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- 00月00日生 00歳
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【体育祭2nd】学科対抗リレー～あなたはどうしてロミオなの～
その前を進んでいた神野 美野梨とブリジット・アーチャーは、衣装に防水スプレーを使ってきたようだが、泥のなかに別のぬめり成分を仕込まれていたため役に立たず、跳ねてしまった汚れは避けられそうにない。
とはいえ、雪国での滑りにくい歩き方を覚えてきたので、転ばないようゆっくり進むことはできる。
波打つ泥を相手に、どこまで踏ん張れるかという体力勝負な面はあるが、足を上げるわけではないので、自らの飛沫ではそれほどの汚れはなさそうだ。
背負われているブリジットも、周囲のロミオの動きを注視して、巻き込まれることだけは避けようと考えているも、先を行く志波 拓郎と志波 武道も距離をとってくれるのでぶつかる心配はない。
追いつけないと暗に言われているようで、それはそれで悔しいのだが、美野梨の細腕や脚にこれ以上負担をかけるわけにもいかない。
「いざとなれば、私は飛び降りて転倒を防止するわ。重りはつけさせないから安心しなさい」
「それは助かるけど……勢い余って、私を泥に溺れさせないようにしてね」
美野梨の頭の中には、ブリジットが自分を踏み台にして、華麗に回転などして着地する様が流れていた。身軽になることで踏ん張りたいところだが、ブリジットに勢いがついていれば泥の中に盛大に転んでしまうかもしれない。
二人の頭で流れる予想図が違っているのだろうか？ こんな出し物なのだから、それもオイシイのだろうけど――できれば、平穏なゴールを迎えたいと、美野梨はブリジットを抱え直した。
第五走者 スタンバイ
アンカーの北里 雅樹は実行委員に手を引かれ、スタート地点に立って１回転半。
声で進んでいく競技だからだろうが、これではバトンはどちらから受け取るのか、椎井 莉鳥がどちらの方向にいるのかが全くわからない。
衣装はくじ引きに参加したら、チャンパオとチャイナドレスの組み合わせで、莉鳥が「ロマンの欠片すらない私たちにはぴったりかもね」と苦笑していたことが思い起こされる。
もし下手に、ロミジュリっぽい貴族服だったりなんかしたら、彼女に無表情のまま見つめられたかもしれない。
（さて、なんて言ってかけつけようかな）
普通、というのが難しい間柄になってしまった。幼馴染という関係は変わらないはずなのに、一度恋人へと関係を変えてしまったからか、全く何もなかった幼馴染に戻すのもしっくりこない気がして。
今は幼馴染で、親友？ 腐れ縁？ 取り扱いの難しい元カノにふさわしい迎えの言葉を、雅樹はバトンが到着するまで考えることにした。
続いてスタンバイするのは、初瀬川 理緒。
去年はモデルの仕事が忙しく、体育祭に参加することは叶わなかったが、高校最後の体育祭にはなんとかスケジュールの都合をつけて参加することができた。
仕事柄、季節感のない水着グラビアや一般ファッション誌の撮影に勤しんでいれば、体育祭だったことも頭から離れてしまいかけたのだが、それを差し引いても忙しく、満足に練習時間はとれなかった。
（なんだか可愛い衣装が引けたし、せめて紗月が楽しんでくれてたらいいんだけど）
ロミオの理緒は、猫の紋付。そしてペアの佐和崎 紗月は着物をリメイクしたような和ドレスだ。
着替えの時も、夏休みの一件を引きずっているのか、この衣装に緊張してか、紗月の口数が少なかったので「今度はＷドレスを着てみようね」なんて冗談めかして言ってみたのだけど……ちゃんと聞こえていただろうか。
（私は二人の絆を信じてるからね、紗月）
檻へスタンバイする紗月は、遠目に理緒の姿を確認して緊張していた。
まだ記憶に新しい、今年の夏休み。あのすれ違いを、理緒はどう思っているだろうかと不安だった。
紗月は乗り越えたと思っている。だからこそ、あの時から二人の絆はより強くなったと思う……多分。そう、思いたいだけなのかもしれないと自信が持てなくなるほど、二人は対照的だった。
釣り合うだとか、本人の価値観にしかわからないことだとわかってはいても、何もかも違いすぎて『釣り合わないのでは』という不安がつきまとっていて。
練習ができなかったことも、お互いに受験勉強だってあるし、理緒には仕事がある。それは十分にわかっているし、寂しいなどわがままを言うつもりは毛頭ない。
リレーのスタンバイをして、そしてこれが二人の絆を試されるものだからこそ、まざまざと現実を突きつけられたら、立ち直れるだろうかと不安なのだ。
（それでも、私は……理緒ちゃんを信じたい）
