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【余白】
「
おはぎ
ちゃん、寝るよ。おいで」
「にゃあ」
そうしてぬくぬくとあたたかいお布団にくるまれて眠りについたはずなのです。
奇妙なことに、
恵御納 夏朝
は頬に触れるひんやりとしてざわつく冷たさに、目を覚ましました。お腹の上には変わらず猫のおはぎが乗っていて、その体温も感じられるのに、桜花寮の自室はまるで季節が秋を蹴とばし、一足飛びに冬を招き入れてしまったかのような寒さによって支配されています。
「……?」
半開きの目をくしくしと擦り、眠気の残る頭を振ると、ゆるゆるとカーテンを開いて外を眺めます。外気を取り込もうと窓を開けかけたところで、
「さ、寒っ?」
吹き込む強烈な冷気と白雪。思わず上げた声におはぎは跳ね起き、夏朝は慌てて窓を閉めました。
「9月に雪なんて……! また神魂の影響で……」
言葉につまり、ぴたりと夏朝の手が止まります。おはぎはふにゃん? と首を傾けました。
その可能性は、いつだってありました。不吉な予感は、いつだって夏朝を脅かしてきました。それでも抗おうとすること、その過程が夏朝のたどるべき道であり、全てに勝る目的でした。
そのはずだったのに。
机の上に飾られている、お気に入りの猫写真入り卓上カレンダー。
「……うそだ……」
示された月日は、寝子歴1372年。
1月。
「う……うそだ。うそだ……」
手の震え。頭の痺れ。背筋を這い上る悪寒と嘔吐感。
夏朝と彼女には、ともに共有する願いがありました。
分離、すなわち共存。
そして同時に、ふたりの間には悲壮な取り決めもまたありました。
「うそだよ……そんなの……」
定まらない指先で鍵を机の引き出しに差し込み、取り出したのは
日記
です。
ふたりで歩むと決めた道程の、全てを記した日記です。
手指にもはや感覚はなく、それでも緩慢な仕草でページを繰りました。
連なる見出しには、日付と、書き手の名が記されています。
寝子歴1371年 12月26日 夏朝。
寝子歴1371年 12月27日 夏夜。
寝子歴1371年 12月28日 夏朝。
寝子歴1371年 12月29日 夏夜。
寝子歴1371年 12月30日 夏朝。
寝子歴1371年 1×月31日 夏夜。
寝子歴1372年 1月×日 夏朝。
白紙。
寝子歴13×2年 1月×日 夏朝。
白紙。
寝子××3××年 ×××日 ×朝。
白紙。
××××3××× ×××日 ××。
白紙。
白紙。白紙。白紙。
「夏夜……ちゃん……!!」
雫が落ちたのでしょう。滲んで読めない日付をなぞります。頭を垂れ、ページへ顔を埋めました。
肩の震えが止まりません。
取り決めたのです。彼女が半ば強引に。夏朝には到底受け入れられなくとも、彼女にとってはそれが妥協点、落としどころであったのです。
願いが叶わなくば、高校を卒業するまでに人格統合をすべし、と。
いつだって彼女は、夏朝を想っていたのでしょう。それだけを考えていたのでしょう。自らも顧みず。夏朝の重しにだけはなるまいとして。
夏朝の内へ、溶けていったのでしょう。
おはぎが少し低い声で、ふにゃ、と鳴きました。
ページへ新しい染みを落としながらもページを繰り、探します。彼女の最後の記述を。
日記に白紙が混ざり出す、その直前のページを開きます。
実に彼女らしい、簡素なたったひと言が、そこには添えられていました。
『ありがとう』
ざらりとしたもので頬を擦られて、夏朝はぱちりと目を開けました。
それが伝い落ちる雫をすくうおはぎの舌であることに気づいて、身を起こします。
桜花寮。見慣れた部屋。
「あ……」
肌をゆるやかになぞる空気は、秋の穏やかさを帯びています。身に着けている薄手のパジャマは、まだ夏用です。
卓上カレンダーには、寝子歴1370年9月とありました。
「日記……日記は」
まだ痺れが残るような感触を覚える指先で机の引き出しを開き、彼女との交換日記を取り出して広げました。
最後の記述。
寝子歴1370年 9月 夏夜。
『ようやく涼しくなってきたかな。季節の変わり目は体調を崩しやすい。またお腹を出して寝ていたら、風邪を引くよ? そうなったら僕だって辛いんだから、気をつけて。追伸 おはぎの好きなフード(ささみだニャン)を買っておいたよ。晩ごはんの時にでも食べさせてやってくれ』
ほう、と安堵のため息が漏れました。
夢の中のふたりは、きっと今とは違う道をたどったふたり。未来の夏朝は、彼女がいなくなることを受け入れたのでしょうか。熟慮に熟慮を重ねて、それでもどうにもならなくて、決めたのでしょうか。
未練はあったに違いありません。きっとなんの憂いもなく受け入れるだなんて、できっこありません。
「僕は……あきらめないよ」
垣間見たのは結局のところ、夢に過ぎません。
未来が決まっているのなら、どうして誰もがあがくのでしょう? 抗うのでしょう?
「僕らの未来は、僕らが決める。絶対、叶えてみせるから……!」
道はまだ、続いているのですから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月02日
参加申し込みの期限
2019年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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