this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
今宵の月も
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
32
つぎへ >>
月に蝙蝠が舞っている。
(この前の人魚姫の続きじゃなさそうですね)
以前夢で見た無骨なお城とはまた趣を異にした月を背負う白い城を仰ぎ、
宮祀 智瑜
は黒い瞳を瞬かせた。
「また会えたわね」
蔓薔薇の絡む漆黒の門の前、智瑜を人魚姫の物語に送り込んだ女悪魔が静かに微笑んでいる。智瑜に星型の角灯を手渡し、落とさぬようにと虹を編んだような組紐を智瑜の細い手首に巻きつけながら、女悪魔は夢から醒めるための条件を口にする。
「たいせつな、ひと──」
女悪魔の言葉を繰り返した途端、智瑜は息を詰めた。夢の灯火の名を持つランプを持つ手をぎゅっと拳にする。大切に想うひと、と言われていちばんに頭に思い浮かんだのは、
桐島 義弘
先生のこと。大好きな先生があんな不気味なお城の中に幽閉されているなんて、
「ヒドイですよっ」
柔和な瞳に悲しい色を浮かべる智瑜を目にしても、黒ドレスの女は悪魔じみた笑みを浮かべるばかり。
智瑜はお化けが出そうな雰囲気を湛えるお城を見上げる。大きなお城のどこに先生が閉じ込められているのかも分からないけれど、すぐにでも助けに行かなくては。
(怖いけど)
先生を助けるためなら頑張れる。
星型の角灯を片手に、智瑜はぎゅっと力の籠った頬をぺちぺち叩いて気合いを入れる。
「待ってて下さい。義弘先生!」
先生への想いを勇気に変えて暗い城へと踏み出す智瑜をどこか羨まし気に眺め、女悪魔は行ってらっしゃいと手を振った。
「行ってきます!」
見送りにきちんと返事をして、智瑜は蝙蝠の舞う枯れ果てた庭を突っ切る。真っ黒な両開きの扉の前に立ち、怖い魔物の顔を象ったノッカーで扉を叩く。ごとごとと重く響くノッカーの音に応じる気配はない。
思い切って扉を押せば、案外手応えもなく扉は開いた。ランプの白い光を室内の暗闇に差し入れる。
「義弘先生、どこですか?」
光の輪を巡らせながら、扉の内側に身体を滑り込ませる。背後で軋みながら閉まる扉に思わず小さな悲鳴をあげる。
「っ……」
どきどきする胸を片手で抑え、灯りを頼りに歩み始める。
「返事をしてください」
どこかに閉じ込められている先生にきっと届くと信じて声を張る。信じればこそ、前に進むことができた。立ち止まって耳を澄ませる。聞こえるのが聞いたことのない誰か、もしかするとお化けかもしれない誰かの不気味な哄笑であっても、智瑜は次の一歩を踏み出す。
「先生、義弘先生っ……!」
声の限りに叫んで耳を澄ませる。聞こえるかもしれない先生の声を遮るお化けの声の最中に神経を研ぎ澄ます。
(聞き逃さないですよ!)
だって大好きなひとの声だ。きっときっと、聞き逃したりはしない。
それでも、止まっては進みをずっと繰り返すうち、蝋燭が燃え進むように勇気が溶けて消えて行く。怖くて心細くて、知らず早足になってくる。
「早く会いたいです」
義弘先生、と魔法の呪文じみて繰り返していて、
「──宮祀?」
ランプの光に照らし出される湿気って黒い壁のどこかから、ずっと探し求めていたひとの声が聞こえた。
「先生!」
揺れるランプの光を掲げる。灯台のように白い光が廊下の先までを照らし出す。その果てに、鉄格子が見えた。鉄格子に手を掛ける先生の姿が見えた。
「先生っ、大丈夫ですか、元気ですかっ? 痛い目に遭ってたりしてないですか?」
智瑜は先生のもとに駆け寄る。ランプが鉄格子にぶつかるのもかまわず、両手を先生の大きな手と重ね合わせる。先生の掌の熱と静かな笑みに安堵して、女悪魔の言葉を思い出す。
(えっと、想いを伝えたら助けられるんですよね)
きらきらと揺らめく夢の灯火に照らし出される先生の瞳を見上げる。
(……ここは夢の中)
ここでなら、生徒と先生という枠組みの中に在る現実の中では伝えられない想いだって伝えられるはず。
「義弘先生の事が大好きです!」
(ズボンのお尻が破れちゃうお茶目なところも、)
クールな表情も焦って赤くなるところも、おっぱい好きなところだって、全部ぜんぶ、まとめて、
「大好き!」
先生の目を見つめたまま、智瑜は胸に抱きしめてきた大切な想いを先生に贈る。
「夢は義弘先生のお嫁さんになることです!」
ありったけのまごころを先生に差し出す。それもこれもぜんぶ、先生と一緒に夢から脱出するため。ふたりでいつものフツウの世界に戻るため。
「宮祀、……」
鉄格子越しに握りしめた先生の指がぎゅっと握り返してくれる。まっすぐな告白に頬を赤く染めた先生が小さく口を開いて、
「あれ?」
ベッドの上、智瑜は目を覚ました。指先に先生の指の感覚がまだ残っているくらいリアルな夢に、胸がまだどきどきしている。
起き上がると、カーテンの隙間に満月が覗いていた。
(幽閉されてた先生も助かったのかな?)
夢うつつにぼんやりと思う。
(明日学校で会ったら聞いてみよう)
ああでも、と智瑜は熱を帯びる頬を両手で抑える。先生が夢を覚えていたらどうしよう。
──大好きです!
思いっきり叫んでしまったことを思い出し、思わず布団にくるまって丸くなる。起きたときよりもドキドキと高鳴る胸のせいで、なかなか寝付けそうにない──
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
32
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
今宵の月も
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月13日
参加申し込みの期限
2019年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!