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- 00月00日生 00歳
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【体育祭2nd】学科対抗リレー～あなたはどうしてロミオなの～
第三走者が泥の沼地にさしかかり、第四走者もスタンバイを始める。
今にも泥の沼地を抜けそうなのは、五十嵐 尚輝と御巫 時子だ。
バトンを受け取る神野 美野梨にはその様子は見えていないが、ペアのブリジット・アーチャーは遠目から固唾を呑んで見守っている。
ドレス姿で祈りを捧げる姿は確かにジュリエットらしいのだが、そのドレスは以前ミス研の劇で使った物。ジュリエットの左胸には血の染みがついており、犯人役のロミオの袖口にもよく見ると血が……『ジュリエット殺人事件』という演目なのだから致し方ない。
「尚輝先生、沼は残り１０歩もありません。ゆっくり進んでください」
バトンを落とさないようにしっかり握りしめ、反対の手ではハンカチを取り出して、滲んできた尚輝の汗を拭う。
「沼を抜けた先はコーナーです。泥に濡れて足元が悪いかもしれません、無理はしないでくださいね」
芸術科アニマルチームが事故に遭ったおかげとはいえ、１位を守ってくれているのだ。これ以上の負担を尚輝に強いることは、時子にはできない。
追い上げてくるのは体育科の星チーム、少し差があり芸術科の星チーム富士山 権蔵と響 タルトだ。
長身と幅広の肩を持つ権蔵は、タルトを片方の肩に座らせ、担ぐスタイルで泥の沼地を横断した。おかげで５位スタートにも関わらず、２位にくらいつくのではないかという接戦を見せている。
「さっすがフジコ先生！ ここは土壇場だね！」
「ホホホ、ドレスの足さばきは、レディの嗜み……っ!?」
「あ」
追いつけ追い越せと後ろから体育科アニマルチームが接戦していたせいで、権蔵のスーツドレスの裾が踏まれてしまう。
権蔵は体勢を崩し、このままではタルトは頭から泥を被って、猫になる可能性も少なくない。
「うわっ、わわっ！」
せめて尻もちなどついて、猫になるのだけは回避しなければ。悪戦苦闘をするタルトは、潔く滑り降りてしまおうかと考えた。
しかし、泥の沼地はあと僅かだ。
「先生耐えて！ あと３……いや、２歩歩いてくれたら、僕飛べるよ！」
そこへ、普通科星チームがフラフラとやってくる。足元が泥に取られ、覚束ない様子だ。
「うわぁああ!? ……あ、あれ？」
盛大にぶつかった。タルトは、普通の人たちの前で誤魔化しの効かないろっこんが発動することに頭が真っ白に――なっていたのだが。どうやら、体育科のアニマルチームと普通科の星チームが重なり合った上に落ちたようで、タルトは猫にならずに済んだ。
ほんの少し心苦しいが、あとで濡れタオルの差し入れでも渡そう。
そう心に決めて、権蔵とタルトは先を急いだ。
第四走者 スタート
第三走者から二番手にバトンをうけとり、軽やかなスタートをきったのは志波 拓郎だ。
聴診器を首からかけ、白衣を翻し。包帯による目隠しの上から眼鏡をかけて走る姿は、ミイラ男のドクターを彷彿させるようだ。
恵御納 夏朝も４位というスタートになったが、ウサギ耳を懸命に揺らしてしっぽ付きタキシードで進む姿は、迷子の子うさぎのようで愛らしい。
そして、スタート時に１位の神野 美野梨とブリジット・アーチャーは余裕が見て取れた。
ドラム缶の海もクリアし、あとはジュリエットと合流するだけなのだが……ブリジットが突然煌めきだす。
どうやら、指をならしてろっこんを発動させ、雲の隙間から注ぎ込むようなスポットライトを浴びているらしい。
……が、昼の屋外。美野梨は目隠しをしているのも相まって、それだけでは目印となりそうもない。
「仕方ないわね、やはりここは……romeo romeo why are you romeo」
スポットライトを浴びながら、ブリジットは流暢な英語で呼びかける。まるで、舞台の一幕――とも思えそうだが、もう一度言おう。ジュリエットの衣装は血で汚れている。どうプラスに見ても、穏便な舞台でないことは確かだ。
ミス研の舞台を見ていなかった観客からは、一体あの二人には何があったのだろうかとどよめきが上がっている。
（英語が……あっちね！）
「romeo romeo where are you going? romeo」
「あら？ 通り過ぎたかしら……」
「美野梨、合流したあとも目隠しはそのままで。やり直しになるかもしれない」
「このまま、パン食い競走に泥の沼地へ……？ わかったわ、ブリジットさんが頼みね」
合流さえすれば目隠しを外して良いと思っていた美野梨は、うっかり外しそうになった手を慌てて引っ込める。代わりにブリジットを背中におぶって、次の関門へと急いだ。
