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──月の夜の 2
夜空には満月が輝いている。
瞬く星の光をすべて消し去るほどに眩く、地上に宿る家々の灯火を圧倒するほどに禍々しく。
蒼白に煌く光の矢を無数に降らせる巨大な満月の下には、夜陰よりもなお昏い色したナニカが一匹。
九夜山の天辺に両の前脚を揃えて座るそれは、樹々よりもずっとずっと大きかった。肉球の足で何十何百本もの樹々を押し潰し、空に浮かぶ巨大な月と同じ色した瞳を細め、それは猫のように鳴いた。
ああお、と退屈そうに響くその声は獣の鳴き声というよりも怪獣の咆哮に近い。前脚を踏み代えれば、足元の樹々が木っ端微塵に砕け散った。気まぐれに歩き出せば、ミシミシと山が軋んだ。
ああお。猫の声でそれが吼える。
怪獣映画みたいだと
万条 幸次
は思った。
猫のかたちした巨大なそれの上空から見下ろす構図を不思議に思いながらも、なんとなく理解する。あれは、あの巨大怪獣のような猫は、自分自身だ。
山津波じみて九夜山を駆け下りる。踏み出す度に樹々が肉球の下で折れて潰れる。地面が抉れる。三夜湖に足の先が浸かって、慌てて引き上げる。濡れた前脚をぺろりと舐めて、かたちの変わった三夜湖をひょいと跨げば、次に踏み出した前脚が九夜山の展望台をぐしゃりと崩壊させた。
高い鉄塔さえも、それの目に映るとちっぽけな爪楊枝ほどに見える。なにげなく猫パンチをくりだせば、送電線は火花をまき散らしながらぺきりと折れた。
火花に焙られた肉球がちりちりと痛んだけれど、気にするほどではない。
鬱陶しい鉄塔を尻尾で払いのけ、それは山を下る。寝子島神社を踏み潰し、参道商店街に連なるマッチ箱のような家々をぷちぷちと潰し、それは進む。潰れた家々から火が出ても、慌てた人々が飛び出して行っても、構いはしない。
足元で誰かが喚いている。小さすぎて聞こえない声で何か言いながら、毛の先ほどの棒切れを持って爪先に触る。攻撃を仕掛けられている感覚さえないまま、それはごろりと転がった。背中の下で何かが潰れてゆく。なんだか背中が痒い気がして地面にもじもじと背中をこすり付ける。
それだけの動作でシーサイドタウンの街が破壊されてゆく。奇跡的に残った駅のてっぺんがふと気になって、がぶりとかじりつく。ジャリジャリした石の味にすぐに吐き出す。
ただただ、本能のままに突き進む。
建物を踏んで倒して、気まぐれに歩いては寝転がり、目の前にあるものにかじりつき、満月に照らし出されるありとあらゆるものを壊していく。
(……なんでこんなことしてるんだろうな)
ぼんやりと思いはするのに、頭がまともに働かない。月影に沈んでしまったように思考が闇に沈んでいる。
(ああ、)
怪獣となった自分の身体ばかりが動いている。動く度に島の何かしらを踏み潰して砕いて食い千切って折り曲げて捩じ切って、
(フツウが壊れる……)
町が、島の人たちが──
唇を噛む痛みで目が覚めた。
身体は冷えているのに、それよりも冷たい汗が額や背中を這っている。金縛りに遭ったように身体中の筋肉が軋んでいる。
握りしめ続けていたのかぎこちなくしか動かない指先にゆっくりと力を籠める。夢が夢であったことを確かめたくて、ぐるりと丸まって動き辛い身体を強引に伸ばして起こす。
見開いたままだった瞳がひどく痛んだ。ぎゅっと瞼を閉ざせば、涙が一筋頬を伝った。
息を忘れていたことを思い出す。空っぽの肺に空気を満たしながら、視線を巡らせる。
月が見えた。
ぎくりとするも、夢に見た不気味さは感じられない。
(ああ、……そうか)
ひとのかたちをした自分の掌を月明りに見下ろして、身体を丸めていたのがキャットロードのアーケードの上であることを確かめて、思い至った。
(月がよく見えるところに行こうと思ったんだ)
ろっこんを使い、猫の姿になってアーケードの上に登った。そうしてのんびりお月見をしているうちに眠ってしまった。
そうして、夢を見た。
「大丈夫、あれはただの夢だ」
夢を見ただけなのだと自分に言い聞かせる。絶対にああはならないと何度も繰り返す。胸で不穏に轟く心臓を落ち着かせようと深呼吸を繰り返す。
──夜空には、満月が輝いている。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月13日
参加申し込みの期限
2019年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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