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【籠の鳥】
永劫の別れではないのだから。人はそう言うことでしょう。いつかまたきっと、と。
けれど、ああけれど。
(……帰りたくない)
タイラ・トラントゥール
の足はすくみ、絞られるように胃が痛み、それを別れの悲しみがゆえにと友人たちはやさしい勘違いをして、彼の肩を背を頭を抱きました。
(帰りたく、ない)
寝子島での滞在は、仮初のもの。島生まれである母の里帰りに一時付き合ったに過ぎません。
そのはずなのに……およそ数か月。たったのそれだけであったはずなのに。
どうしてこんなにも、彼らがまぶしく見えるのだろう。
空港へ見送りに駆けつけてくれた友人たちの顔を、タイラはもはや見られません。口々に言うのです。また会おうね! いつか会いにいくから! また寝子島にも来いよな!
(しかし)
あの琥珀色の瞳が、いつになく真剣な眼差しで、タイラを真っすぐに覗き込んでいます。彼には悟られてしまうのかもしれません。
葛藤。
恐怖。
諦念も。
ああ。もうすぐ失われてしまう。考えなしの猪突猛進に振り回された記憶も。カプセルギアを操り身も心も焦がすような一戦へ、魂をぶつけあった思い出も。息を呑み、不意に通じ合ったあの瞬間も。
ああ。全て、失われてしまう。
目まぐるしく飛行機が離発着を繰り返し、刻一刻とその時は近づきます。
タイラは11歳です。小学五年生です。子どもなら確かにその別れを一生の隔たりのように思えながらも、いつか大人になり再び出会うこともかなうでしょう。子は時が来れば巣立つものですから。自由な翼を得たならどこへだって行けるし、誰にだって会いに行けるでしょう。
けれど、ああ、ああ。
違うのです。
(ボクは……)
タイラは鳥籠の鳥。
自由? 望むべくもなく。永劫の友情? 唾棄すべきものと教えられました。
身じろぎするもやっとな籠の内で枷をはめられ、ひとたび物言えば口を塞がれ、甘やかな呪いめいた教化、薫陶、あるいは躾。調教。そんな言葉を心の基部にまで刻み込まれるのです。
琥珀の瞳が責め立てます。抗えばいい。黙して受け入れる必要などない。枷を破壊し、突き破ればいい。
(ボクに……そんな強さは、ないさ……)
鎖で足を捕らえられた、やせっぽちな鳥。
その主こそがタイラを支配する絶対支配者。
リュゼ・トゥラントゥール
。その名が。その眼差しが。
全てを。
「……なぜ」
飛行機が飛び立ってゆくと、風の音が胸をすいていきます。
そんな隙間から、まるで彼は現れたかのようでした。
「兄様」
従兄弟が凍てつく視線で友人らを眺め回した瞬間に、タイラは遅まきながら、自身を悟りました。
別れたくない。
従兄弟はその想いをあざ笑いながら、手を伸ばします。友人たちへと、まるで花を無碍に手折るようなそぶりで。
途端、友人たちが、その顔が苦痛に歪み、恐怖におののき、やがて、
「あ……あ」
泡と解けて消えていきます。
一人。また一人。彼が手をかざすたび、友人らは苦悶にさらされながら消滅していきました。
「や、やめ」
ちらと見据えられるだけで、タイラはそれ以上言葉を紡げず、竦み上がり震えるばかり。
一人。また一人。
そして琥珀色の瞳が、挑戦的でまぶしく輝かしいあの瞳が、反攻の炎を宿したままに、
「に……逃げろっ!!」
……伸ばした手は空をつかみ、タイラは膝を突きました。
彼らがくれた、あたたかな笑いも。
のめり込み切磋琢磨した日々も。
傍らに並び立つ、確かな存在感も。
希望も。
全て、ああ、全て。
叩き落とされた暗闇の中、タイラにとってもはや彼の高く響く笑い声だけが、それだけが。
心が現実へ再び適応するのにしばしの時を要し、タイラはその間を鮮烈な痛苦に耐えながら過ごしました。
全身を伝う汗が体温を奪い、シーツをぐるりとかぶります。
夢。はたしてそうだろうか。現実に起こらないと、誰に言えるだろうか。タイラの混乱は極まりました。
「……いやだ」
事ここにいたり、ようやくにして。タイラは自身の中、揺るがないものを見つけ出したような気がしています。
「離れたくない」
かけがえのないものを、この島に見つけたのだという確信。まだ昂ったままの胸に灯る温もり。
同時に、どうしようもなく追い詰められている自分も発見します。
「……失いたく、ない……」
夢は夢であれど、それが現実とはならないのだと、タイラにはまるで断ずることができません。
その力が、タイラを苛む彼には備わっている。そう思えてなりません。
それならば。
「ボクだけで、いい」
自分ひとりが堪えれば、それでいい。自分さえ堪えてさえいれば、誰を失うこともない。
それは幼くも悲壮な決意であり、未来へ一抹の希望を探す、儚い祈り。
(ボクは……いつまで、許されているだろう。どこまで、望むことができるだろう)
いつか寝子島を離れ、故郷に戻ってしまったなら……ボクは。
小さな鳥籠の冷たさに、タイラはまだ、惑うのみ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月02日
参加申し込みの期限
2019年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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