今にも泥の沼地を抜けそうなのは、五十嵐 尚輝と御巫 時子だ。
バトンを受け取る神野 美野梨にはその様子は見えていないが、ペアのブリジット・アーチャーは遠目から固唾を呑んで見守っている。
ドレス姿で祈りを捧げる姿は確かにジュリエットらしいのだが、そのドレスは以前ミス研の劇で使った物。ジュリエットの左胸には血の染みがついており、犯人役のロミオの袖口にもよく見ると血が……『ジュリエット殺人事件』という演目なのだから致し方ない。
「尚輝先生、沼は残り１０歩もありません。ゆっくり進んでください」
バトンを落とさないようにしっかり握りしめ、反対の手ではハンカチを取り出して、滲んできた尚輝の汗を拭う。
「沼を抜けた先はコーナーです。泥に濡れて足元が悪いかもしれません、無理はしないでくださいね」
芸術科アニマルチームが事故に遭ったおかげとはいえ、１位を守ってくれているのだ。これ以上の負担を尚輝に強いることは、時子にはできない。
追い上げてくるのは体育科の星チーム、少し差があり芸術科の星チーム富士山 権蔵と響 タルトだ。
長身と幅広の肩を持つ権蔵は、タルトを片方の肩に座らせ、担ぐスタイルで泥の沼地を横断した。おかげで５位スタートにも関わらず、２位にくらいつくのではないかという接戦を見せている。
「さっすがフジコ先生！ ここは土壇場だね！」
「ホホホ、ドレスの足さばきは、レディの嗜み……っ!?」
「あ」
追いつけ追い越せと後ろから体育科アニマルチームが接戦していたせいで、権蔵のスーツドレスの裾が踏まれてしまう。
権蔵は体勢を崩し、このままではタルトは頭から泥を被って、猫になる可能性も少なくない。
「うわっ、わわっ！」
せめて尻もちなどついて、猫になるのだけは回避しなければ。悪戦苦闘をするタルトは、潔く滑り降りてしまおうかと考えた。
しかし、泥の沼地はあと僅かだ。
「先生耐えて！ あと３……いや、２歩歩いてくれたら、僕飛べるよ！」
そこへ、普通科星チームがフラフラとやってくる。足元が泥に取られ、覚束ない様子だ。
「うわぁああ!? ……あ、あれ？」
盛大にぶつかった。タルトは、普通の人たちの前で誤魔化しの効かないろっこんが発動することに頭が真っ白に――なっていたのだが。どうやら、体育科のアニマルチームと普通科の星チームが重なり合った上に落ちたようで、タルトは猫にならずに済んだ。
ほんの少し心苦しいが、あとで濡れタオルの差し入れでも渡そう。
そう心に決めて、権蔵とタルトは先を急いだ。
第四走者 スタート
第三走者から二番手にバトンをうけとり、軽やかなスタートをきったのは志波 拓郎だ。
聴診器を首からかけ、白衣を翻し。包帯による目隠しの上から眼鏡をかけて走る姿は、ミイラ男のドクターを彷彿させるようだ。
恵御納 夏朝も４位というスタートになったが、ウサギ耳を懸命に揺らしてしっぽ付きタキシードで進む姿は、迷子の子うさぎのようで愛らしい。
そして、スタート時に１位の神野 美野梨とブリジット・アーチャーは余裕が見て取れた。
ドラム缶の海もクリアし、あとはジュリエットと合流するだけなのだが……ブリジットが突然煌めきだす。
どうやら、指をならしてろっこんを発動させ、雲の隙間から注ぎ込むようなスポットライトを浴びているらしい。
……が、昼の屋外。美野梨は目隠しをしているのも相まって、それだけでは目印となりそうもない。
「仕方ないわね、やはりここは……romeo romeo why are you romeo」
スポットライトを浴びながら、ブリジットは流暢な英語で呼びかける。まるで、舞台の一幕――とも思えそうだが、もう一度言おう。ジュリエットの衣装は血で汚れている。どうプラスに見ても、穏便な舞台でないことは確かだ。
ミス研の舞台を見ていなかった観客からは、一体あの二人には何があったのだろうかとどよめきが上がっている。
（英語が……あっちね！）
「romeo romeo where are you going? romeo」
「あら？ 通り過ぎたかしら……」
「美野梨、合流したあとも目隠しはそのままで。やり直しになるかもしれない」
「このまま、パン食い競走に泥の沼地へ……？ わかったわ、ブリジットさんが頼みね」
合流さえすれば目隠しを外して良いと思っていた美野梨は、うっかり外しそうになった手を慌てて引っ込める。代わりにブリジットを背中におぶって、次の関門へと急いだ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年07月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年08月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年08月01日 11時00分
