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【刀身の記憶】
青い夜でした。
霧となりかけの小雨が、アスファルトをやわらかく濡らしています。
「痛むか?」
「大した傷じゃない。なんてことないよ」
路地を駆け抜ける
サキリ・デイジーカッター
の傍らには常に、彼の存在がありました。
ウィクサリオの問いは半ば冗談めかしていて、それが信頼の裏返しであるとサキリ自身も理解しています。
「支障はないよ。あと何人だって殺れるさ」
「ったく、元気なこった」
彼の苦笑いに、サキリは安堵を抱きます。すぐにも浮かべた彼の真剣な面持ちには、サキリの胸の内に宿る決意を否応なく想起させました。
「それにしても連中、本腰を入れてきたね。よほど僕たちが目に障るらしい」
「ありゃプロだな。あんなのを送り込んでくるとは、いよいよ」
「っ、伏せろ!」
遠くかすかに、小さな空気音。コンクリートの壁に穴が開くのと、サキリがウィクサリオを抱えて地を転がるのはほとんど同時でした。
コートが水気を吸い込むのに意識を割く余裕もなく、えも言われぬ臭気を醸すゴミ箱を頼りに身を隠します。
「ジリ貧だね……さて」
襲撃ならば幾度も経験しています。サキリの刃さばき、ウィクサリオの機転があれば難なくとは言わずとも、プロの暗殺者であれあしらうことができました。
しかし今回は、彼らの手練を越えた相手のようです。ひとたび隙を晒せば即座に、音のない殺意がふたりの身を穿つでしょう。
サキリはちらとゴミ箱の向こう、襲撃者の動きをうかがいます。
「見えるか?」
「いや、何も見え」
サキリの手から弾け飛んだナイフが壁に突き立ち、ほとんど反射的にウィクサリオの腕を引っつかむと物陰を飛び出します。
油断したといえばそうでしょう。あるいは単純に、相手の力量が上回っていたのかもしれません。
いずれにせよサキリは、言いようのない死の足音を背中に聞きました。
「手を、広げ過ぎた、かな?」
暗く冗長な路地に息を切らしながら、ウィクサリオは口元を歪めます。けれどそこに自嘲の色はありません。
連中は大物ギャング、地元の裏社会を仕切るいわば顔役。
自分たちは? ふたりがチームと呼ぶ、それ以上でも以下でもありません。ふたりに惹かれて集まった頼りがいのある仲間たちとて、言わば理性的な狂気とでも呼ぶべき、数と規律を備える圧倒的な暴力へ抗うには足りません。
「そんなこと言うなよ。僕たちで作り上げてきたチームだろ。止める理由なんてなかった」
「ああ。そうだな。今さらあいつらを捨てるなんて、!!」
レンガの壁が砕けて、ウィクサリオのもつれた足がサキリを巻き込み、再び地を転がります。
遮蔽物もない、高い壁に囲まれた路地裏。雨は上がり、頭上にはぼんやりとした月明かり。
背中に、避けがたく熱い死の匂い。
「……?」
不意に止んだ銃撃に、サキリは訝しみます。致命に足る隙をさらしたはず。ウィクサリオも自分もとっくに、地面に残る水気と散りばめられた脳漿を混ざらせていてもおかしくはないのに。
「弾切れか? いや、二発は残っていたはず」
ちらと目にした数少ない情報、相手の銃の型から導き出した射撃数と残弾数は違えていないはず。常に死線をくぐってきたサキリにはその自負があったし、仮に誤っていたとしたら、どの道この場を脱することはかなわないでしょう。
今もまた、甚大な隙を相手に供しています。ならば銃撃が止んだのには、別の理由があるはず。
「……! ウィクサリオ!!」
サキリはそれを悟りました。つまり、追いかける必要が無くなったから。
サキリへ覆いかぶさっていたウィクサリオの身体が力なくずり落ちて、転がりました。
背中に三発。肺でした。弾は貫通していません。
それは、サキリを貫いていたはずの弾丸でした。確かに死は、サキリを絡め取っていたはずなのに。
「ウィクサリオ、お前……僕をかばって」
「なぜ、なんて聞くなよ」
ごぼりと喉から逆流する血の音を、サキリはやけに遠くぼんやりと聞きました。
「知ってるだろう? 俺は、仲間思いだって」
浮かべた笑み、それが最後の。
けだものめいた咆哮が自分の発したものであると理解するのに、数秒の時を費やしました。
「……またか」
乱れたシーツ。ぐっしょりと全身を濡らす汗が物語っています。
いまだ忘れることはできません。多くの死。仲間たちの断末魔。それ以上の敵どもの阿鼻叫喚も。
振るった刃に映り込む自身の張りつめた顔も。
寝子島へ流れ着き、仲間と呼べる多くの友人たちに囲まれてなお。
復讐鬼と化しあまさず行使した手管を、サキリは大様にして秘めたままとしています。けれど時折、それが首をもたげようとする、そんな瞬間を感じることもありました。
この場所に、かつての自分はふさわしくない。
「人助け。か?」
そうは呼べども、結局のところ自分が振るうのは暴力に変わりないではないか。
かつての自分は、平穏な時の中にあってサキリを苦しめました。
「いや……」
けれど、と。サキリは思うのです。
記憶は血塗られていても、その中には彼の笑みがありました。自分を慕う仲間たちの、ひとりひとり、忘れがたい顔がありました。
過去は無くならない。けれど苦しむばかりではなく、教訓とすることもできる。
「今度は、人を不幸にすることなく……幸せにしたい。そうする側の人間になりたい。それが今の僕の願いだよ、ウィクサリオ」
なあ、どう思う?
決まっています。思い出の中、彼は微笑みました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月02日
参加申し込みの期限
2019年07月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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