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さーさーさらさらさくさくさ。
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◆チーズケーキと、ドギマギと。
桜庭、持ち帰り用に買ったプリンを持ち、少年にぐいぐい近づく。
(様子もなんかおかしい感じがするし、とりあえず行ってみよう)
小山内も彼女に続く。食べかけのゼリーとスケッチブックを強く抱きしめて。
慌てて御剣が二人を追いかける。思わずケーキと珈琲まで手に取ってしまった。
(役に立つのかもしれないし……)
深く考える間もなく騒ぎの渦中へ。
御剣は少年と彼女らの間に滑り込んだ。
そこでようやく気がついた。知人たちの存在に。
「逆巻……! 桜井まで」
なにやってるんだよ。
喉まで出かかった言葉を飲み込む。
聞かなくともわかるからだ。彼らが少年に加担していることは。
逆巻は天邪鬼だがバカじゃない。その上、学級委員長の桜井までも彼を手伝っているのだから……。
「ったく、本当に何してんだよ」
わざとらしいため息をつく。
「あ?」
「……ぃ」
少年と御剣の視線が交わる。
瞬間、理解した。
(ああ、うん、俺目付き悪いから怖いよね……)
小さな少年の純粋な視線。
見る見る御剣の体の力が抜け、ふらふらと外へ。
(か、刀くん!?)
あぁ、刀くんが傷ついた様子で外に……。
小山内の胸がズキンと疼いた。
子どもと刀の消えたドアとを二度、三度見比べる。
(子供の方もほっておけないけど刀くんもほっておけないよ)
『まどかちゃん、こっちまかせ』
「わかった」
字が乱れ、文章もまだ途中。
それでも伝わる気持ち。
『ごめんね、またあとで』
少年の頭をやさしく撫でる。
(何を謝るのだろう……ああ、あいつら勝手に出て行ったんだ)
疑問ではなく感想を少年は抱き、小さな――少年よりは大きいが――背中がドアの向こうに消えてしまうのを見ていた。
「って、外は雨なんだった」
雨足は変わらず繊細なもの。
いまさら中に戻ることもできず、店の前でもさもさとケーキを詰め込む。
(怖がられるのはもう馴れてるし、平気だよ、うん)
……うん。
「あーケーキが美味い」
明るく独りごちて、珈琲をすする。
桜庭達は子供と話をしているようだし、終わるまでのんびりと待つか。
「いや、これ本当に美味いな」
美味いと連呼し、時間を進めようと試みる。
そんなこと無意味なのに。
雨が彼の前髪を濡らす。音を奪う。すぐ小山内が追いかけてきたことにも気がつかないほどに。
(なんて言えばいいのかな)
小山内の手が彼の方に届く前に落ちていく。
こんなとき声をかけることが出来れば、もっと違うのかな。
己の無力さの言い訳を探るように、ゆっくり。ゆっくりと御剣の背中に身を寄せていった。
「小山内、なのか?」
御剣の頭から二十四センチ下。じんわりと温かくなる。
「心配、かけたな。悪い」
温もりが離れていく。
急激に冷えていく背中が少しだけ寂しくて、御剣は肩ごしに小山内を窺い見た。
『さっきの、きにしないで。たしかにちょっとするどいけど、かっこいいとおもうの』
うつむき、不安そうに――けれどそれを押し隠そうと必死になっているような不器用な笑顔。
いつものくすぐったいような甘えるような。そんな笑顔とは全く性質が違う。
「大丈夫だよありがとう」
御剣は呼吸が止まるかと思った。
小山内のそんな表情を見たのは……初めてかもしれないし、そうでないかもしれない。
ただ少なくとも心臓を鷲掴みにされ、握りしめつぶされるような苦痛を彼女から与えられたことはなかった。
振り返り、身を隠すように笑い声を上げる。
「でも、格好いいは言い過ぎじゃないか?」
小山内はペンを置く。
忘れかけられたゼリーをすくい、御剣の唇に当てる。
ひやりと冷たい感触が頭の芯までくっきりと縁どる。
御剣は一瞬、目を剥く。次に視線をふらふらとさ迷わせ、覚悟を決めたように小山内の目を見た。
そこには熱を帯びた瞳が揺らめいていた。
「えっと、頂きます」
(もっと、もっと食べて欲しい……)
ふるふるとゼリーが、御剣の口内へ滑り込み、つるりと喉を下る。
小山内が何か言いたげに艶っぽい視線を送ってくるので、御剣の体はますます冷えたゼリーを欲する。
が、急に小山内の顔が覚めたようにいつもの、愛くるしいものに戻る。
(あれ? 私どうしちゃったんだろう。体が勝手に……?)
御剣にジッと見られた小山内は頬を染め、口をパクパクとさせている。
(あれは、なんだったんだ?)
熱を逃すように御剣は口を開く。
「美味い」
二口、三口。
懸命に小山内はゼリーを運ぶ。
手の震えは御剣にも余すことなく伝わるほどで、最後のひとすくいまで小山内の動悸は収まらなかった。
「小山内美味かったよ、ありがとう」
照れくさそうに。けれどどこか吹っ切れたように御剣は口元がほころんだ。
(元気になってくれたのかな……よかった)
小山内も顔の緊張がほぐれていった。
「はい、じゃあ交換」
チーズケーキを刺したフォークを差し出す。
今までの比にならないほど、小山内はあたふたしだす。
(小山内の顔、赤くなってる。確かに恥ずかしいよな)
小山内は励ますためにそれを我慢してしてくれたんだ。
意思を固くし、御剣は小山内をじっと待つ。
彼女は小さく会釈して感謝の意を伝えてから、ちょこんとした口を開く。
あーん。チーズの爽やかな酸味とまったりとした甘味が口いっぱいに広がっていく。
(あれ?そういえばこれって間接キ……)
ボンッ。音を立てて小山内は赤面した。
スケッチブックで顔を隠して、彼に伝える。
『さっきのは、あのコのろっこんだとおもう』
事実を知り、御剣もゆでダコになる。
「あ、ああ。あれ、ろっこんか、そうか……」
会話が途切れる。
二人の甘酸っぱい時間はまだまだ続く。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月03日
参加申し込みの期限
2013年08月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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