リレーには勝てなくても、自分の心に勝てますように。紗月は、この不安が思い過ごしであることを払拭するように祈った。
とはいえ、雪国での滑りにくい歩き方を覚えてきたので、転ばないようゆっくり進むことはできる。
波打つ泥を相手に、どこまで踏ん張れるかという体力勝負な面はあるが、足を上げるわけではないので、自らの飛沫ではそれほどの汚れはなさそうだ。
背負われているブリジットも、周囲のロミオの動きを注視して、巻き込まれることだけは避けようと考えているも、先を行く志波 拓郎と志波 武道も距離をとってくれるのでぶつかる心配はない。
追いつけないと暗に言われているようで、それはそれで悔しいのだが、美野梨の細腕や脚にこれ以上負担をかけるわけにもいかない。
「いざとなれば、私は飛び降りて転倒を防止するわ。重りはつけさせないから安心しなさい」
「それは助かるけど……勢い余って、私を泥に溺れさせないようにしてね」
美野梨の頭の中には、ブリジットが自分を踏み台にして、華麗に回転などして着地する様が流れていた。身軽になることで踏ん張りたいところだが、ブリジットに勢いがついていれば泥の中に盛大に転んでしまうかもしれない。
二人の頭で流れる予想図が違っているのだろうか？ こんな出し物なのだから、それもオイシイのだろうけど――できれば、平穏なゴールを迎えたいと、美野梨はブリジットを抱え直した。
第五走者 スタンバイ
アンカーの北里 雅樹は実行委員に手を引かれ、スタート地点に立って１回転半。
声で進んでいく競技だからだろうが、これではバトンはどちらから受け取るのか、椎井 莉鳥がどちらの方向にいるのかが全くわからない。
衣装はくじ引きに参加したら、チャンパオとチャイナドレスの組み合わせで、莉鳥が「ロマンの欠片すらない私たちにはぴったりかもね」と苦笑していたことが思い起こされる。
もし下手に、ロミジュリっぽい貴族服だったりなんかしたら、彼女に無表情のまま見つめられたかもしれない。
（さて、なんて言ってかけつけようかな）
普通、というのが難しい間柄になってしまった。幼馴染という関係は変わらないはずなのに、一度恋人へと関係を変えてしまったからか、全く何もなかった幼馴染に戻すのもしっくりこない気がして。
今は幼馴染で、親友？ 腐れ縁？ 取り扱いの難しい元カノにふさわしい迎えの言葉を、雅樹はバトンが到着するまで考えることにした。
続いてスタンバイするのは、初瀬川 理緒。
去年はモデルの仕事が忙しく、体育祭に参加することは叶わなかったが、高校最後の体育祭にはなんとかスケジュールの都合をつけて参加することができた。
仕事柄、季節感のない水着グラビアや一般ファッション誌の撮影に勤しんでいれば、体育祭だったことも頭から離れてしまいかけたのだが、それを差し引いても忙しく、満足に練習時間はとれなかった。
（なんだか可愛い衣装が引けたし、せめて紗月が楽しんでくれてたらいいんだけど）
ロミオの理緒は、猫の紋付。そしてペアの佐和崎 紗月は着物をリメイクしたような和ドレスだ。
着替えの時も、夏休みの一件を引きずっているのか、この衣装に緊張してか、紗月の口数が少なかったので「今度はＷドレスを着てみようね」なんて冗談めかして言ってみたのだけど……ちゃんと聞こえていただろうか。
（私は二人の絆を信じてるからね、紗月）
檻へスタンバイする紗月は、遠目に理緒の姿を確認して緊張していた。
まだ記憶に新しい、今年の夏休み。あのすれ違いを、理緒はどう思っているだろうかと不安だった。
紗月は乗り越えたと思っている。だからこそ、あの時から二人の絆はより強くなったと思う……多分。そう、思いたいだけなのかもしれないと自信が持てなくなるほど、二人は対照的だった。
釣り合うだとか、本人の価値観にしかわからないことだとわかってはいても、何もかも違いすぎて『釣り合わないのでは』という不安がつきまとっていて。
練習ができなかったことも、お互いに受験勉強だってあるし、理緒には仕事がある。それは十分にわかっているし、寂しいなどわがままを言うつもりは毛頭ない。
リレーのスタンバイをして、そしてこれが二人の絆を試されるものだからこそ、まざまざと現実を突きつけられたら、立ち直れるだろうかと不安なのだ。
（それでも、私は……理緒ちゃんを信じたい）
リレーには勝てなくても、自分の心に勝てますように。紗月は、この不安が思い過ごしであることを払拭するように祈った。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年07月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年08月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年08月01日 11時00分
