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夢の終わりの夢を見る
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【妄執】
夢。現。夢。現。
境目はどこに? どちらも尋常ならざる痛みを伴い、忌避すべきものに違いはないのに。
せめて夢を見ないために、
朝鳥 さゆる
がとるべき行動はふたつ。薬か、快楽か。
強い薬はひどく強制的な眠りへ落ちることができました。目に付いた男や女を捕まえ寝床へ引っ張り込めば、没頭している間は大様にして全てを忘れていられました。
けれど……さゆるの内に刻まれた喪失の痛みは、時としてそうした目くらましを出し抜きました。
さゆるが見る夢とはつまり、片篠 藍人の夢です。さゆるは今もってなお彼の支配下にありました。もっとも、支配していたのは彼だけではありませんでしたけれど。
互いが互いを喰い合うのが、ふたりの形でした。爪を立て相手の肌を裂き、時に噛みちぎり、露出した内側へ直に刻み込むのです。
初めから歪み狂っていたふたりの関係は定められた枠をたやすく逸脱し、戻ることはありませんでした。どうしても、どうあっても、最後まで変わることはありませんでした。
それは、必然の別れです。避けられない別離でした。
傍らに在ることなど、結局のところできはしないのです。ふたりでたどる、ひどく性急な自滅に他なりません。
それこそが、彼とのやり方でした。
だからこそ、彼も、自分も、こんな場所をふらり訪れたのでしょう。
「あなた……生きていたの……?」
社会の恥部。掃き溜め。巣窟。温床。いずれもふさわしく思える、およそ品のないバーでした。
隣に座った藍人の顔を覗き、口にした言葉に思いのほか意外性がないことに、さゆるは訝しく思います。
なるほど。
これは、見たことのある夢だわ。
幾度こうして、彼の幻を追うのだろう。夢の中でまで……舞台を変え、手管を変え、夢はさゆるに彼を見せました。
その終わりの時を幾度も。
「どうして……」
虚ろな問い。なにを知りたいのか。なぜ生きているの? どうしてここにいるの? なぜ会いに来てくれなかったの?
聞いてどうするというのだろう。全ては終わった夢なのに。
見たことのある夢。ゆえにさゆるは、この後に起こる
騒乱
を知っています。場末と呼ぶにも上品にすぎるバーにひしめく酔客が、騒ぎを起こすのです。さもそれが当たり前の義務であるかのように。
人か、物か、なにかが砕ける音。入り乱れる酔客はもはや暴漢と呼ぶべきでしょう。砕け散り、倒れ、倒し、倒され、床石はこぼれたウィスキーを吸い、怒号が耳をつんざき、スツールは根こそぎ蹴倒され、甲高い悲鳴が割れるように響きました。
知っています。彼は喧噪を避け、さゆるの手を引き店外へ。その途上でさゆるを安全なところへ押しやり、自身は踵を返して騒乱の中へと飛び込むのです。
彼の優しさがゆえか、あるいは眼前の荒事に自身の価値を見い出したのか、本当のところは分かりません。
タガの外れた酔客がぎらつくナイフを抜いたところで、藍人はさゆるの手をつかみます。強く。
巻き込まれてはたまらないし、そそくさと店の外へ。
「……え」
てっきり今回もそうなのだろうと、半ば思い込んでいました。同じ夢、同じシチュエーション。なにも変わるものはないのだろうと。
繰り返される別離の夢。そのひとつに過ぎないのだと。
「あ」
彼はさゆるの腕をつかみ、手のひらを背中へと回し、押しました。
騒乱のさなかへ向けて。
「藍、人……?」
軽く、穏やかに。笑みさえ浮かべながら。
彼を求め手を伸ばすのと、背後から回された手がさゆるの胸へ刃を突き立てるのは、ほとんど同時のことでした。
深く重く、さゆるは胃の奥から絞り出すような慟哭を漏らします。
白絹めいたシーツは濡れ、裸体に窓から吹き込む風は冷たく、今はしばらく前から図々しくも入り浸っているあの女の肌のぬくもりもありません。
ひとり。もとは彼が使っていたワンルームマンションです。
まだ宵のうち、今夜、さゆるはどうしようもなくひとりでした。
くしゃくしゃのシーツへ身を委ね、胸を抱え、丸くなり、まぶたを伏せて。しばし肩を震わせます。
あんな別れを、夢に見るなんて。
藍人と、いくらでも通じ合っていたのだろうか。現実に彼がああしないという保証などどこにもありません。互いに傷つけあうのが、ふたりのやり方だったから。
「ふ……く、く。くく、ふふ」
さゆるの口角は上がりました。瞳には雫の潤むまま。
痛みも。喪失感も。なんであれ……彼とともに味わったもの。刻み込まれる痛みを思い出すたび、喪失の絶望を反芻するたび、さゆるは彼との絆を自覚しました。
頬を伝う涙も、こらえきれず迸る呪詛めいた言葉も。全てが彼の与えてくれたもの。
彼がさゆるの中に生きたという、他ならぬ存在の証明。
「ああ。いい気分」
不快な胸のざわつきを、さゆるは愛おしく腕の中へ抱き込みました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月02日
参加申し込みの期限
2019年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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