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【去る人、来る人】
(この島から、世に出て認められた人かあ。どんな人なのかなぁ)
特別展示室に足を運んだ
桜庭 円
は、展示されている動物や植物の彫刻を見て、目を丸くしていた。
「うわあ、動き出しそう。すごいや! ……あっ、向こうに人型の像がある」
円は『前進』と『停滞』を前にして、首をひねる。
「んー、なんでこれだけ人なんだろうね?」
周囲を見回すと、先ほどの学芸員の姿を見かけたので、声をかける。
「箕輪さーん」
そして箕輪に、像が人型である理由を訊ねたところ、実に曖昧な返答があった。
「一般に、決意を新たにするのも、悩み惑うのも人であるからこそだと解釈されています。しかし、制作者による正式な見解は発表されてはおりません」
「そうなんだー。まあ、確かにそうかも?」
それにしても、こうしてふたつの像を並べてみると、男性の方がやけに弱そうに見えてしまう。
(なんかかわいそうだね?)
動植物から男女の像への推移も、こうして眺めていると意味深に思えてくる。
「こちらの男女の像に関しては、実際に触れて確かめることも可能となっております」
箕輪にそう説明されて、円はどちらも触れてみた。
(うわっ、なんかすっご!)
その名の通り、前向きな気分にもなったし、内省的な気分にもなった。
「芸術ってすごーい」
口をぽかんと開ける円に、箕輪がひかえめに微笑んだ。
ほどなくして美術館の外に出た円は、飼い猫のにゃーくんの姿を探した。
「おーい、にゃーくーん、どこー?」
円の呼び声につられるようにやってきた茶トラの子猫を抱き上げて、頬ずりをする。
「いたいた。ごめんねー、すっかり待たせちゃった。次はどこ行こうか、お散歩する?」
柔らかな毛並みと鳴き声に、円の表情がやわらぐ。
「あ! 能美子ちゃんだ、やっほー」
どうやら美術館に来たらしい
弘明寺 能美子
とすれ違い、円が声をかける。
「あっ……、こんにちは。にゃーくんも」
「こんにちはー。能美子ちゃんも美術館?」
「ええ、暇だったから……」
「そっかー。あ、向こうに月ちゃんもいるよ!」
円の指さす先に、同じく美術館にやって来たらしい
桜 月
の姿がある。
「え、桜さん? あら、本当。けっこう皆、美術館に来るものなのね」
「だねー。能美子ちゃんも楽しんでね、じゃーねー」
手を振って、円は美術館を去って行った。
円と別れて、能美子はひっそりとため息をついた。
円は「楽しんで」と言ったが、正直なところ素直に楽しめるような気分ではない。
(とはいえ、予定がないからといって、一日何もせずにいるというのも、ねえ)
実家で暮らしていた頃には、よく外商の人が美術品の紹介に来ていたために、芸術には馴染みがある。
(美術館だと、触れてしまう心配がなくていいわね)
常設展示室をぶらぶらと歩きながら、能美子は思う。
(寝子島の歴史と文化……か。困ったものよね)
展示されている出土品の中には見応えのあるものもあるし、素直にきれいだと思える作品もある。
なのに気持ちは晴れなくて、複雑な思いが渦を巻く。
(隔離してあるから安心だ、なんて。……こんな変な力、望んで手に入れたわけじゃないのよ)
ある日目覚めたろっこんのおかげで、美術品に対して身構えてしまう癖がついてしまった。
(美術品だけじゃないわね、身構えてしまうのは)
由来のありそうな品を前にして、素直に見とれることが、今の能美子にはできない。
(私ったら、こんなところで何やってるんだろう。しかもこんな力まで持っちゃって……)
自然とため息が口からこぼれる。
「この島の緑……は、きれいよね……」
寝子島の四季を撮したパネルの前で足を止める。
四季だけではない。右手にある壺の彩色も、そのまた向こうにある動物の置物の造形も、どれも調和がとれていて美しい。
(なのに、私だけ……)
世界は美しく輝いているように、能美子には見えた。
(私だけ、どこにも行けずに停滞している)
「そういえば……、特別展示の作品も、たしかそんな名前がついていたっけ」
能美子は『停滞』を見ようと、特別展示室のほうへと足を向けた。
【ふところにぬくもり】
「ああ、ようやく見つけたよ、ネズ」
逃げ出した白ネズミを追いかけていた
逆巻 天野
が、美術館の前で足を止めた。
「ネズ、もしかして、ここに入りたかったのかい?」
ネズを抱き上げて、美術館の入り口をじっと見つめる。
「うーん……、でもネズミか。美術館に生き物は、ねぇ」
(見つかったら、叱られるだろうな……)
「少しだけ、だよ。服の内側から、決して出ないで」
天野は白いパーカーのフードをかぶり、服の内側に忍ばせたネズをしっかりと支えた。
「特別展示のほうは人が多いみたいだね。常設のほうを見ようか」
近頃接した非日常
の影響のせいか、このところ昔を思い出すことが多くて、天野はいささか疲弊していた。
(人混みはちょっと、ね)
「芸術……、かぁ」
寝子島の歴史や魅力を振り返るような作品が並ぶ中、天野は小声でネズに話しかけながらゆっくりと歩く。
(あまり馴染みがないんだけど……)
とはいえ、こうして眺めていると、以前よりもいいなと思えるようになっている自分に気づく。
(芸術には、それだけの力があるっていうことなんだろうなぁ)
考えてみれば、どの作品にしても、誰かの情熱が形になって存在しているのだ。
(自分の感じたものを、形にするんだものね。難しいことではあるけれど……)
「僕も自分なりの作品を、……うん。納得いくものを何度でも、作る事に挑戦してみたいな」
困難な道ではあるのだろうけれど。
「ネズ、いつか君の姿も、形にして見せるからね」
身じろぎをするネズのぬくもりを、天野は感じた。
「ほら、見てごらん、ネズ。寝子島の風景だよ」
少し行った先には、大きなキャンバスに描かれたこの島の自然が描かれている。
人と自然と、時には神さまが調和する不思議な島だ。
「きれい、だよね」
とても大きくて、力強い絵画だ。
「なんだか、元気が湧いてくるようじゃない?」
じっと絵を見つめる天野は、励まされるような心地になって、「よし」と小さくつぶやいた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬野 とうこ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月18日
参加申し込みの期限
2013年08月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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