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今宵の月も
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満月に照らし出された森が影絵のように浮かび上がっている。
森へと続く石畳の路の上、
楡宮 遠海
は秋風に黒髪を揺らして首を傾げた。
瞬いた次の瞬間に見知らぬ場所へと放り込まれて、けれどそれを認めてしまえば途轍もなく怖くなってしまう気がして、遠海はわざと唇を尖らせてみる。
(……いくら方向音痴だからと言って、こんなところへ迷い込むことはないじゃない)
空に輝く満月だけは変わっていないものの、振り返っても周りを見回してみても、見知った寝子島の風景はどこにも見当たらない。
進むべき方向も見失い、足が竦みそうになる。座り込んでしまいそうになる。挫けてしまいそうになって、ふと、
(……え、)
鼻先をいい匂いがくすぐった。
海辺の屋台から漂ってくる焼きそばの匂い。
参道商店街の外れの焼き鳥屋の換気扇から流れ出す匂い。
空腹を抱えて帰り道を辿っているときにどこかの家から感じる夕ご飯の匂い。
(なにこの匂い)
どこからともなく漂ってくる美味しいごはんの匂いに、華奢な見かけによらず大食らいな女子高生はふらりと足を向ける。食欲を否応なく刺激する魅惑の香りに手を引かれ、森の奥へと足を向ける。
(まさか)
月明りを集めて蛍石のように輝く石畳の路も、森の木々に星明りのように明滅する色とりどりの不思議の光も、
(まさかまさか)
食欲に支配された遠海の目には留まらない。
辿りついたのは、野薔薇に囲まれた泉の前。
道の果てに待ち受けるものを目にして、遠海は不審に思うよりも先、きらきらと目を輝かせた。
月を映す泉の前には、白いテーブルクロスが掛けられた大きなテーブル。テーブルいっぱいに並べられているのは、熱々のマルゲリータに色鮮やかな海老チリ、フルーツソースのステーキに舟盛の新鮮お刺身に色とりどりのカレーにナンに、色んな国の色んな料理が無秩序に無節操にこれでもかとばかりに所狭しと置かれている。
迷子の不安でいっぱいだった夜色の瞳が見る間にきらきらと輝き始める。白い頬が満面の笑みに彩られる。口元をそっと押さえる掌が隠すのは、ご馳走を前にした幸せな微笑みではなく、ともすれば溢れてしまいそうになるヨダレ。
(うわ……)
食欲中枢を助走つけてぶん殴ってくるご馳走の香りの暴力に圧倒されそうになったとき、背後の道に足音を聞いた。暴走しそうな食欲をどうにか理性で押さえつけて振り返ってみれば、そこにいたのは鏡で写し取ったが如き自分自身のそっくりさん。
鏡に向き合う気分で、遠海はそっくりさんとしばらく見つめ合う。
(な、……え?)
理解が及ばすただただ目を瞠っていて、天啓のようにひらめいた。
(私……)
どうやら自分は、このもう一人の自分と大食い対決をしなくてはならないらしい。勝敗はともかくとして、そうしなければこの月夜の森から脱出して元の世界に帰ることは出来ない様子。
そっくりさんが遠海に目配せしてテーブルにつく。いただきます、と優雅に手を合わせてナイフとフォークを手にするなり、香ばしくも甘い香りを放つステーキを口に運び始める。
自分で大食らいを認めるくらいに大食らいな遠海は、それを証明するようなそっくりさんの行動に最初ばかりは面食らうも、
(わかったわ……!)
すぐに状況に順応する。何せ勝負は大食い勝負。自分自身が相手とは言え、得意分野も得意分野と言っていい。気合いを入れて食べまくる他に手はない。
「あ、この海老、大ぶりでぷりっぷり! 海老の甘さにチリソースが絡んで、これだけでご飯三杯いけるわね……!」
観客は泉に映った満月だけではあるけれど、ただ単に食べるだけでは芸がない。隙を見て料理の感想を口にしてみれば、隣でマルゲリータピザを美味しそうに食べていたそっくりさんが長い睫毛をぱちりと瞬かせた。無言のままにピザ半分を差し出され、遠海は同じく半分食べた海老チリの皿を差し出す。
無言で取り替えっこした料理を揃って口にして、そっくり同じなふたりはそっくり同じな笑顔を浮かべた。
肉汁飛び出るハンバーグ、トマトと生ハムの冷製パスタ、どっしりとした豚骨スープと分厚いチャーシューが決め手のラーメン。出汁巻き卵のサンドイッチ、生クリームとベリージャムがたっぷりもたっぷりなパンケーキ、黄金オムレツの乗ったチキンライスにじっくり煮込んでトロトロになった牛肉の塊のシチュー。
食べても食べてもいつの間にかどこからか出て来る美味しい料理を細身の身体に次々と収めに収めて、ふたりはご馳走でぱんぱんになったお腹を幸せいっぱいの笑顔でさする。
「ああ、しあわせ!」
満面の笑みを見合わせて笑い合ったところで、どうやら勝負はお終いらしい。またねと手を振るそっくりさんの姿と泉を前にしたご馳走のテーブルが夢のようにかき消えて行くのを、遠海はちょっぴり残念な気持ちで見送った。
「美味しかったわ、またね!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月13日
参加申し込みの期限
2019年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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