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寝子島高校
さーさーさらさらさくさくさ。
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◆終わりはないけど、ほっこりと。
引きつる笑顔。
不満げなお客たち。
「とりあえず、お菓子を作りましょう」
苦笑しながら荒井が喜好をキッチンへ連れて行く。
その前にとイヴが声をかける。
「イヴはお母さん連れてくるデース。どこにいるか教えてくれるデスカ?」
「お仕事してると思う」
「わかったデース」
喜好に仕事先を確認し、店を出る。
(一件落着、でいいんだよね)
知吹はようやく騒ぎが収まったことに安堵しながらも、お店の利益を考えて少し涙ぐんでいた。
「払わないとは一言も言ってないよ」
強盗に加担したしね。
逆巻が財布に手をかける。
「私も少しだけですけど」
北原もそう言って財布を出す。
が、その手は
毒島 柘榴
によって封じられる。
「てめぇら学生が無理すんな。ガキに食わせたケーキ代は俺が肩代わりしてやるよ。店の損傷分も、仕方ねぇから出す」
「あ、ありがとうございます!」
知吹は頭を下げ、奥にいる荒井を呼びに行く。
「てんちょー!」
荒井は慌てて出てきて毒島に頭を下げた。
その後ろで喜好もそれに倣う。
「ただし、ガキ……しばらくは俺の店でケーキ代分バイト――お手伝いだからな? それがてめぇへの今回のツケだ、みっちりしごいてやるから覚悟しな」
法律上まだ働くことのできない少年を『お手伝い』という形でもらい受ける。
こんな小さな子供が手伝ったところで出来ることもたかが知れているし、毒島の負担が大きいことはわかりきっていた。
脅しかけるような口調だが、お手伝いはつまり生活に困らないように必要なことを身につけさせることにもなる。
そんな不器用なやさしさを喜好はまだ理解できない。
不安げにうつむいて漏らす。
「ここで……働けたらなぁ」
「それは無理ですね」
お菓子は必要。お金も必要。本来子どもが考えなくてもいいことで喜好は苦しむ。
荒井には、毒島の手助けがあればおそらくどちらの問題も近いうちに解決するだろうと思われた。
それがわかっている上で提案すれば、毒島の好意を踏みにじることになりかねないことも容易に想像ができた。
しかし、もっと喜好の先の未来を思い、口に出さずにはいられなかった。
「うちで見習いをしませんか?」
喜好の顔に光が差し込む。
「まだお若いのでアルバイト、とはいきませんが、多少なりとお駄賃を少々と……お店のケーキを。衛生の関係で廃棄のケーキを持ち帰ってもらうことはできませんが、店内でなら食べてもらえますし、
消費期限の近いものを安くお譲りすることもできますし……」
荒井特有のやさしく、温かみのある笑顔を喜好に向けた。
「なによりこれからも自分でお菓子を作れるようになりますから」
喜好は首がちぎれるほど、激しく頷く。
荒井はほっとしたように息を吐いた。
毒島の様子を伺うと目があったので、会釈をする。
(すみません)
(気にすんな。そっちの方がいいに決まってる)
視線で会話をする。
つくづく自分たちの性分を痛感する。
見た目も性質も正反対の二人だったが、情に厚いという一点において、同じ苦労を分かち合った。
「ただし、毒島さんのご厚意に報いてからですよ。しっかりお手伝いしてください」
今度こそ解決、万々歳と荒井は、お客たちは笑みをこぼす。
「よかった……」
北原の瞳に喜びがにじむ。
ドタバタで手をつけられなかった分のチョコチップマフィンを喜好にあげようと劉が席に戻る。
(甘い物は苦手なんだ。どうせ全部は喰いきれねえし持って帰ってもらうか)
席に行くと、ナタリアが幸せそうにチョコチップマフィンを頬張っている。
(ってああ、奪われたんだった)
「つくづく決まんねーな」
苦笑する気力さえない。
空いている席に座りこんだ。
「おーいっ強盗犯君ー」
ケリがついたことを確認して海神が物騒な名前で少年を呼ぶ。
「お菓子欲しいんなら、大したものじゃないけどこれ、持ってっていーよ」
カバンから取り出した飴を放り投げ、へらへら手を振って店を出る。
「元気でねーお母さんによろしくー」
カランとベルに見送られ、細い雨の降る空を見上げる。
(……何て言うか疲れる一日だった)
腕を回して、肩をほぐす。
(こんな日こそ早く帰って星が見たい。夜までに雨上がるかな、上がるといいなぁ……)
海神は雨の中、家路についた。
傍観していたシグレと緋紅朱も席を立つ。
「よかったね」
「そうだな」
「また一緒に、来たいね」
「気が向いたらな」
シグレのそっけない返事に緋紅朱はうつむく。
「いつ拐われてもいいように心の準備をしておけよ?」
意地悪く笑い。
(うつむいていて良かった。恥ずかしくて顔が見られないから)
耳まで赤く染めた緋紅朱は無言を返事とした。
「お腹いっぱい?」
せっかく心が晴れたのだから一緒にお茶したいな。
花風が喜好を誘った。
「ううん! 食べたいっ!」
喜好は今までのことなどすっかり忘れたように明るい表情で答える。
「猫達がたべてもいいお菓子を六袋売ってくれ」
「はーい」
八神がクッキーを購入し、一袋を喜好に手渡した。
「猫達と友達になってくれたお礼だ」
またな、と言って八神も店を出る。
「次はぼくが作ったお菓子を猫さんにあげるね!」
忘れてなどいない。
喜好はしっかりと八神を見守り、
「これからはライバルで、同志だね」
「よろしくね!」
マカロンで乾杯をして、花風と喜好は笑い合うのだった。
「こら、お店片付けてからだよ!」
知吹は喜好の頭を小突く。
また衝動が湧き上がる。
(お店が片付くのはもうひと騒動あとになりそうですね)
荒井はCLOSEの掛札をそのままにして、自分の仕事に戻った。
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あとがき
担当マスター:
つるこ。
ファンレターはマスターページから!
まずはシナリオの場所を提供してくださいましたコミュニティ:洋菓子店『Raton』にここでお礼を述べさせていただきます。
ありがとうございました。
結果、お店が多少水浸しになったり、見習いが増えたりと随分好き勝手をしてしまいました。
甘 喜好が頑張って片付けます。今日中に片付けます。お許し下さい。
それではあとがきを少々失礼いたします。
ご存知の方もいらっしゃりますが、本作が『らっかみ!』でのシナリオ二作目になります。
今までいわゆるPBWというものにもTRPGというものにも触れたことがないようなひよっこが、
なんとか形にすることができたのはひとえに皆さまのおかげです。
今回リアクションを書いていて、正直とても難しいなと感じました。
それぞれのキャラクターが表面的なことだけではなく、生きたキャラクターとして少年に接してくれたためです。
どの行動も削れない。どの行動も筋を通したい。
そう思えば思うほど、なかなかすべてを通すことができないジレンマに悩まされました。
結果はこんな感じで、うまくまとめられたかと問われると自信はありませんが、皆さまとこのシナリオを、空間を共有できて嬉しく思います。
ありがとうございました!
皆さまに、楽しんでいただければ幸いです。
何か叱咤激励などございましたら、気軽にコメント欄に書き込んで下さい。
次回以降に必ず繋げてまいります。
本当にありがとうございました。
それでは失礼いたします。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月03日
参加申し込みの期限
2013年08月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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