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吊り橋幽霊、喧嘩成仏!
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「ようやく来ましたね」
千唐が指し示す方向からは、修が
淡島 直行
と共に尚太の母親・幸恵を伴って現れた。
「遅くなってすまない。三浦 幸恵さんを連れて来た。少年の幽霊はどこか知らないか?」
あたりを見回して尋ねた修は、牧田を見付けてその変わり果てた姿に驚くと、幸恵を庇って身構えた。
具合の悪い幸恵を修と共に支えていた直行も、修の隣に並んだ。
「幽霊の噂は聞いてたけど…直接出会うことになるなんてね」
「か……かぁ…ちゃ…?」
尚太が、月詠の後ろからおずおずと顔を覗かせた。
「尚太なの…?」
幸恵の目にはみるみるうちに涙が溢れる。
幸恵はやはり寝子島に戻っていた。千唐と共に幸恵の家を訪ねた修は、吊り橋幽霊の話をし、尚太に会ってもらえないかと幸恵を説得した。幸恵はすぐに一緒に山へ来る事を承諾した。
日が暮れてから足元がおぼつかないほど具合が悪くなった幸恵を、途中で用があるからと別行動になってしまった千唐の代わりに、通りがかった直行と共に支えてここまで連れて来る事が出来た。
幸恵の話では、昔の家の様子を見た後から、日が暮れると全身に激痛が走り、朝まで眠れず、病院に行っても原因がわからないままで、体調を崩していたらしい。
それが、尚太の言っていた、父親が母親を「もう死んだはずなのに、まだ殴る」という行為なのだろう。
「幸恵ぇ…幸恵ぇええええ!!!」
興奮した牧田が幸恵に向かおうとするのを、零と月、ストレイトや庚と武蔵に、千唐と尾鎌が足止めする。
肋骨が折れようが、左腕が逆方向に曲がろうが、牧田は幸恵を諦めない。
状況を把握した修が叫んだ。
「誰か水を! なんとか霧状にして牧田を覆えないか!?」
手水で濡らした拳が効くならば、牧田が常に水で覆われていれば全てのダメージが通じるはず。
そう考えた修の言葉に、武蔵が手持ちのヒョウタンの水割りを口に含み、牧田に吹き付けた。
試しにと水を使っていない直行が濡れた牧田を殴る。手応えがあった。
「いける!」
武蔵と直行のおかげで確信は掴めたが、いちいち口で水を吹きつけていては切りがない。
「あたしがやるわ!」
尾鎌はそう言ってペットボトルの水を口に含むと、逞しい腕で牧田にベアハッグを仕掛け、両腕の動きを封じた。ずるりとわずかに蛇の胴が持ち上がる。
尾鎌の顔にぼたりと気味の悪い幽霊の血が落ちた。血だらけの醜悪な顔を見て尾鎌は顔を顰める。
気は進まないが、尚太の為にと尾鎌は心を決め、牧田に濃厚なベーゼを捧げた。
周りの空気と動きが固まった。
尾鎌はそのまま牧田の口へ清められた神社の水を流し込む。中から水を満たせばいいと思ったのだ。
月の光の下で交わされる男と男、尾鎌と血まみれの中年男の熱い接吻は、ロマンスとは程遠かった。
尾鎌の口づけが気に入らなかったのか、流し込まれた水のせいか、牧田はげぇげぇと吐くようにしながら地面を這いつくばる。
「失礼ね。あたしだって…」
好みじゃない、そう言おうとした尾鎌の声が掠れた。砂を飲んだように喉が痛む。牧田の血のせいだろう。
月詠は地面に手をつく牧田を見ると、急いでスケッチブックに水彩色鉛筆で描いておいた『三日月のような口で笑うカラフルな猫』のページをめくった。
ハケを使い、寝子島神社で清めてもらった水で惜しげもなく絵を濡らすと、色鉛筆がじわりと滲んで溶け、絵の猫が『ゲス顔で嘲笑うサイケな猫』へと変化した。
「離れてくれ!」
月詠の言葉に、皆が牧田から距離をとる。
月詠は水を糊がわりにして絵を牧田にぺたりと貼ると、自分もすぐに牧田から離れた。
「――封」
月詠が上手くいくよう願いを込めてささやくと同時に、ろっこん『絵空事』が発動した。
サイケな猫が溶けた顔でニヤリと笑いながら牧田を飲み込んでいく。
牧田を完全に飲み込んだ猫の絵は、満足そうに笑っていた。
紙が、風も無いのに小さく震える。
「時間稼ぎにしかならんようだ。準備が整い次第、封印を開放する」
月詠が言った。
「霧は無理ですが、水をシャワー状にする事なら出来ます」
月が申し出る。
「助かる。絵を囲んで、牧田の復活に備えよう」
修の言葉で、攻撃出来る者達が絵の周りにそれぞれ陣取る。
月は零から予備の水が入ったペットボトルを受け取ると、木に渡した鋼糸を使って絵の真上に吊るした。その底を数本の鋼糸で貫き用意する。
