寝子島八百万大宴会｜リアクション

寝子島八百万大宴会

●ぐいっと飲みましょう

　恵御納夏朝と八神修が作ったおつまみを肴に、神さまや宴会場にいる人々は酒を飲む。
　盃を手に「む？」とした顔の天之丸尾猫神に気づいた酒浸朱蘭は、ここはあたしの出番だぜ！　と瓢箪を持って近づく。
「しゃけもってこい、しゃけー！　しゃけもってくるレス！　しゃけー！」
　Endless Bacchus Serviceこと「えびす」を発動するのレス！　とトワ・E・ライトフェロゥも動き出す。
「総員、位置に着くマス！　sir！　Yes sir！」

「お酒が切れそうだから持ってこいって？　まるで酔っぱらい親父みたいな感じだぜ」
　神さまでも、その辺は人間と同じのようだ。
「ささ、ぐいっと飲むんだぜー」
「かたじけない」
　注いでもらった瓢箪の中身を一気に飲み干した天之丸尾猫神は、中身が水であることに気が付くと不機嫌に。
「これは水ではないか！」
「たしかに水だけど、酔っぱらえるうえに無限に水湧く似非バッカスの鬼毒酒だぜ！　へへへ！　これなら文句ないだろ？」
「そう言われてみれば、酒を飲んだような感覚でござるな」
　これはこれで美味いが、本物の酒がほしいと要求する天之丸尾猫神。
「しょうがないなぁ」
　朱蘭はそばに置いてあった酒の空き瓶手にすると、ろっこんを使って瓢箪の水を補充。
　空き瓶に満タンになった酒に匂いでフラフラになりながら、天之丸尾猫神にお酌を。
（トワ、龍神さまのお酌をお願いするんだぜ）
　指を動かしながら酒を生産しつつ、トワに龍の神さまのお酌をお願いするEndless Bacchus Service凸の朱蘭だった。

「フラフラ～レスがー、頑張るレス！」
　朱蘭から受け取ったお酒を龍の神に運んでいくトワだが、酔いが回った状態なので千鳥足だ。
「フラフラででお酌が遅くてもダイジョー……ブッ！」
　ふらついた拍子で尻餅をついてしまったので、服に酒がかかってしまった。
　それで服が透けたが、そうなってもいいように水着を着こんでいるので大丈夫。
「この下はー水着！　なの！　レス！」
　濡れスケを期待していた宴会客はその様子を上機嫌で見ていたが、心の底では「ちぇー」と思っているかもしれない。
「どらごんー！　お酒レス！　どんどん飲むレス！」
　待ってました！　と言わんばかりに口を開け、注ぐよう要求している。
「どうぞー、なのレス！」
　ドボドボと酒を注ぎながら、大きな口だと興味津々で龍の神の様子をじっくりみるEndless Bacchus Service凹のトワだった。
　もっとくれ！　と大きな声で龍の神さまが吼えるので、どうぞレス！　とトワは口に直にお酌を。

「猫とか龍とか、いろいろいるけど楽しけりゃいいよね？」
　真境名アリサは、天之丸尾猫神と適当に話しているうちに気が合ったようで一緒に酒を飲んでいる。
「良い飲みっぷりね、侍猫さん」
「そういうおぬしも、なかなかのものでござる」
　朱蘭がお酌をしようとするが、天之丸尾猫神は盃を板張りの床に置き立ち上がった。
「ここらでひとつ、拙者の剣技を披露しようかのう」
　待ってました！　と手を叩く宴会客達。
　天之丸尾猫神は剣を抜くと、素早い動きでひと薙ぎ。酔っぱらっていても勢いがあり、砂浜に薙いだ跡が。
　それに触発されたアリサは、私もやるわ！　と天之丸尾猫神が座っていたところにあった刀を手にし、鞘から刀を抜くと剣舞を披露し始めた。
「見事な舞でござるな」
「元々ダンスが得意で、お店のステージで披露することもあるから慣れたものよ」
　しばらくは猫侍と水着美女の剣舞が続いていたが、いつのまにかチャンバラで盛り上がり始めた。