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(お月見デート!)
学校帰りのコンビニで中秋の名月に因んだお月見団子フェアのポスターを見かけた途端に思いついて、思いついた次には、
卯木 衛
は
壬生 由貴奈
に連絡を取っていた。
「由貴奈さんっ!」
通話状態になった途端に勢い込んで大好きなひとに呼びかける。
『やっほー、うーちゃん』
こちらがどんなに急き込んでいても、電話口のひとは慌てたりしないでいてくれる。大抵のことにゆったりと応じてくれる由貴奈の鷹揚さが嬉しくて、衛はこっそり頬を赤く染めた。
『どうしたの?』
「お月見しませんか、お月見デート!」
『デートでお月見っていうのもいいかもねぇ』
デート、と口にした途端に頬が緩んだ。耳元に聞こえた由貴奈の声の柔らかさにますます頬が緩んだ。
『どこがいいかなぁ』
考え込む風の由貴奈の声に、衛もほんの少し首を傾げる。星ヶ丘にある由貴奈のマンション、寝子ヶ浜海岸、シーサイドアウトレットの大観覧車。ふたりで行きたいところはたくさんあるけれど、ふたりで月を眺めるのであれば、楽しい思い出のある場所に行きたい。
「三夜湖にしませんか?」
『いいねぇ、おしゃれだねぇ』
ふわりと和む由貴奈の夜色の瞳が瞼に浮かんで、衛の陽色の瞳も同じように和む。
『せっかくだからクッキーじゃなくてお団子作っていこっか』
「楽しみにしてます!」
待ち合わせ場所と時間を打ち合わせながら、衛はその場でスキップさえしたくなる。料理上手な彼女のおやつは、今回もとびきり美味しいに決まっている。
(しっかり準備しねえと!)
お月見デートの約束をして電話を切るなり、衛は嬉しさのあまり小走りになった。
(座って月を見れるようにビニールシートと、寒くなっても大丈夫なように大きなブランケットを一枚と、)
頭の中で持ち物を考える。
(あとは……)
彼女の手料理は最高も最高だけど、やっぱり家事がちゃんとできる男の方がふたりの将来のためにも最高なはず。たぶん、きっと。
(俺も団子を作っていくぞ)
ぎゅっと拳を作ってついでに高くなり始めた秋の空へと突き上げて、衛は団子の材料を買いにスーパーマーケットへ走った。
待ち合わせは寝子島シーサイドタウン駅。寝子電に乗って黄昏の金色に染まる海が目の前にある寝子島駅で降りたあとは、夕暮れの参道商店街を過ぎて登山道入口駅まで。
「待たせてごめんねぇ、うーちゃん」
「いえっ、全然! 時間通りでした」
待ち合わせ場所から電車内でも夕暮れの道でも、ふたりはずっと手を繋いでいる。歩幅を合わせて歩いてゆく。
「いろいろ作ってたら時間ぎりぎりになっちゃった」
「俺も! 俺も作ってきたんですよ!」
「三夜湖までのお楽しみだねぇ」
夕暮れの色に髪を染めて、肩の触れる近くを大好きなひとが歩いている。それだけのことでどきどきと胸が弾んで、衛は笑みが消せなくなる。
電車の窓から流れ込む夕日に細くなる夜色の瞳も、
暮れなずんでゆく木立の道をのんびりと歩く姿も、
空に輝き始めるまん丸な月を仰ぐ眩し気な横顔も、
ついチラチラと見てはうっかり見惚れてしまうくらいに綺麗だった。月の光に照らし出されているのであれば、なおさらに。
「……ん?」
衛の視線に気づいた由貴奈が睫毛を上下させる。
「どうしたのうーちゃん? うちの顔になんかついてた?」
不思議そうな顔で問われ、衛は首をぶんぶんと横に振った。
「由貴奈さんと月のツーショットは綺麗だなぁ、って」
問われるままに素直に答えてから、自分の言葉に衛は照れた。次の言葉に迷って頬を掻く衛と繋いだ方の手を、由貴奈は返事の代わりにぎゅっと握る。
展望台前駅では、月見に臨んで街灯の消された道を歩くためのLEDランプが貸し出されていた。九夜山頂上展望台を目指す人々の流れから少し外れ、ふたりは展望台より更に先の湖畔へと向かう。
ろうそく状にゆらゆらと揺らめくランプの光を頼りに夜道を辿ったその先、影絵のように月影に浮かび上がる樹々のその先。
月の光を白銀に煌かせる三夜湖がふたりを待っていた。
「由貴奈さん俺も団子頑張ったんですよ! 見てください」
月と湖の見える場所に持参したビニールシートを引いて早々、衛ははしゃいだ声をあげる。
由貴奈を思って作ったお団子を早く見せたかった。
いつもの柔らかくて優しい大好きな声でがんばったねぇと言ってもらいたかった。
