫組、ファイッ、ファイッ、ゴー、ゴォォォォ！」
　その場で跳躍すると両脚を水平に広げた。目にした紫苑は微笑んだ。
「二人で華やかに楽しく応援しましょう♪」
　紫苑の動きに合わせて胸は弾みながら競り上がる。あら、と口にして手で押し戻す。
　男性陣から熱い溜息が漏れる。
　楓香は血走った目でポンポンを振り回した。
　場は異常な盛り上がりを見せた。楓香は息を荒げながらも応援に集中する。
「私の出番ですね」
　紫苑はポンポンを置いた。胸を弾ませてスタートラインに立つ。
「バニーガールの姿で走れるのか？」
「それより格好が際どいんだけど……」
　周囲がざわつく中、紫苑は百メートルを走る。遅れを気にすることなく、圧倒的な胸を四方に揺らす。スカートは捲れ上がって黒い布地を見せ付けた。
「ゴールですね♪」
　バニーガールの格好で艶然と笑う。方々から指笛が鳴らされた。それ以上の拍手を紫苑は全身で受け止めた。