「これならどこから狙っても手水が効果を発揮するだろう。奴が現れたら全力で殴れ!」
修に言われて全員が身構える。皆の準備が出来たのを見た月詠は、すっと息を吸い、絵に手を伸ばす。
「――解除」
月詠が絵を破いた瞬間、サイケな猫の口から、たちまち牧田が具現化した。
「さちえぇえええ、しょうたぁあああっっっ!!」
何が作用したのか、絵から開放された牧田は、蛇の胴体から人間の足に戻っていた。
牧田が現れると同時に、ペットボトルの底に刺さっていた鋼糸が抜かれた。ペットボトルの胴の部分に巻かれた別の鋼糸が勢い良くボトルを回転し、牧田に手水のシャワーを浴びせる。
「──今です!」
月の言葉に、弾かれたようにして一斉に攻撃が始まった。
零はすぐに丑三ツ時乃朱雀弓に破魔矢をつがえ、牧田に向かって射る。
ストレイトがまっすぐにその拳を牧田に向かって打ち込む。
尾鎌が足止めを狙って膝に蹴りを放つ。
しかし、
「うぉおおおおおおっっっ!!」
牧田は雄叫びを上げ、霊圧で攻撃を弾いた。
「こんな事も出来るのか…」
ストレイトの呟きに、月詠は少し違うと言った。
「出来るようになった、のではないか? 最大の心残り、最高の執着の対象が目の前に現れたからな」
見れば、牧田はまっすぐに幸恵を見つめていた。彼女しか目に入らないように。
「幸恵ぇ、会いたかったぜぇ、会いたかったぜぇ」
嬉しそうに嗤いながら牧田が幸恵に迫る。
「ひっ!」
久々に牧田に会った恐怖で立っていられなくなった幸恵が、短い悲鳴をあげて座り込む。
「母ちゃんに近づくなっ!」
尚太が包丁を構えて牧田に向かって走る。
「だめだっ!」
直行が尚太を止めようとしたが、手は尚太をすり抜けた。
「尚太、やめてっ!!」
幸恵の悲鳴が上がる。
庚が走る尚太の襟首を濡れた手で掴み引き戻した。
「邪魔だ」
それだけ言って母親の方へ尚太を追いやった。なおも父親に向かおうとする尚太を、武蔵が阻む。
「坊主、お前さんはおっ母さんを守るんじゃ。絶対に彼奴を近づけるんじゃないぞ!」
武蔵に力強く使命を与えられた尚太は、包丁をぎゅっと握って母親の元へ行く。
「こっちは、俺らが任されようじゃないか。のう、若いの」
庚は武蔵と目で合図を交わすと、左右から挟み打つように牧田に打って出る。
「邪魔するな! 邪魔するなああああっっっ!!」
武蔵が枝で鉄パイプを受け、庚の拳が牧田のみぞおちに入る。
寝子島神社で皆が水を汲むのを最後まで手伝っていた巫女修行中の聖は、何かの役に立てばとリュックに手水を入れたペットボトルを背負い、巫女姿のままようやく九夜山に到着した。
足元が暗くなる中、穢れを追って入った山の中で、目前の光景に絶句した。
(あれはなに?)
血だらけになりながら鉄パイプを振るう、恐ろしいまでの存在感を示す悪霊がいる。
「下がってろ!」
聖に気づいた庚が叫ぶ。
聖は慌てて皆の邪魔にならないよう木の影に身を隠すと、リュックを下ろし、手水を入れたペットボトルを取り出した。
寝子島神社にある水が効くと聞いた。幽霊に禊をすると効果があるのかもしれない。
そう思った聖は、幽霊の罪を洗い流してお祓いをすれば成仏させる事が出来るのではないかと考えた。
漫画や小説のように、格好良く鬼を祓うなんて出来ないだろう。
自分のお祓いが、どれだけ効果を持つかもわからない。
「でも、試してみないと何もわかりません!」
榊に水を掛けると、聖は木の影から飛び出した。
出来れば直接水を掛けたかったが、荒れ狂う悪霊に近づくのは無理そうだ。皆の迷惑にもなりたくない。
聖は祝詞の朗誦を始めた。古代より続く言霊が、夜の九夜山に静かに響く。
清めの水よ届けと念じ、聖が榊を振る。
ささやかな水の飛沫は、牧田に何の痛手を負わす事も出来ない。
しかし、どす黒い思念に満たされていた重たい場の空気が変わった。
バサリ、聖が榊の枝を右に左にと振るたびに、その場にいた者達の肌を覆っていた目に見えない怨嗟の膜がはがれるようだ。
戦っていた者達の心に知らず積もっていた穢れたものが清められ、軽くなっていく気がした。
「あ…痛みが…とれたみたい…」
牧田の血で喉を痛めていた尾鎌が、不思議そうに自分の喉元に手をやった。
「全力で行くぞ!!」
気持ちを新たにしたストレイトが、気合を入れるように叫んだ。
「少しは、お役に立てたでしょうか…」
「もちろんよ!」
呟く聖に、尾鎌が投げキッスを贈った。