「はい、それじゃあお団子タイムだよぉ」
シートに正座してお団子入りらしいお弁当箱を抱える衛に、由貴奈は思わず笑みを零した。
「おー、うーちゃんもお団子作ってきてくれたの?」
すぐ思いついたものを何種類か作って詰めてきたお弁当箱を横に置き、由貴奈は衛の正面に衛に倣って正座する。きらきらした期待の眼差しを向けてお弁当箱を掲げて見せる衛に頷き、蓋を開く。
中には辛うじてうさぎの形に見える焼き団子にみたらしをつけた衛特製お月見団子。
「お月見だけにうさぎの形になってるー、すごいねぇうーちゃん」
「卯木のうはうさぎのう! ですから! 月のうさぎです!」
生地をうさぎの形にするために四苦八苦する衛の様子が目に浮かんで、由貴奈は優しい気持ちになった。
「ありがと、うちのために作ってきてくれて」
すごくうれしいよぉ、と気持ちを素直に口にすれば、衛の瞳はますますききらと輝いた。串で三つずつまとめたうさぎ型団子を見下ろし、照れ臭さにちょっぴり早口になる。
「一応手拭きは持ってきたんですけどね、やっぱ串に刺した方が食べやすいかなって」
「串で食べるお団子っていうのはうち思いつかなかったよぉ。手も汚れなくていいよね、ナイスアイデアだよぉ」
大好きなひとに真正面から褒められ、衛は溶けてしまいそうなくらいにこにこ顔になった。けれどそれも、
「それじゃ、早速いただきまーす」
「どっ、どうぞっ!」
由貴奈が串を手にするまで。
「どうですか!?」
由貴奈の口にお団子が消えるのを真剣な眼差しで見つめる。
(いや、味見したけど)
由貴奈を思って、由貴奈のために作ったものだからこそ、由貴奈に喜んでもらいたかった。
「うん、美味しいねぇ」
うちのもどうぞ、と微笑む由貴奈がもう一串うさぎ団子を手にしてくれて、衛はホッと胸を撫で下ろす。いただきますと由貴奈お手製のお月見団子を手に取る。
「うーちゃんだけにうさぎのお団子、おいしい」
「由貴奈さんのお団子もすっげー美味しいです」
真っ白な月のようなお団子に、あんこ入りのもの、南瓜を練り込んだもの、それからうさぎの形のもの。
「うさぎだ!」
「考えたことは一緒だったねぇ」
ふたりは顔を見合わせて笑い合う。
「うちのお団子、美味しいかなぁ?」
「ほっぺたが落ちそう」
「いつもどおりの味って感じ──」
「……由貴奈さんも、落ちたりしません?」
衛はふと大真面目な顔で由貴奈の頬に触れた。ぱちりと瞬く由貴奈の唇に唇を重ねる。自分からした甘いキスのそのくせ、そのあとちょっと照れ笑いをしてしまうのはご愛敬。
「やっぱりかわいいなぁ、うーちゃん」
お返しにと由貴奈からキスをもらい、衛はますます照れる。甘いキスに落ちてしまいそうな頬を両手で抑え、どきどきする心臓が口から飛び出してしまわないように月を見上げる。
お互いのお団子を平らげたあとは、空と湖に浮かんで輝く二つの月を一つのブランケットにくるまって眺める。夜が深くなればなるほど空気は冷たさを増したけれど、ブランケットの中に籠る互いの体温はとてもあったかかった。
「ねえ由貴奈さん」
大好きなひとと肩を寄せ合ってその体温を間近に感じながら、衛はそっと囁く。
「月が綺麗ですね」
「うん、綺麗な月だねぇ」
「……きっと、明日も明後日も十年後も」
密やかに永遠を誓おうとしてくれる隣の男の子に、由貴奈は睫毛を伏せた。応じる言葉を見つけられず、ただ控えめに体重を預ける。
これから見る景色も、きっと綺麗に決まっている。でもそれはきっと、
(うーちゃんと一緒に見てるからかな?)
そう思えることはとても幸せなことでとても怖いことなのを由貴奈は知っている。だから、それを問うことはとても勇気が要った。
「……これからも、一緒に見てくれる?」
「月だけじゃなくて太陽だって、曇り空だって綺麗ですよ」
衛は太陽の色した瞳に月を映す。由貴奈を映す。そうして、月を未来の果てまで輝かせる太陽の笑顔で、衛は笑う。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月13日
参加申し込みの期限
2019年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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