「おまえさんの気の済むまで、俺が存分に相手になってやろう。来るが良い!」
武蔵は自分の全身に酒を吹きかける。
「牧田ぁ!! おめぇの全てを俺にぶつけてこいやぁ!!!」
煽られた、牧田が弾けた様に武蔵に向かって突進する。
「くそがぁっ!! おらおらおらおらっ!!」
武蔵は容赦なく打ち付けられる鉄パイプの痛みをぐっと堪える。
「しねやぁっ!!」
陳腐な台詞を叫びながら振り下ろされた牧田の攻撃で吹っ飛ばされた武蔵は、折れた木の幹に背を打ちつけた。「気が済んだかのう?」
痛みを耐え切った武蔵は、牧田を睨み付けながらゆっくりと立ち上がった。
服が木の端に引っかかり、力任せに引っ張ると植木屋の半被が破れ、背負った不動明王の刺青が月の光照らし出された。
「所詮、執念と悪意に駆られたような攻撃では俺は倒せん! 俺には確固たる意志があるんじゃ! 覚悟せぇっ!!」
武蔵はろっこんで刃物の切れ味を得た枝を、牧田に向かって袈裟懸けに振り下ろす。
「ぐぁああっ!!」
牧田の右肩から脇にかけて、赤黒い線が走り、錆色の血が噴き出した。
「ぐぁあああっ!!」
「今宵の刀も良く斬れる…。神社の水を使っておるから、ちと贅沢じゃったかのう?」
武蔵の攻撃で弱る牧田の背後には、聖から分けてもらった水で手を濡らした修が忍び寄っていた。
「今だ!」
修は精神を集中すると息を止め、牧田の鉄パイプを掴まえた。ろっこん『分解』によって、鉄パイプの表面に細かな傷が走り、表面からポロポロと鉄粉が落ちて行く。
焦った牧田が他の攻撃への対処を後回しにして、死に物狂いで修を振り放そうとする。
「ぅらぁっ!!」
牧田が修に頭突きをかます。
「ぐっ」
衝撃に思わず修がひるみ、分解が止まった。牧田が鉄パイプを庇い、手首のない左手で修を殴ろうとするのを、庚が腕で弾いて阻止する。
「無事か?」
「すまん。だが、これでわかった」
修は痛む頭を抑えながら、皆に向かって叫んだ。
「鉄パイプだ! 武器を狙え!!」
修の言葉を聞いた零は、月が頭上の木々の枝に張り巡らした鋼糸の足場に立つと、月光を浴びてふわりと舞いながら神社のお札を口に咥えた。狙いを定め、なおも修を狙って庚と攻防を繰り広げる牧田の持つ鉄パイプに素早く手刀を振るうと、発動したろっこん『朱雀之舞・翼刃』が、劣化していた鉄パイプを斬る。
牧田が断末魔の叫びを上げた。
千唐は、鉄パイプを捜し手を伸ばす牧田を、聖水に浸した特殊警棒で滅多打ちにする。牧田が倒れても尚、聖水が染み込んだ靴で踏みつけ続ける。
とどめにと、その頭を踏みつぶそうと足を下ろしたが、踵のあたりがへこんだ程度では千唐は納得しない。さらに踏みつけようとする千唐を、見兼ねた零が止めた。
「そやつはもう、終わっておる」
聞こえないよう舌打ちした千唐は、最後にもうひと蹴りして牧田から離れた。
「やはり、これが本体か」
八神が鉄パイプを見て言った。
「こんなものに、ずっと苦しめられて来たのか…」
母子を想い、直行は苦々しく吐き捨てた。
暴力では解決出来ない事があるのだと、その昔、なんでもかんでも傷付けていた時期があった直行は、身を持って知っている。この男も力があれば強いと勘違いしていたのだろう。
「愚かだよね。誰かに、傷付けるだけの暴力なんて、弱い証拠だって教えてもらえたら良かったのに」
教えられた所で、牧田が聞く耳を持っているとは思えないが。
「さ…ぁちぇ…ょ…たぁ…」
牧田はこの期に及んでなおも母子に執着する。
それを耳にした直行は、錆びきった鉄パイプをぐしゃりと踏み潰した。
鉄パイプの横でびくびくと痙攣していた牧田の動きが完全に止まり、錆色の砂となって崩れていった。
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ブロンズシナリオ(100)
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なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年09月05日
参加申し込みの期限
2013年09月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年09月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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